しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「あどけない殺人」 リサ・ガードナー 

2008年10月30日 | 読書
「あどけない殺人」 リサ・ガードナー    ソニー・マガジンズ ヴィレッジブックス
   THE THIRD VICTIM    前野律・訳

アメリカ、オレゴン州ベイカーズヴィル。
そこは警察に殺人課もない、のどかな小さな町だった。
そのベイカーズヴィル8年制校(小学・中学校が一緒になった学校)で銃撃事件が発生する。
逃げる子どもたちに駆けつける保護者でパニックになっている学校。
連絡を受け駆けつけたレイニー(ロレイン)・コナー保安官補は、廊下で女性教師と2人の少女の射殺体を発見。
そして、保安官シェップ・オグレディーに銃を向ける13歳の息子、ダニーを見る。
ダニーは取り押さえられ、「僕がやったと思う」とぼうっとした声で答える。
しかし、ダニーがやったとは思えない証拠が出てくる。
事件の直後に黒い服の男を見たと言う子どもの証言も出る。
この事件に州警察殺人課のエイブ・サンダースとFBI特別捜査官のピアース・クインシーが来て捜査に介入する。
サンダースは自分が取り仕切ろうとし、クインシーは犯罪心理捜査官で、学校での銃撃事件に注目していた。
レイニーは過去に母親殺しの疑いを掛けられた辛い過去を持ち、その過去に悩まされながらも事件解決に力を注ぐ。



子どもによる銃撃事件が多発しているアメリカ。
何故そのようなことが起きるのかが、一般論も交えながら語られ興味深い。
大人と子どもでは違うということは確かにあるのだと思う。
子どもと犯罪の係わりは弱いから狙われるという他に、心理的な操作で加害者側になってしまうと言うこともあるのだ。
そのことを気が付かせてくれる。
どちらからも子どもを守れる社会でありたいと思う。
そして、加害者になってしまった子どもはどうしていったらいいのだろうか。
被害者が存在する事件では、その扱いが難しい。
そしてこの物語はそういうことを踏まえながら、真の犯人は誰なのかというサスペンスの要素も強い。
レイニーの過去も係わって来て、一気に読ませてしまう。

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