これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

2022 今年の漢字

2022年12月18日 21時04分11秒 | エッセイ
 恒例となっている今年の漢字は「戦」であった。
「わかるわかる。一日も早く、ウクライナに平和が来てほしいわぁ」
 不毛な戦いが終わることを願ってやまない。
 では、私にとっての今年の漢字は何だろうと考えてみた。
「うーん、うーん、電かなぁ……」



 3月までの職場は近かったので自転車で行かれた。ところが4月から異動となり、片道70分の学校になってしまったため、3年ぶりに電車を使っている。一つは電車の「電」だ。
 乗り換えなしで行かれるので、朝は6時半の空いている時間帯を選び座って行く。帰りも18時台のラッシュ前にすべり込み、楽して帰る。通勤時間は去年の4倍になったが、どうにかこうにか健康な状態で年末を迎えることができた。
 もう一つは電子メールの「電」。職場の異動にともなって、新しい上司の下で働いている。つまり、校長先生なのだけれども、この人が無類のメール好きなので、ほとんどの連絡を電子メールで行っている。
「先ほど○○高校の○○校長から電話がありました」
「○日までに△△調査のご回答をお願いします」
「明日は休みます」
 顔を合わせれば5秒ですむ内容が、メールだと1分になったりして効率が悪いのだが、校長先生はこの作業がやたらと早い。送ったそばから返信が届き、即断即決で何の迷いもなく処理していくのでビックリする。
「これは私も見習わなければ」
 最初は、すごい人の下で働くことになったと、プレッシャーを感じていた。しかし、ときどきポカもするとわかってきた。メールの宛名に「様」をつけ忘れたメールが送られてきたときの喜びといったらない。
「はっはっは! 呼び捨てになってるじゃないか」
 完璧に見え、近寄りがたい人のミスは貴重だ。
 また、休暇の日にメールを送ると「休めるときは休んでください」と注意を受ける。
「ちぇっ、今やった方が楽なんだけどな」
 気をつかってくれたのはわかるので、ひとまず休みモードに切り替えた。ところが、タイミングの悪いことに、この直後、私に頼みたい仕事が降ってわいたようだ。しばらくして、困惑気味のメールが送られてきた。
「笹木先生、お休みのところ大変恐縮です。実はかくかくしかじかで……。お返事は明日で結構です。よろしくお願いいたします」
 文面を見て噴き出した。
「あっはっは、休めって言ったの誰だっけ」
 コロナ禍を機にノロマになってしまった私は、かつてのスピード感を取り戻したい。校長先生のせわしなさは、結構いい刺激になる。朝の支度も、お風呂上りから布団に入るまでの所要時間も、少しずつ縮まってきた。
「来年の漢字は『速』になるといいな~」
 速度は上がっても、メールに敬称をつけ忘れないように気をつけようっと。

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コメント (6)
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