日本銀行本店の見学会に参加してきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/b0/26c2d274ffd1e7375ecaf16c15b69e56.jpg)
参加者は、西門から入ることになっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/e0/968e76f708c31d6758ab1e91aa88d7b3.jpg)
所要時間は約60分。荷物をコインロッカーに入れ、身軽になって参加するのがよろしい。
防犯上の理由から、飲み物は持ち込めないため、ペットボトル類もロッカーに入れておこう。
「用意のできた方から、金属探知機をくぐっていただきます」
カメラ、携帯電話、小銭入れなどは取り出しておくとスムーズである。
「ピンポーン」
……しかし、私は鳴ってしまった。手荷物を見せたが、包丁などの凶器が入っているはずもない。
「中身は問題ないので、バッグの金具に反応したようですね。どうぞ」
入れてもらえてホッとした。空港のセキュリティより厳しい気がする。
まずは映像学習から。日本銀行券、つまりお札が偽造されないように、いかにハイテクな技術が使われているかを紹介していた。「これだけ工夫しているんだから、つまんない考えを起こすんじゃないよ」とけん制する目的もあるのだろう。
日本銀行の役割なども入れて、20分弱の上映だった。背の小さい人は、最前列でご覧ください。
「それでは、旧館からご案内いたします」
映像のあとは館内の見学だ。旧館は、東京駅で有名な建築家・辰野金吾の作品である。バロック様式だの何だのと、細かいことはわからなくてもいい。明治のレトロな美を、この目にくっきりと焼き付けるだけで十分楽しめる。
さすがに、空調は一部しか利いていない。一方、昭和48年に建てられた新館は、廊下も涼しかった。
印象的だったのが、「日銀ネット」開通時のパソコンである。数字の入力は、通常テンキーで行う。電卓と同じで「0」はもちろん、「00」のキーも珍しくない。しかし、日銀には「000000」などという6桁のキーがあり仰天した。たとえば、「1」「000000」の2つのキーを押せば、100万円を即座に入力できる。もっとも、狭いスペースに収めるため、2行に分けて表示されていたが、いかに大金を扱っているかを思い知らされた。
地下金庫も強烈だった。現在は使われていないから空っぽだが、扉の厚さは90cm、重さは15トン、扉を支える枠も10トンというから、関取がスクラムを組んでいるような重量感である。入口近くには、レプリカの1万円札が雑誌と同じような扱いを受け、梱包用のテープで束ねられ並んでいる。ここで働いていると、金銭感覚がおかしくなりそうだと感じた。
「奥の方の壁に穴が開いています。万一、泥棒が入ったときに、この穴から水を入れて、お札を使えないようにするためのものです」
「へー」
実際に使ったことはないと聞き、少々安心した。
金庫の前には、模擬紙幣1億円分のパックもあり、手に取ることができる。約10kgというから、結構重い。その隣には金塊のレプリカが並んでいる。こちらは14.5kgで、ツルツルすべるということもあり、金銭感覚が発達していても、ひ弱な私には持ち上げられなかった。残念……。
最後に、来客が馬で来ていた時代の遺物を見る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/00/dc6e2a8f99b4c3395c792e120a156bc8.jpg)
これは、馬が水を飲むために作ったものだそうだ。周りには何頭もの馬が待たされ、「ヒーン」といなないては、ボトボト糞を落としていたのかもしれない。掃除が大変だったのではないだろうか。
「以上で、見学は終わりです。お疲れ様でした」
「ありがとうございました」
終了後はロッカーに戻る。おみやげを買う。
まずは、貨幣焼という6種類の硬貨をかたどった饅頭と
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/1c/50aa45f20d3225e048ffc9249cf540d9.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/82/8ebe6d6ed61a64be8c16407c6deddb86.jpg)
一万円札のあぶらとり紙。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/a7/e18ec37a70d579552e19baed5699774f.jpg)
金塊ストラップは適度な重みがあって気に入った。金運が回ってきそうな手ごたえを感じる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/bc/73d5c0b1d608183ef53fddc771c1b17d.jpg)
その割に、浪費していたりして……。
もっと気に入ったのが、日本銀行本館クッキーである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/89/d70795e9ea65dddf450beda9184dcf7a.jpg)
箱がオシャレだと思ったら、扉になっており、開けると地下金庫が顔を出す。金庫を手前に引き出すと、1万円札の印刷がされたクッキーにたどり着く。大人でも笑ってしまうような、遊び心満点のアイデアだ。
童心に返って、ひとり日銀ごっこをしてみた。
「日銀さん、日銀さん、おこづかいくださーい」
「いいですよ、ギー」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/9d/cf550f0bdc0002d6079d726293693604.jpg)
扉が開いて、金庫がお目見えした。お札クッキーはこの中だ。金庫からクッキーを取り出すと……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/e7/7aca37165ca60d4005a2220ac298a151.jpg)
割れてるじゃないか!
何と、10枚中3枚が割れていた。打率3割の高確率だ。端が薄いから、衝撃に弱いのだろう。枚数は減らしてもいいから、もっと厚みを増して、強度を高めるべきではないか。
でもまあ、味はよかった。そして、「他人様にあげられないから、私が全部食べちゃおう」という口実もできた。7枚は無事なので、完全なこじつけである。おすそ分けは貨幣焼にすればいいのだ。あったまいー!
