前回(→こちら)の続き。
藤子・F・不二雄先生の名作マンガ『パーマン』。
この作品ににおいて、パーマンの選出に「ガキとサル」を選んだバードマンの意図は、完全に
「ウケ狙い」
であったろろうと、友人フカエ君と結論づけた私。
あきらかに、チョイスの基準がおかしいのだ。笑いを取りにいってるとしか思えない。
きっと、吉本か人力舎あたりに所属して、
「こんなパーマンはイヤだ」
のような大喜利をやっているのだろう。いわば、パーマンセットを使った「モノボケ」である。
これに関して、フカエ君はさらなる証拠を提示してくる。
「3号なんかアイドルやぞ」
パーマン3号。通称パー子。その正体は、星野スミレ。
売れっ子スーパーアイドルである。今でいうなら、さしずめ先日卒業された、元AKB48の渡辺麻友さんのようなものか。
たしかに、なんでそんな人を選ぶのか。
吉田豪さんの『元アイドル!』によると、アイドルなんて時給でいえば100円くらいで、分単位秒単位で仕事をしているという。
文字通り、寝る間もないくらいに、働いているのだ。それに、さらに仕事をしろと。
それも、「地球の平和はまかした」って、それ責任重すぎである。
今の日本は、働きたくても仕事がない人とかいるんだから、そういうところを選んでみてはどうか。
日本で一番いそがしい人を選ぶとか、選考基準が狂っているとしか思えない。
タクシーの中とかで、
「移動中に20分だけ寝られます。その後はラジオの生放送と取材3本とリハーサルで、終わったらすぐ収録にむかってください」
とかマネージャーに言われているところに、バッジがピロリロリと鳴って、
「パー子、聞こえるか。ソマリア沖で、日本のタンカーが海賊に襲われている。救出に行くぞ」
とか、呼び出されるのである。
そこいらのブラック企業も真っ青の酷使ぶりだ。鬼か、バードマンは。
しかも、さらにおかしいことに、パーマンは正体をばらしてはいけないという決まりがあり、やぶると「脳細胞破壊銃」で、「クルクルパー」にさせられてしまう(なぜ?)。
「見せるのが商売」なアイドルであるというメリットはゼロなのだ。だから、選んでやるなってば。
こんな理不尽きわまりない「パーマン3号」選考だが、ある日その謎が少し解けることとなった。
きっかけはラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」(略称「タマフル」)だ。
その日のテーマがアイドルであり、宇多丸さんとゲストのコンバットRECさんが、その魅力について語っていた。曰く、
「アイドルはその魅力の中にある微妙な《ほつれ》がいい」
「彼女らに大事なのは《やらされてる感》」
「彼女らに大事なのは《やらされてる感》」
などなど、アイドル素人の私には勉強になる内容だったが、そこにこんな言葉が出たのだ。
「アイドルはMであり、プロデューサーがS。アイドルの輝きは、いかにスタッフ側が彼女たちに《負荷》をかけるかにかかっている」。
(続く→こちら)