「卒論」で地球にきたヒーロー 『星雲仮面マシンマン』 その2

2014年04月10日 | オタク・サブカル

 「『星雲仮面マシンマン』は軽すぎるヒーローである」。

 youtubeで古い特撮ソングを楽しんでいた際、そんな疑問を抱いた私は前回(→こちら)、



 「マシンマンが地球に来たのは卒論を書くため」



 であり、地球を守っているのは「そのついで」であることについて語った。

 なんとも、のんきな話だが、ヒーロー番組につき物の悪の組織テンタクル」も、それに負けず劣らず能天気なのである。

 ふつう悪の組織といえば嘘でも「世界征服」とかいうものだ。

 スケールは違っても、死ね死ね団みたいに「黄色い猿の日本人皆殺し」とか。

 ところがテンタクルの究極の目的というのが、世界征服でも人類抹殺でもなく、ズバリ、




 「子供をいじめる」




 それでいいのかテンタクル。

 大の大人が「子供をいじめる」で満足してどうする。

 これには深い訳があり、首領であるプロフェッサーKが重度の子供アレルギーとのこと。

 ガキを見るとクシャミが止まらなくなるというから、花粉症みたいなものか。

 まあ、その体質は気の毒だが、それで子供をいじめたところで、問題の根本が解決するわけでもあるまい。

 そもそも子供が苦手なのに、自分の方からちょっかいをかけるというのも逆効果なのでは。

 それならふつうに、「若者離れが進む過疎の村」とかに引っ越した方が、現実的なのではないか。

 こんな、対処にはヒーローよりも教育委員会が出た方がいいようなトホホなテンタクルだが、送りこむ悪の怪人もさらにトホホだ。

 これはリアルタイムで見ていたから、今でも覚えていて、第一話の怪人がその名も「ドリル男」であった。

 そのまんまだ。

 同じ等身大ヒーローの『仮面ライダー』も実は相当チープだけど、怪人はカメバズーカとかテレビバエとかボイラーガマとかインパクトある名前が多かった。

 そこをあえて「ドリル男」。

 シンプル・イズ・ザ・ベストというやつか。

 それとも、単にやる気がないだけか。賭けるとすれば後者だ。 

 さらにはズッコケなのが、この番組の怪人みんな同じフォルムなのである。右手以外。

 ヒーロー番組は仮面ライダーやゴレンジャーの活躍のみならず、子供たちにとってのもうひとつの楽しみは、バラエティーに富んだ敵の怪獣怪人である。

 それが、出てくる敵がみな、右手アタッチメント以外は同じ形状というのはいかがなものか。

 いわば、『古畑任三郎』で犯人が第1話から最終話までずーっと、衣装だけ替えた鶴瓶師匠のようなものだ。それ、全然楽しくないやん!

 同じ顔と衣装で、右手がドリルなら「ドリル男」。

 ラジカセなら「ラジカセ男」。

 ハンマーなら「ハンマー男」。

 そのままやんけ!

 まあ予算がなくて衣装を使いまわしてたんだろうけど、それにしても安直である。

 たしかに大量生産するなら、同じカタで量産した方がコスト安くすみますけどね。

 なんだか悪の組織というよりも中小企業の社長さんみたい。

 そんなマヌケきわまりない番組『星雲仮面マシンマン』だが、主題歌はすごくかっこいいんだよなあ。




 ■おまけ マシンマンのオープニングは→【こちら



コメント
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