いがぶら2022秋『西山の棚田』周辺名所めぐり&『拓本』に挑戦!後編②

2022-12-06 12:38:49 | いがぶら2022秋deいが巡り
いよいよ「拓本に挑戦」です。
教えてくださるのは松本さん、数多くの石碑などの拓本を手掛けていらっしゃいます。
大ベテランですが、素朴にやさしく教えてくださいました。
移動したところは、背後に「高旗山」を控え、当然「お斎峠」も近い。
   
ということは、滋賀県へ抜けるにはその裏山を上れば最短ルートではないかと…
ただし「杖がないと登れませんよ」とも。
「でもね、この道は芭蕉さんもきっと歩いているはずですよ」、
確かに、この道標を見てそう思いました。

訪問地⑥【信楽からの古道にある古民家de拓本体験

見本の拓本のために道標の上部の仏様に準備されていた和紙、
風で飛ばされぬよう、霧吹きで水をかけやすいよう、軽く固定されてます。
水をかけたら、「ぽんぽん」軽く叩いて墨を馴染ませます。
そんな各工程をじっくりと見せていただきました。
  
小学生のお子さんも参加していて、いい助手してくれてました。
こういう企画に親子で参加!っていいな、と。

ではいよいよ「my 拓本に挑戦!」。
古民家(案内人さんの私邸)に移りますが、拓本道具が用意され、
(拓本する)対象物の瓦や銅板なども用意され、なんでも挑戦しちゃおうって感じです。
拓本専用の紙=画仙紙、及び和紙なら大丈夫、半紙もOK。
対象物に紙を置き、霧吹きでやさしく中央から水をかける。
張り付いたらタオルなどで何度も抑え水分を取る。
(☝ワタシは、この工程を疎かにしたので、ちょっと残念な結果に…)
どの工程もやさしく・ゆっくり・丁寧に、が大切かと…
  
この「瓦」は、春日神社の屋根の葺き替え時の一部だそうです。
作業中は一生懸命だったので、写真は撮りませんでしたが、
唯一、コレ↓ 若干失敗気味です、難しいです


見本のように上手にできた方の作品
 さすがです。

にかわ入りの墨でポンポンポン・・・
大小のまぁるいポンポンを使って細かい特徴的なところを入念に整えていきます。
あとは、ゆっくり紙を剥がして乾かすのみ!

そこで休憩タイム=ティータイムになります、そして「二胡の演奏」(奏者は案内人のYさん)。
 
「二胡」の響きって哀愁があって、素敵です。初めて生で聞きました。
みんなと歌える楽曲も用意されて楽しく口ずさんだり、
演者さんの話術に惹きこまれたり、楽しいティータイムでした。

拓本実習を終え、余談に「神武天皇の東征」のお話が出て、
その時は何気に聞いていたのですが、今思えば「三本足の八咫烏(ヤタガラス)」のお話か?
そういえば「日本サッカー協会のシンボルマークは『八咫烏」ですね、
あくまでも「にわか」なので、試合結果を聞いてからじっくり見るタイプですが
今回のお話と少しだけ縁を感じたので、八咫烏と共に応援したいと思いましたが ⚽ 。

因みに、近くでは宇陀市に「八咫烏神社」ありますので、
よろしければどうぞ。

最後に話が逸れちゃってごめんなさい、ですが、
ともかく「西山界隈のエエとこ探し」、「拓本挑戦」はいい経験になりました。
歴史を垣間見、落ち着いて取り組むことも学びました、
今後にいろいろ役立つことばかり、案内人のみなさまに感謝。

今度の「冬のいがぶら」…また報告できたらいいなぁ。
ではまた
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いがぶら2022秋『西山の棚田』周辺名所めぐり&『拓本』に挑戦!後編①

2022-12-04 18:14:53 | いがぶら2022秋deいが巡り
「古琵琶湖層湖底」を垣間見て、再び公民館前に戻りました、
  さぁ、棚田へ

訪問地④西山棚田展望公園】(国指定棚田地域=棚田100選)
四季折々何度も訪れ、季節ごとの美しさはいうまでもない、
この日は、ちょうど地区のみなさんの「作業日」(=「出会い」というか?)らしく、
あちこちで伸びすぎた樹木、枯れ木、枯草、落ち葉などの伐採・集塵作業などされていました。
たまたま展望公園にお邪魔した時間と休憩時間が一緒になったので、
いつも綺麗にしていただいてるお礼と、季節ごとの飾り物などがあって嬉しいです、
と気持ちを伝えたら、「そうか、いつも来てくれてるんや、ありがとうな」とのこと。
作業日に来るのもいいもんだ(笑)、迷惑なことさえしなければ…ね。

