最強の動物はどれかを激論! 熊も象もかなわない(かもしれない)ヤツの正体とは? その2

2017年10月21日 | うだ話

 前回(→こちら)の続き。



 「戦ったら最強の《動物》はなにか」



 とい中二病的テーマで友と語り合い、「答は」というところに議論は着地しかけた。

 だが、そんな当たり前の結論ではおもしろくない。無駄に議論を紛糾させるのが得意な私は、ここに新たなる秘策を用意していた。

 それは何者かと問うならば、それはラクダである。

 などと言ってみると、おいおいちょっと待て、お前は頭がおかしいのか。

 ラクダなんておとなしそうな動物が熊や象に勝てるはずはないではないか、という意見が返ってくるかもしれない。

 もちろん正攻法でぶつかれば、まず勝てないであろう。

 なんたってパワーが違うわけだが、そこは頭脳戦でカバーするのが、私の変化ワザだ。

 単にウェイトだけで勝負が決まっては、なにごとも興味半減である。

 では具体的に、どうやってラクダが象に勝つのかと問うならば、ポイントは、ラクダのコブである。

 ご存じのように、ラクダの背中にあるコブには脂肪がつまっている。

 これがいうなればエネルギーを備蓄するタンクの役割をしており、中身を消費することによって、ラクダはかなりの長期間飲まず食わずで活動することができるのだ。

 や天然資源に乏しい砂漠などでは、彼らが非常に重宝がられるゆえんである。

 私の提唱する「砂漠の舟作戦」は、これを最大限に利用した戦い方をすることであり、方法は簡単。



 「ただひたすら逃げ回る」



 これをやればよい。

 いくら最強の象とて生き物、食べたり飲んだりしなければいつかは死んでしまう。

 そう、この作戦は、



 「相手が餓死するまでひたすら逃げまくる」



 という、補給なしで長時間活動が可能なラクダのみが選択できる、究極持久戦なのである。

 どうであろうか。この「砂漠の舟作戦」。

 ヒトもそうだが、生物とは、食わないといつかは飢え乾き、死ぬことが運命づけられている。

 その避けられない弱点をついた、実に非情な戦い方ではないか。

 砂漠だけに、文字通りドライな作戦やなあ。フッフッフ、諸君、どうだい。このクレバーなファイトスタイルに対抗できる策があるなら聞こうではないか。

 なんて余裕しゃくしゃくでおさまっていると、議論に参加していた面々は、すかさず手をあげると、



 「いや、この勝負、ラクダの負けだ!」



 ほう、私の「砂漠の舟作戦」のどこに水漏れがあるのかねと問うならば、


 「熊も象も、案外動くと速いねんぞ」


 なんでも熊も象も、走ると時速40キロは出るらしい。

 あの図体で、本気を出せば人間より速いとは意外である。ティーガー戦車の最高速度(時速38キロ)よりも早いのか。

 その一方で、ラクダは時速30キロ程度。

 それなりには速いが、リング上ではすぐに捕まってしまう。持久戦に持ちこむ前に、接近戦瞬殺されるのでは。ということだ。

 なるほど、そういわれればそうかもしれない。論理的で、しごく筋の通った反論だ。

 だがそれでも、やはり私のラクダ推しは変わらないのである。スピードの差を埋めるその戦い方とは……。


 (続く→こちら



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