警察署に着いたのは、お昼前。
「失ったと届け出た免許証が出てきました、どこへ報告すればいいでしょう?」と聞くと、
〇〇の窓口で口頭で伝えてもらったらいいですよ、とのこと。
言われた通り、
ワタシ「〇〇所持の免許証が見つかりましたので連絡に来ました」
警官 「はい、よかったですね、そのままどうぞ使ってください」
ワタシ「えっ? このまま使えるんですか?」
警官 「そうです」
ワタシ「何かの手続きなく使えるんですね、でもワタシたちちょっと相談したいこともあるんですけど…」
警官 「例えば、どんなことですか?」
ワタシ「免許証が使えるというのはわかりました、でも本人はご覧の通りの高齢者で、今後免許を持ち続けることに家族は不安を感じています。
何かアドバイスをいただけるということはできませんか?」
警官 「ちょっと待ってください、別の係に聞いてみますから」
まぁ、ここまではそれなりに進みましたが、丁度お昼休憩の交代時間と重なってしまい、署内も人手薄な時間に突入です。
そこで、今までの経過を簡単に係の人に伝えさせていただく。
・家族としては、今後免許を持たせていいのか悩んでること
・免許証を返納した場合、家族としてどんな協力も惜しまないこと
・父の自動車の運転に不安を感じていること
・本人は、まだまだ運転を続けたいらしい
・車を傷つけることが多くなってきたこと
・物損ならまだいい、これが人身事故になってしまったら…と考えると家族は不安であること などを伝えました。
わかりました、ただお昼の時間帯になってしまいましたので、改めて午後に来てくださいますか?
できれば、ご本人の載っている車を見せていただきたいですね、と言われ
いつでも来ますので、よろしく相談に乗ってくださいと伝え、こちらも一旦昼食休憩。
父本人は、免許証が出てきたことに安堵しているようだけど、こちらとしては不安がいっぱいなのに…
彼は、昼食は目いっぱいたらふく食べるし、母は母で今関係ないことをペチャクチャしゃべるし、
もう~~、ワタシは食べていても気が滅入るばかり、、、
どうやって、この不安な気持ちを伝えようか、と悩み
警察の人は(交番でも言われたのだけど)免許証を持つのを辞めなさい!とは言えません。
これはあくまでもご自身の問題ですからね、
助言はしますが、あとは本人次第、家族の説得あるのみ!なんですね。
そりゃわかる、辞めてくれとは言えない彼らに、父への説得を託すわけにはいかないのだけど、何かしらのヒントがほしい。
そう思うのは、同じような親を持つ人にとっては、喫緊の課題のような気がする、きっとワタシだけじゃないはず、、、
すがる思いで再び警察署に向かう、今度は父の車を旦那さんに運転してもらっての再出動ですわ。
お待ちしていましたと、出迎えてくれました。
相談の前にワタシが、父の車を持ってきましたと伝えると、じゃ早速見せてもらいましょうね、と。
婦警さんでしたが、車を見ての第一声「これは、かなりの衝撃のように見えますねぇ、バンパーが壊れてますもんね、壁に当たったとかおっしゃってましたが、壁は大丈夫だったんですかね」と。
ワタシ「大丈夫なはずはないと思いますが、壁の方もいろんな薄い傷がいっぱいついていて、ワタシらが見ただけではどれがどの傷かまではわかりません、、、」
さて、相談室にて
婦警さんが、今車を見せていただきました、かなり傷ついてましたね、ご家族が心配されてますよ。
父「車の傷は大したことはない。ぼくは長い間ずっと安全運転をしてきた。
無事故・無違反でやってきた。車間距離を開け、法定速度を守り、止まれではちゃんと止まる。人にも気をつけている。
これからももうちょっと運転は続けたいと思っている」と。
ちょっと待ってください、『無事故・無違反』と言われましたが、じゃこの事故の届け出はされましたか?
父「事故ではない! だからそんなもん届けていない」
いえ、これは事故です、明らかな物損事故です。
事故をしたとき、運転者は警察に事故を届け出る義務があります。
当てたまま放っておいたら『当て逃げ』と言われるかもしれません。
建物の持ち主さんから訴えられることもありえますよ。
貴方は、大小にかかわらず物損事故のその報告義務を果たしていませんね、それは『法令違反』ですよ。
決して貴方自身が考えているような『無事故・無違反』の運転者ではありません。これは明らかに事故!です。
父「大した事ではない、だれもどこも傷つけていない。だから報告もしていない」
そう思っていること自体が重大な過ちです、貴方のその意識を変えないといけません。
たとえ小さな事故でもそれが積み重なれば、いつかは大きな事故に繋がるかもしれませんよ。
ご家族は、車を運転できなくなってもフォローはすると言ってくれてるし、いつでも協力すると言ってくれてますよ。
今回は、たまたま物損でしたが、これがもし公道でしかも人間相手だったら、この車の状況ならかなりの事故になっていますよ。
そうなった時、被害者の方も大変な思いをするし、貴方自身そしてご家族も苦しむことになります。
そこのところをわかってくださいね。
父「ぼくは絶対事故は起こさない、いつも安全運転をしているから大丈夫、まだまだ運転は続ける」
あのね、〇〇さん、ご家族はお父さんのことをすごく心配してらっしゃいますよ。
思わず、ワタシ「この車の傷を見て、だれが安全運転やと思うの? 自分は安全運転やと思ってるけど、ワタシらから見たら危なっかしくて仕方がないんや!
