羽生善治九段が、王将戦の挑戦者になった。
ここ数年、無冠転落やA級からの陥落など、苦戦の続いていた羽生だが、今期はその力を少しずつ取り戻しつつある様子だ。
勝率では、いわゆる「2勝1敗」ペースの6割5分以上をマークし、棋王戦では佐藤天彦九段に敗れたものの勝者組決勝まで進出で、まだ敗者復活から挑戦の可能性を残している。
そして、注目の王将リーグでも若手のホープから、タイトルホルダーに現役A級をなで斬りにして挑戦権獲得。
A級順位戦に匹敵するとも言われる難関リーグを、全勝で駆け抜けたのだから、これはもう文句のつけようのない結果となった。
これでファンが待ち望み、また話題性もバツグンな
「藤井聡太-羽生善治」
のタイトル戦が実現。
ただ、七番勝負の展望はと言えば、まあこれはハッキリ言って「藤井有利」であって、これは羽生さんがどうより、今の藤井五冠ならだれが出たってそうなってしまう。
それに、私は今さら羽生さんの記録とかにもこだわっておらず、というか、「永世七冠」をかけて戦っていたときですら、もし永世竜王を取れないまま終わっても、別にそれはそれでいいと思っていた。
羽生さんのデビュー時から見ていた身としては、その強さと熱い将棋を(特に「羽生-佐藤康光」と「羽生-久保利明」というカードは本当にハズレがない)十分以上に堪能させてもらった。
なんで、なにかと取り上げられる「タイトル100期」も、それこそ渡辺明名人・棋王が、
「羽生さんは、100期とかこだわってないんじゃないかなあ。もう実績的には充分すぎるし、単にゴロがいいかどうかだけの問題でしょ」
ドライなことをおっしゃっていたけど、私もこれに近い。
もちろん、羽生さんは勝つつもりで挑むんでしょうけど、負けても、それはそれでという感じかなあ。
少なくとも「100期ならず」みたいな残念感はない。いい内容の将棋は見たいけど。
ただ、ひとつだけ贅沢な望みを言えば、双方3勝3敗で最終局に突入すれば最高の展開。
それこそ、まさに「最後の戦い」ということになって、どっちが勝っても激アツではないか。
願わくば、ぜひその一局を眼に焼き付けたいものだが、あれ、そういや私は「囲碁将棋チャンネル」に入ってないから見れないわ。
うーむ、羽生さんは試練を乗り越えたのに、こっちにはまさか貧乏という大敵がまっていようとは。
となれば、あとは一縷の望みを違法アップロードにたくしたいところで、ぜひ倫理観の低い将棋ファンのみなさまがたに、よろしくお願いしたいところだ(←最低の結論だよこの人)