資料では、『農家の担い手の減少や高齢化が進んだため、
つなぐ棚田遺産として認定された』(2022年2月)とのこと。また
『標高160m~310mの傾斜地に約500枚余の水田が26haに渡って広がる。
 この地は昭和28年、人家も田畑も土砂災害※に遭い、
  (映像資料CATVより)

  (棚田の北面と南面:撮影日2022/12/2)
 そこから復旧した棚田を守り続けている』。
『四季を通じて変化し、いつの季節も美しく、
 自然に溶け込んだ人の営みは、お米以外にも多くの恵みを作り出す』、
『昼夜の寒暖差激しく、山から流れ来る水、そして濃霧、
 美味しい米づくりの条件が揃っています』とのこと。
いがぶらの参加者に「西山棚田米」をお土産にと…

  
西山棚田北面と南面(以下撮影日:11/27)

  
展望公園の中から、時節柄「Xmasツリー」が待っててくれますよ…
そして、「ミツマタ」植樹、春が楽しみなことです。
リンク写真は「田植えの頃(2020/6/2)
そう、その四季折々の景色が大好きなんです  
何といっても一番のおススメは「刈り取り前の金色の稲穂」の時!だそうで、
過去写真から探してきました、あまり上手には撮れていませんが…
金色の稲穂なら夕方がいいかもしれませんねぇ
 (撮影日:2021/8/31)
刈り取りは、お盆過ぎから始まり8月末には終わるそう、ぜひ来年見てくださいね(笑)。
 (撮影日:2020/9/30)

二八災害」のこと(北出楯夫氏著/伊賀の郷土史より)

ここから西側に🚙で少し移動します。では、

道から見て、鳥居の傍のイチョウの木、葉っぱは半分以下しか残っていない、が
階段を上って
  
ふかふかのイチョウの葉、これはもう黄色い高級絨毯
しばし、葉っぱと戯れ、カメラに収める…

訪問地⑤【(西山)春日神社
 
社の横に池があり、ここでは紅葉 を愛で、「千年杉」を見上げ、
境内には珍しい「割拝殿」様式の「参籠社が手前にあります。
 
本来中央は土間で、その中を通って直接本殿にお参りしていたそうですが、
現在は祀りごとなどできるようお部屋のように改装されたそうです。
例えば↓「花垣神社割拝殿」は、こんな感じです。


お参りが終わったところで正午…
社務所で昼食【忍者ちらし(by末廣寿司)】となります。
昼食の前に神主さんから説明があり、
三重県の指定文化財でもある珍しい【木造獅子・狛犬(モクゾウシシコマイヌ)】を特別に見せていただきました。
普段は厳重管理されているようです、「いがぶら」ならではかもしれません。
地元の方に案内して頂いているおかげです。


 
獅子と狛犬が一対というのは大変珍しいですよね、
普通に見かけるのは獅子一対とか狛犬一対ですから。
よく見ると制作年当時に付けられた色合いでしょうか、
薄っすらと緑だったり青だったりが残っているように見えます。
 冊子「伊賀市の文化財」より
≪春日神社本殿の木階下の浜縁の左右に、安置されていた一対の獅子狛犬像です。
 獅子像は像高50.1cm、狛犬像は像高51.5cm、どちらも檜の一木造、
 閉口部中央から鋸(ノコ)を入れ、頭と胴部を切断し、
 雇柄 (ヤトイホゾ)で接ぎ、内刳(ウチグリ)はありません。
 構造や作風が共通する一対の獅子狛犬像は、制作年代は平安後期 (12世紀半ば) に遡ると考えられ、
 和様の獅子・狛犬の稀少な作例として貴重です。≫

さぁて、お楽しみおたのしみ…
他所から来られた方は面白いねぇ、美味しいねぇと賑やかなお食事タイムでした(笑)。
念のために、順に食べるまでの行程をご覧くださいな…
包み紙の裏が「秘伝之書」となっております、では
  

