これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

ミセス・ハリス、パリへ行く

2022年12月11日 18時37分26秒 | エッセイ
 昨日は土曜日だったが、学校説明会のため一日勤務。
 そして、来週の土曜日も、某大会会場校のため一日勤務。
 しかし、観たい映画は待っていてくれないので、久しぶりのOFFの今日、池袋まで行ってきた。



 これこれ、これですよ。
 洋服やドレスの大好きな私が見逃したくない作品のひとつである。食事の支度も部屋の掃除も夫に任せ、財布を持って家を出た。
 ストーリーを簡単に紹介しよう。
 エイダ・ハリスは若くないが、老け込んでもいなくて、メチャクチャ気立てのよい女性である。



 だが、夫・エディが戦死したとの知らせを受け、悲しみに暮れていた。そりゃあ、人生の伴侶を失えば、明るい気持ちになれるはずがない。
 そんなときに出会ったのが、クリスチャン・ディオールのドレスである。家政婦をしているお屋敷のマダムのもので、うっとり見とれていたら、「500ポンドもしたから夫には内緒よ」とほざかれる。



 500ポンドって安くない? などと侮ってはいけない。パンフレットで確認したら、1950年代当時では、日本円にして現在の250万~400万円くらいというからビックリする。
 でも、このドレスがエイダの希望になるのだ。エディが亡くなった喪失感を穴埋めするように、「私もディオールのドレスを買いたい」を目標にして生き生きと働く。その気持ちはすごくよくわかる。私も身の丈を越えたイッセイミヤケの服を着たいと思うし、衣装体験のできる施設で記念写真も撮った。憧れの衣服を身にまとう喜びが、勤労意欲につながることもある。
 しかし「そのドレスをどこに着ていくの?」と聞かれたら、自信を持って答えられない。だからドレスを買おうとは思わないが、エイダは違うのだ。有り金全部はたいても、ディオールのドレスを追いかけていく。あっぱれである。
 素敵な紳士も登場する一方で、この方にはまいった。



「ルシウス・マルフォイだ!」
 もとい、ジェイソン・アイザックスでしたね……。メル・ギブソン主演の『パトリオット』でも敵役だったから、エイダが騙されるのではないかと心配になったけれど、今回は最後まで善人でいてくれた。なんて言ったら怒られちゃう?
 ディオールのドレスはオートクチュールだから、細身のエイダの体型に合わせて仕立てられるはずなのに、明らかにぽっちゃり体型の女性に貸してあげるくだりがある。ここは何とも解せなかった。
「いや、入らないでしょ。無理無理」
 次の瞬間、ぽっちゃりさんがエイダのドレスを着こなしていた。嘘でしょ!
 納得いかないまま見ていたら、心がコタツに入ったような、あたたか~いラストが待っていた。
 ええ話や~。
 12月は最後まで忙しい気がするけれど、家事をさぼって、心の栄養になるような映画が見れたから、充電できた実感がある。
 たまにはリフレッシュしなくちゃね。

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コメント (6)
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