『シン・ウルトラマン』の実相寺アングルはもうエエとかいう話

2023年04月12日 | オタク・サブカル

 「ちょっとおまえら、オレに特撮の話をさせてくれよ!」


 
 先日、近所の焼き鳥屋で、竹原ピストルさんのような声をあげたのは、不肖この私でした。
 
 ことの発端は、特撮映画『シン・ウルトラマン』についてのこと。
 
 『シン仮面ライダー』も公開されて、大いに盛り上がっている庵野秀明監督の『シン』シリーズですが、なにかと「うるさ型」な特ヲタな方はいろいろと言いたいことがあるよう。 
 
 
 ということで、今回は以前のレディ・プレイヤー1』妄想編に続く、ゆかいなオタク話第2弾
 
 主に40代で、将棋界で言えば「安用寺孝功世代」が中心のメンツなので、いつものごとく、
 
 「若者は置いてけぼり」
 
 といったシロモノになっている、そっとじ物件。
  
 まずは登場人物。
 
 
 1.ベットウ君
 
 後輩。戦隊ヒーロー、アニメ、マンガ、プロレスが得意ジャンル。

 
 2.ワカバヤシ君

 元関東人。オタクではなく、映画、文学、哲学などにくわしいインテリ。
 
 
 3.カネダ先輩

 SF、ミステリ、映画、ゲームなどが専門。
 
 
 4.

 特撮、SF、ミステリ、映画あたりが専門。

 

 それでは、張り切ってどうぞ。
 
  
 
ワカバヤシ「なんか今日はシャロン君が、特撮の話をしたいって?」
 
ベットウ「はいはい、こないだようやっと『シン・ウルトラマン』観たそうで。それでしょ?」

「うん、評価が微妙やったから映画館はスルーしてたけど、アマゾンプライムに入ったから観たんよ」

カネダ「こん中で観た人、オレと他だれ?」

ベットウ「(手を上げながら)はい、一応、映画館で」

ワカバヤシ「ボクは観てません。怪獣とか、そんなに興味ないし」

カネダ「で、どうやった?」

「これが、結構楽しめましたよ」 
 
カネダ「そうなんや。オレも割と、な」 
 
ベットウ「へー意外。僕はもっと、ボロクソに言うかと思ってました」

「そりゃ、多少は言いたいことはあるよ。説明セリフ多すぎとか」

ベットウ「あるのは、あるんスね」

「《あえてやってる》言うたら、なんでもゆるされるわけちゃうぞとか、ウルトラマンが人間を好きになる理由って別にないやんとか」

カネダ「わかるわかる。科特隊が何してるんかよくわからんとか、相変わらず庵野は女の趣味が悪いなとか」

「この手の作品で実相寺アングルはもう禁止にしろとか」

カネダ「思わせぶりやのに、中身ないのはいつものことやとか」

「基本、オタクへの目配せも多すぎてウンザリやねん」

ワカバヤシ「どんどん出てくるじゃん」

「ダイジェスト版を継ぎはぎしたみたいで、ホンマにシナリオちゃんと練ってるのとか」

カネダ「ラストがご都合主義すぎとか」

「バディとか強調してたけど、特に機能してないやんとか、言いたいことはあるけど、そこそこ楽しめたんよ」

ワカバヤシ「そこまでまくしたてて、よくポジティブな結論にいきつけたね」

ベットウ「特撮ファンって、めんどくさい人種なんですよ」

「ツンデレやねん」

ベットウ「いや、どっちかいうたら、1日に100回くらい電話かけてくるメンヘラ彼女ですわ」

ワカバヤシ「基本的に、上からなんだね」

カネダ「この世界、全員が海原雄山やから」

「これはまあ、《イマイチやで》って、最初にハードルをうんと下げられてたってのは大きい」

ベットウ「あ、それ、いい観方っスね」

「これが、《なに? 令和に初代ウルトラマンが映画でよみがえる? しかも庵野秀明と樋口真嗣の『シン・ゴジラ』コンビ? 絶対に観に行かな!》」

カネダ「《今日この日から、あたらしい特撮の歴史がはじまる(ピシッ)》みたいなテンションで観てたら、全然ちがってと思うぞ」

ベットウてらさわホークさんとか、そんな感じやったらしいですけどね」

カネダ「それは災難や。あれはハズレって聞いといて、ヒマつぶしで気軽に観に行って、《言われてるほどはヒドくないやん》くらいがベストな鑑賞法」

「あとは、これ映画としての評価は60点くらいやねんけど、やっぱ怪獣がたくさん見れたのが、単純にうれしかったね」

カネダ「ゴメスとかも出てたしな」

最初の3分は、ホンマにゴキゲンでしたよ」

ベットウ「『パシフィック・リム』みたいな、冒頭から大サービス」

カネダ「あんな怪獣出てたら、もう日本なんか住まれへんけどな」

「だから、そこはええねんけど、ストーリーとか追うといろいろと言いたいことが出てきて……」

ベットウ「でも、それ言うたら『パシフィック・リム』かてスカスカやないですか」

カネダ「まあ、あれも偏差値でいうたら35くらい」

「オレが小4の時に書いた怪獣ドラマのシナリオみたいな。でも、あれはええのよ」

ベットウ「なんでですのん」

カネダ「うん、言いたいことはわかるよ」

「『パシフィック・リム』はアホでええのよ。ギレルモ、全然ゆるせる」

ワカバヤシ「でも、『シン・ウルトラマン』はダメなんだ」

「アカンねえ、なんでやろ。ギレルモはマジの【少年の心】で創ってるから、かわいいのかも」

カネダ「『シン・ウルトラマン』はオールドファン向けっぽいもんな。もう大人の俺らやから、そう思うだけかもわからんけど」

「その閉じた感じがイヤなんかなー。マンガ版の『20世紀少年』とかもそうやったけど」

ワカバヤシ「『20世紀少年』は好きだけど、言いたいことはわからなくも……」

「こっちはイマイチ共感しきれてないのに、なんかその人の思想とか美意識を語られてるときの気まずさというか……」

ベットウ「ちょっと帰りたいなーってなってる状態の、先輩の飲み会みたいな。でも、頭空っぽにして、怪獣だけ見たら楽しいですよ」

カネダ「【巨大長澤まさみ】も観れるしな」

「ねー、そういう個別のあれこれはいいんやけど……」

ベットウ「そもそも、シャロン先輩は庵野演出が合ってないという問題が」

「エヴァもテレビシリーズしか見てないしねえ」

カネダ「『パシフィック・リム』の底抜けはいいけど、『シン・ウルトラマン』のそれはアカン」

「アカン! でも、理由はよくわからん」

ベットウ「でも、悪口は言うと」

「悪口ちゃうねん。これは【愛】やから!」

カネダ「愛っていうたらなんでもゆるされると思うのは、『サイキック青年団』と桂南光のお家芸や」

ワカバヤシ「今なら、鬼越トマホーク」

ベットウ「やっぱ、悪口ですやん!」

 

続く

 
 


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