いつどこで人様に当たるかもわからない状況がいっぱいある、高齢になって状況判断も衰えている、誰が見てもハッキリわかる。自己満足の運転はやめてほしい」と訴える…
ご家族の言う通りですよ、お父さん一人の問題では済まなくなってきます。
安全運転とおっしゃいますが、『流れに乗って運転すること』もとても大事なことです。
ご高齢になってからの自己判断の運転は本当に危険ですよ、アクセルやブレーキの踏み間違いの事故が多いのも高齢者です。
(警察の方、もう一人増え、二人での協力戦線になってきました)
最近もありましたね、アクセルとブレーキを踏み間違えてしまったために線路に落ちて、電車を止めてしまった事故!
本人はそんなつもりでなくても、ヒヤリハットの事故はいっぱいあるんですよ。
身分証明としての免許証にこだわるのであれば、『運転経歴証明書』というものを発行できる制度もあります。
今までの〇〇さんが『無事故・無違反』で運転してきましたよ、という証明ができます。
父「そんなものはいらん。ぼくは、まだ車に乗りたいねん! 後は、家に帰って家族と話し合う」と、ついに返納しますとは絶対言わず、、、
ワタシ「今更何を話し合うねん、送迎くらいお手のもんや、いつでも協力するやん、と言うてるのに…なんでわかってくれへんの」
そんな申し入れも、周りの心配の声も、彼の心には届かない。(まぁ、意固地になってるとしか思えないのはワタシだけでしょうか)
何をだれがどう言っても、聞く耳を持ちません、もうこの年では「意識改革」は無理なんでしょうかね??
相談室を出る時、お世話になった警察の方々にワタシが伝えたこと、
「車のキーを取り上げます!」
(彼らも、ワタシ達家族の思いは充分に理解してくれているので)
「今の段階ではそれが一番いい方法だと思いますよ、お父さんの命と安全を守るためにも~~」
でも まだ、つづく
「失ったと届け出た免許証が出てきました、どこへ報告すればいいでしょう?」と聞くと、
〇〇の窓口で口頭で伝えてもらったらいいですよ、とのこと。
言われた通り、
ワタシ「〇〇所持の免許証が見つかりましたので連絡に来ました」
警官 「はい、よかったですね、そのままどうぞ使ってください」
ワタシ「えっ? このまま使えるんですか?」
警官 「そうです」
ワタシ「何かの手続きなく使えるんですね、でもワタシたちちょっと相談したいこともあるんですけど…」
警官 「例えば、どんなことですか?」
ワタシ「免許証が使えるというのはわかりました、でも本人はご覧の通りの高齢者で、今後免許を持ち続けることに家族は不安を感じています。
何かアドバイスをいただけるということはできませんか?」
警官 「ちょっと待ってください、別の係に聞いてみますから」
まぁ、ここまではそれなりに進みましたが、丁度お昼休憩の交代時間と重なってしまい、署内も人手薄な時間に突入です。
そこで、今までの経過を簡単に係の人に伝えさせていただく。
・家族としては、今後免許を持たせていいのか悩んでること
・免許証を返納した場合、家族としてどんな協力も惜しまないこと
・父の自動車の運転に不安を感じていること
・本人は、まだまだ運転を続けたいらしい
・車を傷つけることが多くなってきたこと
・物損ならまだいい、これが人身事故になってしまったら…と考えると家族は不安であること などを伝えました。
わかりました、ただお昼の時間帯になってしまいましたので、改めて午後に来てくださいますか?
