スポーツ選手の異名は様々である。
野球なら川上哲治の「打撃の神様」。
サッカーなら、ヨーロッパ最強と恐れられたオーストリア代表の「ヴンダーチーム」。
水泳なら古橋廣之進の「フジヤマのトビウオ」。将棋なら木村義雄名人の「常勝将軍」。
などなど、例が古いというか、おまえは戦前生まれかとつっこまれそうだが、とにかく色々あっておもしろい。
私はテニスが好きなので、今回はそこを色々と取り上げてはと考えたが、最近は妙に小忙しく、なかなかスポーツ観戦まで手が回っていないのが現状。
なので、今旬の選手の試合は見ても、雑誌などを読んでないせいで、こまかい情報にとぼしいのだ。
といって、こういうのはネット検索して拾っても、ウィキペディアか他人の書いたものの引き写しになり、つまらないので、とりあえず自分の知ってる範囲で思いつくまま出してみたい。
ということで、例は若干古めです。では、ドン。
☆クリス・エバート=「アイスドール」
これは有名。
美人なうえ、どんな状況でも、まったく表情が変わらないところからついたもの。
たしかに昔の映像とか見てると、ホントにクール。ブレずに正確なストロークを続けられるプレースタイルともマッチしている。
まさに氷の人形。
ちなみに、ライバルのマルチナ・ナブラチロワは「鉄の女」。
ナブラッチからすれば、「だれがやねん!」とつっこみたくなるかもしれないが、その対照性こそが、見ているほうは燃えるんですけどネ。
★ピート・サンプラス=「ピストル・ピート」
元世界ナンバーワンで、グランドスラム14勝のレジェンドであるピートの、破壊力抜群なサービス力からついたもの。
彼のサーブは、スピードやコントロールもさることながら、「ここ一番」で入る率が異様に高い。
15-40みたいなスコアから、エース4連発であっと言う間にキープとか、何度見たことか。
まさにピストルの連射。こんなん、レシーバーは心をへし折られます。
サービスが強いとニックネームもつけやすいようで、ボリス・ベッカーの「ブンブンサーブ」(「Boom Boom」は大砲などの爆撃音のイメージ)。
ゴーラン・イバニセビッチの「サンダーサーブ」や、マーク・フィリポーシスの「スカッドサーブ」などなど。
カッコいいですなあ。
★ミロスラフ・メチージュ=「ビッグキャット」
魔法の妖精ペルシャの飼い猫ではなく、スロバキアのレジェンドのこと。日本では「メシール」のほうがなじみかも。
私はメシールの現役時代は知らず、スロバキアのプレーヤーといえばカロル・クチェラのほうが思い出される。
もっとも、そのクチェラは単に「キャット」と呼ばれていて、その由来がメシールからのもの。
同じ、俊敏なプレースタイルゆえの命名だが、
「カロルもすばやいが、ミロスラフほどではないから、《ただのキャット》」
みたいな言い方されて、クチェラかわいそうとやん、と笑いそうになったもの。
まあ、メシールはグランドスラムで2度ファイナリストになってるからなあ(クチェラは全豪ベスト4が最高)。偉大な人です。
これはまったくの余談だが、子供のころ遊んだファミコンゲーム『ファミリーテニス』の「めしいらず」というネーミングセンスには舌を巻いたものだ。
当時はよくわからなかったが、たぶん「メシ要る」→「メシ要らず」ってことなんだろう。
天才の仕事か。ナムコはすごいメーカーだなあ。
★おまけ
◇1971年のUSオープン。エバートとビリー・ジーン・キングの一戦(→こちら)。
ダブルスアレーがないとか、会場の様子が今と違いすぎる!
◇1981年のオーストリアン・オープン。エバートとナブラチロワの戦い(→こちら)。まだ芝のコートの時代。
◇1995年のUSオープン決勝(→こちら)。ピート・サンプラスとアンドレ・アガシの名勝負のひとつ。
◇1988年ウィンブルドン準決勝(→こちら)。優勝したステファン・エドバーグ相手に2セットアップで勝利目前だった。