日銀の旧館は、上空から見ると「円」という文字に見えるそうだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/d9/197904a1bb2b9f50a75b72a19e660766.jpg)
(wikipediaより)
ここで一句。
日銀の エンタメ性は 二重丸
楽しませていただきました!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/18/b2b19eb2db2595e3407c99e2498c999f.png)
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/b0/26c2d274ffd1e7375ecaf16c15b69e56.jpg)
参加者は、西門から入ることになっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/e0/968e76f708c31d6758ab1e91aa88d7b3.jpg)
所要時間は約60分。荷物をコインロッカーに入れ、身軽になって参加するのがよろしい。
防犯上の理由から、飲み物は持ち込めないため、ペットボトル類もロッカーに入れておこう。
「用意のできた方から、金属探知機をくぐっていただきます」
カメラ、携帯電話、小銭入れなどは取り出しておくとスムーズである。
「ピンポーン」
……しかし、私は鳴ってしまった。手荷物を見せたが、包丁などの凶器が入っているはずもない。
「中身は問題ないので、バッグの金具に反応したようですね。どうぞ」
入れてもらえてホッとした。空港のセキュリティより厳しい気がする。
まずは映像学習から。日本銀行券、つまりお札が偽造されないように、いかにハイテクな技術が使われているかを紹介していた。「これだけ工夫しているんだから、つまんない考えを起こすんじゃないよ」とけん制する目的もあるのだろう。
日本銀行の役割なども入れて、20分弱の上映だった。背の小さい人は、最前列でご覧ください。
「それでは、旧館からご案内いたします」
映像のあとは館内の見学だ。旧館は、東京駅で有名な建築家・辰野金吾の作品である。バロック様式だの何だのと、細かいことはわからなくてもいい。明治のレトロな美を、この目にくっきりと焼き付けるだけで十分楽しめる。
さすがに、空調は一部しか利いていない。一方、昭和48年に建てられた新館は、廊下も涼しかった。
印象的だったのが、「日銀ネット」開通時のパソコンである。数字の入力は、通常テンキーで行う。電卓と同じで「0」はもちろん、「00」のキーも珍しくない。しかし、日銀には「000000」などという6桁のキーがあり仰天した。たとえば、「1」「000000」の2つのキーを押せば、100万円を即座に入力できる。もっとも、狭いスペースに収めるため、2行に分けて表示されていたが、いかに大金を扱っているかを思い知らされた。
地下金庫も強烈だった。現在は使われていないから空っぽだが、扉の厚さは90cm、重さは15トン、扉を支える枠も10トンというから、関取がスクラムを組んでいるような重量感である。入口近くには、レプリカの1万円札が雑誌と同じような扱いを受け、梱包用のテープで束ねられ並んでいる。ここで働いていると、金銭感覚がおかしくなりそうだと感じた。
「奥の方の壁に穴が開いています。万一、泥棒が入ったときに、この穴から水を入れて、お札を使えないようにするためのものです」
「へー」
実際に使ったことはないと聞き、少々安心した。
金庫の前には、模擬紙幣1億円分のパックもあり、手に取ることができる。約10kgというから、結構重い。その隣には金塊のレプリカが並んでいる。こちらは14.5kgで、ツルツルすべるということもあり、金銭感覚が発達していても、ひ弱な私には持ち上げられなかった。残念……。
最後に、来客が馬で来ていた時代の遺物を見る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/00/dc6e2a8f99b4c3395c792e120a156bc8.jpg)
これは、馬が水を飲むために作ったものだそうだ。周りには何頭もの馬が待たされ、「ヒーン」といなないては、ボトボト糞を落としていたのかもしれない。掃除が大変だったのではないだろうか。
「以上で、見学は終わりです。お疲れ様でした」
「ありがとうございました」
終了後はロッカーに戻る。おみやげを買う。
まずは、貨幣焼という6種類の硬貨をかたどった饅頭と
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/1c/50aa45f20d3225e048ffc9249cf540d9.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/82/8ebe6d6ed61a64be8c16407c6deddb86.jpg)
一万円札のあぶらとり紙。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/a7/e18ec37a70d579552e19baed5699774f.jpg)
金塊ストラップは適度な重みがあって気に入った。金運が回ってきそうな手ごたえを感じる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/bc/73d5c0b1d608183ef53fddc771c1b17d.jpg)
その割に、浪費していたりして……。
もっと気に入ったのが、日本銀行本館クッキーである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/89/d70795e9ea65dddf450beda9184dcf7a.jpg)
箱がオシャレだと思ったら、扉になっており、開けると地下金庫が顔を出す。金庫を手前に引き出すと、1万円札の印刷がされたクッキーにたどり着く。大人でも笑ってしまうような、遊び心満点のアイデアだ。
童心に返って、ひとり日銀ごっこをしてみた。
「日銀さん、日銀さん、おこづかいくださーい」
「いいですよ、ギー」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/9d/cf550f0bdc0002d6079d726293693604.jpg)
扉が開いて、金庫がお目見えした。お札クッキーはこの中だ。金庫からクッキーを取り出すと……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/e7/7aca37165ca60d4005a2220ac298a151.jpg)
割れてるじゃないか!
何と、10枚中3枚が割れていた。打率3割の高確率だ。端が薄いから、衝撃に弱いのだろう。枚数は減らしてもいいから、もっと厚みを増して、強度を高めるべきではないか。
でもまあ、味はよかった。そして、「他人様にあげられないから、私が全部食べちゃおう」という口実もできた。7枚は無事なので、完全なこじつけである。おすそ分けは貨幣焼にすればいいのだ。あったまいー!
日銀の旧館は、上空から見ると「円」という文字に見えるそうだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/d9/197904a1bb2b9f50a75b72a19e660766.jpg)
(wikipediaより)
ここで一句。
日銀の エンタメ性は 二重丸
楽しませていただきました!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/18/b2b19eb2db2595e3407c99e2498c999f.png)
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)