  
はい、ごちそうさまでした。

では次回、いよいよ「拓本(初)体験」、ポンポンポン
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いがぶら2022秋『西山の棚田』周辺名所めぐり&『拓本』に挑戦!高旗山編

2022-12-03 22:18:16 | いがぶら2022秋deいが巡り
西山地区を訪れる前に「新居遊水地」を縦横に通る道から北側を見ると
滋賀県に通ずる山々が見えます。
「お斎峠」や「ゴルフ場」へ行く🚙でしょうか、通る車は多いです。
過去幾度も通っているにも関わらず、立ち止まることはなかったので、
本日(12/3)はじっくり山並みを見るために停まりました。
 
ちょっとわけあって、のことです(笑)。

↓ 少し記憶を遡って、2022/6/12にグループで登った時の写真

↓ 知人が11月に撮ったこの写真
 
どちらも「高旗山(別称:旗振り山)の白旗」です。

先般の「いがぶら」西山巡りでは、山並みの下を歩きながらも
中心の「高旗山」をじっくり撮る暇がなくて、出直したわけです。
自分の記憶のために「バチっと」撮っておきたくなりました(笑)。

半円形モニュメントの後ろに「高倉神社社叢の山」。
その後方の山並み左側の少し凹んだ部分に「お斎峠」、
家康さんが通ったかもしれない峠であそこを越えると滋賀県に入ります。
その右側少し平らかに見えるのが「高旗山」、
あの山を後方に抜けたらそこは「信楽温泉」の裏手(テニスコート辺り)に下ります。

ここまでは前置き…

高旗山(タカハタヤマ)】は、「ほらそこ!に見えます」って言われても…
悩んでました、西山の裾野から見れど、立ってるはずの「白い旗」。
地域住民の方々が年に2回ほど整備をしてくれているそうですが、
目視するのは至難の業!(白い雲が出てきたらアウト✕です)
見えそうで見えない「白旗」に、当日は降参

出直した今日の写真ですが…
 
高旗山の白旗」は、こんな感じで見えました💦
陽の光に輝いて、キラキラと光って見える…
これはね、もう実際に見てもらうしかないなと、
望遠レンズがない方、肉眼がイチバン!かもしれません

白い旗が「見える、見えない」の話を書きたいのではなく、
「本題」は、この「高旗山」は『旗振り山』と呼ばれ、
江戸時代から大正前期にかけて大阪堂島の米相場を、
見通しの良い山から山へと旗振り信号で伝達していたといいます。
旗の大きさはおおよそ畳一畳くらい、とのこと。
空気の澄んでいた時代のこと、堂島から和歌山まで3分、
京都まで4分、大津で5分、桑名まで10分、岡山は15分などと記録があるようです。
現代のような通信手段のない時代に確実に相場を伝えていたようで、なんか頼もしい話だなと。
伊賀へは、「堂島」→「生駒山」→「国見岳」→「高旗山」の順に届いていたのでは?と。
時には、旗振り人が酔っ払って反対の信号を送り、大損をした時もあるとかないとか。
※参考に当日配布の資料写真を添えておきます。
   


余談になりますが我が伊賀の歴史研究家の北出楯夫氏が「高旗山スケートリンクを書かれています。
さて、どこにあったのか?
いがぶらで案内していただいたSさんにお聞きしました、
ありましたよ、確かに…
その場所は??

大変興味深い話ですので、ぜひ

↓ スケートリンクは、ここら辺にあったそうです、


この場所の前には弘法の井戸があるんですよ…
なんだか不思議なご縁があるんですねぇ。

ではまた
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いがぶら2022秋『西山の棚田』周辺名所めぐり&『拓本』に挑戦!前編

2022-11-30 23:36:45 | いがぶら2022秋deいが巡り
晩秋の棚田風景、古琵琶湖層に400万年前を見る。
お腹がすけば「忍者ちらし」、そして初体験の「拓本」。
おまけに「二胡の演奏」まである
なんと盛りだくさんのメニューであることか!
そんなこととは露知らず、気軽に参加させていただきましたが、
終わるころには心は充実、目に焼き付けた風景、ポンポンポンと拓本に夢中になってる自分。
微妙なポンポン加減が難しかったので、再挑戦もあるかもしれぬ…
そんな様子を見てやってくださいな。
🚙での往路、集合場所近くで出会いました、
 皇帝ダリアです

