おそるべし伊藤匠四段の「天才」感 第4回アべマトーナメント雑感

2021年04月28日 | 将棋・雑談

 「【天才感】を出して切り抜けろ!」

 

 少し前当ページで、こういう提言をした(→その詳細はこちら)。

 昔、友人キシベ君からから受けた、

 

 「そんなに親しい人がいない飲み会やパーティーで、手持無沙汰になり、黙りこんでしまう」

 

 という相談に、

 

 「【天才感】を演出すれば、《そういう人なんだ》と放っておいてもらえるぞ」

 

 そうアドバイスした私。

 これはダウンタウンの松本人志さんや、南海キャンディーズの山里亮太さんも実践した演出術で、ハッタリを駆使して、

 

 「ヤツは一味違うぞ」

 

 そう思われれば、多少の無愛想や奇行には、目をつぶってもらえるのだ。たぶん。

 それには関心半分、あきれる半分で納得してくれた友だが、彼が言うには、


 
 「でも、天才のフリせえ言うたかて、だれを見本にしてええか、わからんよねえ」

 

 たしかに。

 勉強やスポーツなんかは、身近にいる上級者のマネもできるけど、ふつうはなかなか「天才」に会えへんもんなあ。

 なんて頭をかいていたのだが、そこから長き年月が経ち、たまたま、その模範解答が見つかった。

 

 将棋のプロ棋士、伊藤匠四段

 

 これが正解です。

 伊藤匠。

 昨年度、三段リーグを抜けてデビューを果たした若手棋士

 今をときめく藤井聡太二冠と同学年で、奨励会時代から将来を嘱望された、現役の最年少棋士

 先日、アべマトーナメントNHK杯戦で、大舞台に初お目見えとなり、将棋の内容や、その独特の雰囲気で、大いに話題を呼んだスター候補生なのだ。

 これがねえ、メチャクチャ雰囲気が出ている。

 あの髪型風貌立ち振る舞い。すべてが、

 

 「これで、天才でなきゃおかしいね」

 

 

 

 

 白衣でも着せれば医者の卵。

 紙と鉛筆を持たせれば、数学科の優秀な学生みたいだし、絵描きやピアニストとしても通じそう。

 作家でいえば、森見登美彦さんなんかも、ヌボーっとしているように見えて、独特の「実はすごい」感があるが、それにも近いかも。

 庵野秀明カントクとか、テニスのダスティンブラウンとか、お笑いからは空気階段の水川かたまりさん、とか。

 そういや見た目、東京03の豊本さんに似てるなあ。

 なんて話を、こないだ将棋ファンの友人としていると。

 

 「わかるよ。シャロン君が好きそうな感じやもん」

 

 あ、そう? なんで、わかるの?

 

 「だって、伊藤君って、なんか《名探偵》っぽいやん」

 

 あーそこかあ。

 なるほど、私はミスヲタだから、伊藤四段からそこはかとなく感じる「名探偵」感に惹かれるんだ。

 そう言われると、妙に納得してしまった。

 金田一耕助役とか、やってくれへんやろか。

 もうちょっとキザならエラリークイーンとか。オーギュストデュパンでもいいなあ。

 なんにしろ、伊藤四段の「天才感」は、パーティーなどで手持ち無沙汰になるわれわれには、大いに参考にしたいところ。

 もちろん、彼は「本物の天才」だから、中身などマネできるはずもないが、そこはハッタリでカバーするのだ。

 街のオシャレさんといえば、「ジョニーデップ率」が異様に高かったりするが、われわれはこっちだな。

 あと、伊藤四段が活躍して話題を呼んだアべマトーナメントだが、そこにもうひとりの【正解】もいた。

 それこそが、船江恒平六段

 船江六段は明るいキャラクターで、楽しい関西弁を駆使し、どちらかといえばクールな稲葉陽八段や、久保利明九段を盛り上げる役割だった。

 どっこい、その一見して「三枚目」なキャラはフェイクであり、一皮むけば必殺の急戦矢倉で、敵のスーパーエースである藤井聡太二冠を破るという大殊勲。

 『第三の男』が、実は一番危険な刺客だった。

 なんてカッコええんや!

 マンガでも、よくあるでしょう。ひょうひょうとした、ゆかいなオジサンが、実はスゴ腕の使い手だった、みたいな。

 寒山拾得か! カンフー映画の「老師」とか、あこがれだよねえ。

 ただ、ひとつこの場合問題は、

 

 「結果を出さないといけない」


 
 というハードルがあること。

 それも「藤井聡太を倒す」という、とんでもない高さのそれだ。

 さすがに、そこは素人には無理なわけで、その意味では恒平も、まだまだわかってないな、というところであろうか(←どういう視点の意見なのか)。

 とまあ、長々と書いてきたが、なにが言いたいのかと問うならば、パーティーなどで気まずくなる人は、

 

 「名探偵のような、雰囲気とハッタリでカバーしろ」

 

 それともうひとつ、伊藤四段はきっと藤井聡太二冠に負けないスターになるから、みんな、アべマトーナメント見ようぜ!

 藤井聡太や伊藤匠だけではない、今大会も、まだまだ魅力的な若手棋士が爆発してくれるはずだから、もう断然目が離せないわけで、楽しみはつきない。

 だからオレ、団体戦はおもしろいって、昔からゆーてたやん!

 

 


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