できれば、ご本人の載っている車を見せていただきたいですね、と言われ
いつでも来ますので、よろしく相談に乗ってくださいと伝え、こちらも一旦昼食休憩。
父本人は、免許証が出てきたことに安堵しているようだけど、こちらとしては不安がいっぱいなのに…
彼は、昼食は目いっぱいたらふく食べるし、母は母で今関係ないことをペチャクチャしゃべるし、
もう~~、ワタシは食べていても気が滅入るばかり、、、
どうやって、この不安な気持ちを伝えようか、と悩み
警察の人は(交番でも言われたのだけど)免許証を持つのを辞めなさい!とは言えません。
これはあくまでもご自身の問題ですからね、
助言はしますが、あとは本人次第、家族の説得あるのみ!なんですね。
そりゃわかる、辞めてくれとは言えない彼らに、父への説得を託すわけにはいかないのだけど、何かしらのヒントがほしい。
そう思うのは、同じような親を持つ人にとっては、喫緊の課題のような気がする、きっとワタシだけじゃないはず、、、
すがる思いで再び警察署に向かう、今度は父の車を旦那さんに運転してもらっての再出動ですわ。
お待ちしていましたと、出迎えてくれました。
相談の前にワタシが、父の車を持ってきましたと伝えると、じゃ早速見せてもらいましょうね、と。
婦警さんでしたが、車を見ての第一声「これは、かなりの衝撃のように見えますねぇ、バンパーが壊れてますもんね、壁に当たったとかおっしゃってましたが、壁は大丈夫だったんですかね」と。
ワタシ「大丈夫なはずはないと思いますが、壁の方もいろんな薄い傷がいっぱいついていて、ワタシらが見ただけではどれがどの傷かまではわかりません、、、」
さて、相談室にて
婦警さんが、今車を見せていただきました、かなり傷ついてましたね、ご家族が心配されてますよ。
父「車の傷は大したことはない。ぼくは長い間ずっと安全運転をしてきた。
無事故・無違反でやってきた。車間距離を開け、法定速度を守り、止まれではちゃんと止まる。人にも気をつけている。
これからももうちょっと運転は続けたいと思っている」と。
ちょっと待ってください、『無事故・無違反』と言われましたが、じゃこの事故の届け出はされましたか?
父「事故ではない! だからそんなもん届けていない」
いえ、これは事故です、明らかな物損事故です。
事故をしたとき、運転者は警察に事故を届け出る義務があります。
当てたまま放っておいたら『当て逃げ』と言われるかもしれません。
建物の持ち主さんから訴えられることもありえますよ。
貴方は、大小にかかわらず物損事故のその報告義務を果たしていませんね、それは『法令違反』ですよ。
決して貴方自身が考えているような『無事故・無違反』の運転者ではありません。これは明らかに事故!です。
父「大した事ではない、だれもどこも傷つけていない。だから報告もしていない」
そう思っていること自体が重大な過ちです、貴方のその意識を変えないといけません。
たとえ小さな事故でもそれが積み重なれば、いつかは大きな事故に繋がるかもしれませんよ。
ご家族は、車を運転できなくなってもフォローはすると言ってくれてるし、いつでも協力すると言ってくれてますよ。
今回は、たまたま物損でしたが、これがもし公道でしかも人間相手だったら、この車の状況ならかなりの事故になっていますよ。
そうなった時、被害者の方も大変な思いをするし、貴方自身そしてご家族も苦しむことになります。
そこのところをわかってくださいね。
父「ぼくは絶対事故は起こさない、いつも安全運転をしているから大丈夫、まだまだ運転は続ける」
あのね、〇〇さん、ご家族はお父さんのことをすごく心配してらっしゃいますよ。
思わず、ワタシ「この車の傷を見て、だれが安全運転やと思うの? 自分は安全運転やと思ってるけど、ワタシらから見たら危なっかしくて仕方がないんや!
いつどこで人様に当たるかもわからない状況がいっぱいある、高齢になって状況判断も衰えている、誰が見てもハッキリわかる。自己満足の運転はやめてほしい」と訴える…
ご家族の言う通りですよ、お父さん一人の問題では済まなくなってきます。
安全運転とおっしゃいますが、『流れに乗って運転すること』もとても大事なことです。
ご高齢になってからの自己判断の運転は本当に危険ですよ、アクセルやブレーキの踏み間違いの事故が多いのも高齢者です。
(警察の方、もう一人増え、二人での協力戦線になってきました)
最近もありましたね、アクセルとブレーキを踏み間違えてしまったために線路に落ちて、電車を止めてしまった事故!
本人はそんなつもりでなくても、ヒヤリハットの事故はいっぱいあるんですよ。
身分証明としての免許証にこだわるのであれば、『運転経歴証明書』というものを発行できる制度もあります。
今までの〇〇さんが『無事故・無違反』で運転してきましたよ、という証明ができます。
父「そんなものはいらん。ぼくは、まだ車に乗りたいねん! 後は、家に帰って家族と話し合う」と、ついに返納しますとは絶対言わず、、、
ワタシ「今更何を話し合うねん、送迎くらいお手のもんや、いつでも協力するやん、と言うてるのに…なんでわかってくれへんの」
そんな申し入れも、周りの心配の声も、彼の心には届かない。(まぁ、意固地になってるとしか思えないのはワタシだけでしょうか)
何をだれがどう言っても、聞く耳を持ちません、もうこの年では「意識改革」は無理なんでしょうかね??
相談室を出る時、お世話になった警察の方々にワタシが伝えたこと、
「車のキーを取り上げます!」
(彼らも、ワタシ達家族の思いは充分に理解してくれているので)
「今の段階ではそれが一番いい方法だと思いますよ、お父さんの命と安全を守るためにも~~」
でも まだ、つづく