電子書籍、夏のセールで買い倒れ日記

2021年07月26日 | 

 7月はを、たくさん買った。

 この時期は、夏休みということで、各種ネット書店において、3割引きだのポイント還元など、うれしいイベントが盛りだくさん。

 しかも今年は、ハヤカワ河出書房が参戦という、たまらない情報が。

 どちらも、海外ものが充実したところで、ミステリSF欧米南米など外国の小説。

 という、なかなか古本屋でも、値段の下がらないジャンルの作品が目白押しとなっては、もう気合も入ろうというもの。

 私はこの電書ゲット計画を「グーテンベルク作戦」と命名し、あっちでワンクリック、こっちでポチリと、大いに散財したのだった。

 ということで、今回はこの夏に大人マネーで買い散らかした、電子書籍のラインアップをご紹介したい。

 要するに、女子のバーゲン戦利品か、子供のおもちゃ買ってもらった自慢のようなもの。

 そんなもん、知らんがなという、読書に興味のない方もおられるだろうが、そこは自転車にでも轢かれたと思って、あきらめるのが吉であろう。

 


 まずは河出書房から、ミシェルウエルベックプラットフォームある島の可能性』。

  『服従』が、かなりおもしろくて、ぜひ他のも読みたかったんだけど、高いうえに古本でも価格が落ちないので、しばし様子見をしていたところ。

 いい機会なので、まとめて購入。重量級なので、お盆にでも、じっくり読もう。

 


 ☆パトリシアハイスミス。『太陽がいっぱい』『キャロル』。

 

 ミスヲタにもかかわらず、ハイスミスは未読のまま。

 まあ、イヤミスが苦手ってのもあるけど、なかなか手に入りにくかったイメージもある。まとめてゲット。

 映画版とくらべるのが、今から楽しみ。

 


 ☆ウンベルトエーコ。『ウンベルトエーコの文体練習

 

 パロディ部分はわからないところが多いが、「フランティ礼賛」のため購入。

 デ・アミーチスの『クオレ』はマジで欺瞞に満ちた、気持ち悪い話なんだよなあ。

 主人公エンリーコの親父が、信じられないくらいヤバいヤツ。

 なんたって、子供が寝ている間に日記を読んで、そこにあれこれ説教訓話を書きつけるという異常ぶり。

 しかも、その内容が俗物丸出しなのを、エンリーコも素直に受け入れて、作者はそれを「よきこと」と思っているわけだ。

 ふつうだったら、バットで頭カチ割ってるよ。私が陪審員なら、秒速で無罪だね。

 


 ☆チママンダンゴズィアディーチェなにかが首のまわりに

 

 ナイジェリア文学というのが惹かれる上に、河出書房のホームページで短編まるまる一本試し読みできたので、読んでみた。

 かなりいい出来で、即ゲット決定。

 マイノリティ文学についてまとめた、いい本があれば読みたいな。


 


 ☆イタロカルヴィーノ見えない都市

 

 カルヴィーノはちょっと苦手で、結構挫折してるんだけど、ここでリベンジと。

 作風的には、絶対好きなはずなのに、なんでだろ。

 


 ☆マリオ・バルガス=リョサ楽園への道

 

 バルガス=リョサは一時期よく読んだので、即ゲット。

 好きなのは『チボの饗宴』、中編の『小犬たち』。

 南米ではコルタサルプイグ、バルガス=リョサは好き。

 ガルシアマルケスノンフィクションの方がおもしろく感じる(ただし『百年の孤独』は別格)。ボルヘスは苦手。

 

 


 ☆猿谷要『生活の世界歴史9 北米大陸に生きる』

 

 『物語アメリカの歴史』『ニューヨーク』『アトランタ』『ミシシッピ川紀行』などなど、猿谷要にハズレなし!



 永井良和橋爪紳也南海ホークスがあったころ

 

 子供のころ、ギリ大阪球場残ってたけど、行ったことないんだよなあ。

 今思えば、難波のド真ん中っていう、スゴイ場所にあったけど、世代的には宮部みゆきさんの『火車』に出てきた住宅展示場。

 

 


スティーヴンミルハウザーエドウィンマルハウス

 

 ミルハウザーも、なかなか古本で見つからないから(あっても高い)、ありがたい。

 


 ☆アントンチェーホフ馬のような名字 チェーホフ傑作選

 

 ちょうど今、沼野充義先生の『チェーホフ 七分の絶望と三分の希望』(超おもしろい)を読み返しているところなので。

 でも、チェーホフもまた、学生時代読んだけど、ちっとも刺さらなかった。

 プーシキンドストエフスキーはおもしろい。トルストイはダメ。

 昔、読んだ『イワンの馬鹿』が

 

 「本当にイワンがバカなだけだった」

 

 という内容にコケそうになった記憶がある。

 こういう、インテリが勝手に「聖なる愚者」を神格化して「癒やされる」のって、エゴくないッスか?

 他人に都合のいいキャラを勝手に投影して、利用しやがって。そういうのって、ヘタすると優越感の裏返しだし。

 傲慢なブルジョアめ! どんな甘えん坊なんだ、オマエは!

 

 


 ☆トニーペロテット古代オリンピック 全裸の祭典

 

 藤村シシンさんによる『アサシン クリード』解説の影響から。

 あのトークと、ゲーム画面見たら、そらみんな古代ギリシャに行ってみたくなりますわ。

 



 ☆エレナ・ポーターリンバロストの乙女

 

 昔、村岡花子訳の少女小説を、山ほど読んだ時期があったので、なつかしくて。

 『赤毛のアン』に『丘の家のジェーン』とか『少女パレアナ』『スウ姉さん』。

 『アン』は2以降、全然おぼえてないけど、主婦になったアンが、一日ひたすらイライラしている短編が、おもしろかった記憶が。

 たしか氷室冴子さんも、ほめてたはず。『プレイバックへようこそ』ってエッセイ集で、この手の本をくわしく取り上げてました。

 バロネスオルツィべにはこべ』とセットで、この夏は乙女エンジン全開。

 

 


マイクル・コーニイハローサマー・グッドバイ』『パラークシの記憶

 

 ミスヲタなので、最後の展開には「おー!」と大満足。

 ただ、この手の日本人受けする甘酸っぱいSFは、ちょっと苦手だったりする。

 代表作とも言える、『たったひとつの冴えたやりかた』は好きなんだけどね。


 

 などなどだけど、まだまだ欲しい本はいくらでもあって、いやん、まいっちんぐなのである。

 お金もさることながら、選ぶのに、すんごい時間を取られるのだよなあ。

 

 (続く→こちら

 

 

 


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