*実施日時(参加日)は、2022/11/27(日)/10時~15時30分
*集合場所は、西山公民館前広場(西山棚田の近く)
*内容
 ≪「国指定棚田地域」に指定された「西山の棚田」周辺にある神社や
 古琵琶湖層が露出した崖などの名所、棚田が見渡せる展望公園などを散策し、
 西山を彩る豊かな自然の中で昼食休憩します。
 その後は古民家へ移動し、古瓦や小物などで拓本体験!
 オリジナルの道具を使って和紙にポンポンとしていきます。
 そして二胡の生演奏とお菓子でティータイム、盛り沢山なプログラム≫
*案内人:松本さん、清水さん、山田さん


①集合場所の「西山公民館前広場」、実は「旧新居小学校分教場」跡地、
約60年前までここに通っていたという子どもたち、
今は70歳も疾うに過ぎたでしょうか…低学年の間は分教場で学び、
中学年以降になると本校(新居小学校)へ、当時は多分徒歩だったと思われます。

左側に「芭蕉」さんの句碑
蛇くふと きけば恐し 雉の声 ばせを
があります。
 
建立は、1967年10月12日とのこと。
右側は「新居小学校分教場跡地」の碑。
スタートの時点で歴史がいっぱい詰まっているのです。

訪問地②【果号寺&シブナシガヤ(国指定天然記念物)】(Wikipediaより)
  
1932(S7)年7月25日に国の天然記念物に指定され、みえの樹木百選にもなっています。
≪シブナシガヤ(渋無榧)はカヤの変種で、種子の胚乳についている渋皮が全く存在しない、
 もしくはあっても取れやすいといった特徴がある。≫
当日の説明では、国指定の天然記念物のシブナシガヤは全国で3本であった。 
1本は、「高倉神社のシブナシガヤ」(東高倉)。
岐阜県養老郡上石津町(現大垣市)に生育していた「多良のシブナシガヤ」は、
枯死したため指定解除されているので、現在は日本で2本!しかない、とのことでした。

 『本尊阿弥陀如来坐像』
この仏様(鎌倉初期と推定される)には、胎内仏がおられるそう。
修理の際に大きさこそ異なれ「ウリ二つ」生き写しの仏さまであったとか。

本堂の格天井には「植物の絵」がいっぱい、
住職の奥様が「シブナシガヤの実」を煎ってくださりお土産に頂く。
とても元気なカシの木で江戸時代から植わっているが、
今なお「実」をたくさんつけているそうです。
そして、境内には「蓮鉢」がたくさん、花のない時期メダカが泳ぐ。
  
 
訪問地③【古琵琶湖層湖底体積層露出崖
伊賀盆地をはじめ滋賀県から三重県の県境約50㎞にわたり、
「古琵琶湖層群」と呼ばれる地層が深さ1500mで続いています。
この地層は今から約400万年前にこの地域にあったのです。
琵琶湖の祖先と言うか、琵琶湖の原型となる湖、すなわち
約400万年前に我が住む伊賀市あたりに小さな湖=大山田湖があった。
それが地殻変動によりどんどん現在の琵琶湖に移動していった、ということですね。
その地層がココ「西山地区」で剥き出しに残っているわけです、
これ「伊賀焼」の土の元!です。
では、その地層を見に行きましょう~
  

大山田平田で出土した「イガタニシ」も見せていただきました。
同じ地層がつながっているんですね…


黒く見える部分がいわゆる「古琵琶湖湖底層」で、いまだに湿潤しています。
この粘土質の土のおかげの苦労話を聞かせていただきました、
土に対する苦労もあり、伊賀の気候風土もあり、そのおかげで
「美味しいお米」が作られている!
当たり前のように「旨い米」を毎日食べられること、ほんまに感謝です。
そしてこの粘土は「伊賀焼」の元!にもなっているわけです。
 
 
壮大な「古琵琶湖湖底」がクッキリ見えます、
教えてもらわなければ行けない…400万年前をここに見た!

つづく
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