しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「龍のすむ家」  クリス・ダレーシー 

2014年10月27日 | 読書
「龍のすむ家」  クリス・ダレーシー    竹書房文庫    
 THE FIRE WITHN       三辺律子・訳

「下宿人募集 ただし、子どもとネコと龍の好きな方」
案内を出したエリザベス(リズ)・ペニーケルトは娘のルーシーと、猫のボニントンと暮らしていた。
この案内を見て、下宿人になった大学生のデービット・レイン。
近頃、龍を見かけることはないから、この件は問題ないと思っていたデービットだが、そこには龍がたくさんいた。
それはリズが陶芸家で家の中にある工房「龍のほら穴」で、龍を作っていたから。
リズはデービットにも特別な龍を作ってくれる。
それは鉛筆をかじり、ノートを持った龍で、デービットはガズークスと名付ける。
リズは、龍を泣かせないようにと約束させる。
ルーシーは、リスに夢中で、今は片目のハイイロリス、コンカーを気に掛けていた。







ファンタジーファンなら、みんな龍が好き。
多くの物語に登場する龍だが、共通しているのは龍の時代が終わりに近づいているという事。
龍が少なくなっていたり、最後の龍だったり。
そして龍と言えば巨大でどちらかと言えば強暴な存在。
この物語に登場する龍は、ちょっと違う。
現代に、生き残っている小さな龍たち。
まだ実際には、自分たちの前ではあまり動いてくれないのだが。
だから、存在は曖昧。
壮大な物語ではなく、日常の中のちょっと普通とは違う夢見る人達の物語のよう。
登場人物も少ないのだが、どちらかと言うと、あまり魅力的な感じではない。
上品さが足りないような。
龍の性格の方が、面白いかも知れない。
気弱でいじけるような感じもあるが。
しかし、この物語は龍が主人公でもなく、どちらかと言うとハイイロリスが主人公。
龍の物語だと思ったから、物足りなさを感じる。
現実と空想が綺麗にマッチする、いかにもファンタジーの構成。
これはシリーズの最初らしい。
それなら真打はもう少し待たせてという事なのかも知れないが。
カバーに描かれているイラストの龍がとても可愛い。
自分も持っていて手元に置いておけたらと思う。
絶対泣かせたりしない。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「ウォリス家の殺人」  D... | トップ | 第46回全日本大学駅伝選手... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事