藤子・F・不二雄『パーマン』 バードマンが星野スミレをパーマン3号に選んだ理由 その2

2017年09月14日 | うだ話
 前回(→こちら)の続き。
 
藤子・F・不二雄先生の名作マンガ『パーマン』。
 
 この作品ににおいて、パーマンの選出に「ガキサル」を選んだバードマンの意図は、完全に
 
 「ウケ狙い
 
 であったろろうと、友人フカエ君と結論づけた私。
 
 あきらかに、チョイスの基準がおかしいのだ。笑いを取りにいってるとしか思えない。
 
 きっと、吉本か人力舎あたりに所属して、
 
 
 「こんなパーマンはイヤだ」
 
 
 のような大喜利をやっているのだろう。いわば、パーマンセットを使った「モノボケ」である。
 
 これに関して、フカエ君はさらなる証拠を提示してくる。
 
 「3号なんかアイドルやぞ」
 
 パーマン3号。通称パー子。その正体は、星野スミレ
 
 売れっ子スーパーアイドルである。今でいうなら、さしずめ先日卒業された、元AKB48渡辺麻友さんのようなものか。
 
 たしかに、なんでそんな人を選ぶのか。
 
吉田豪さんの『元アイドル!』によると、アイドルなんて時給でいえば100円くらいで、分単位秒単位で仕事をしているという。
 
 文字通り、寝る間もないくらいに、働いているのだ。それに、さらに仕事をしろと。
 
 それも、「地球平和はまかした」って、それ責任重すぎである。 
 
 今の日本は、働きたくても仕事がない人とかいるんだから、そういうところを選んでみてはどうか。
 
 日本で一番いそがしい人を選ぶとか、選考基準が狂っているとしか思えない。
 
 タクシーの中とかで、
 
 「移動中に20分だけ寝られます。その後はラジオの生放送と取材3本とリハーサルで、終わったらすぐ収録にむかってください」
 
 とかマネージャーに言われているところに、バッジがピロリロリと鳴って、
 
 「パー子、聞こえるか。ソマリア沖で、日本のタンカーが海賊に襲われている。救出に行くぞ」
 
 とか、呼び出されるのである。
 
 そこいらのブラック企業も真っ青の酷使ぶりだ。鬼か、バードマンは。
 
 しかも、さらにおかしいことに、パーマンは正体をばらしてはいけないという決まりがあり、やぶると「脳細胞破壊銃」で、「クルクルパー」にさせられてしまう(なぜ?)。
 
 「見せるのが商売」なアイドルであるというメリットゼロなのだ。だから、選んでやるなってば。
 
 こんな理不尽きわまりない「パーマン3号」選考だが、ある日その謎が少し解けることとなった。
 
 きっかけはラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」(略称「タマフル」)だ。
 
 その日のテーマがアイドルであり、宇多丸さんとゲストのコンバットRECさんが、その魅力について語っていた。曰く、
 
 
「アイドルはその魅力の中にある微妙な《ほつれ》がいい」

  「彼女らに大事なのは《やらされてる感》」
 
 
 などなど、アイドル素人の私には勉強になる内容だったが、そこにこんな言葉が出たのだ。
 
 
「アイドルはMであり、プロデューサーがS。アイドルの輝きは、いかにスタッフ側が彼女たちに《負荷》をかけるかにかかっている」。
 
 
 
 (続く→こちら
 
 
 
 

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