コロナ日記 ボンクラ独身貴族のステイホーム編

2020年05月09日 | 日記

 コロナで世界が大変である。

 友人などに連絡を取ってみると、ため息をつく人もいれば、昨今流行りのZOOM飲み会をやっている人など様々。

 で、こういう話をしていると、かならずと言っていいほど

 「外に出えへんで、どうやって1日すごしてんの?」

 という話題というか情報交換になるので、今回も日記形式で自宅待機大型連休をレポートしてみたい。

 

 ■5月のある休日

 

 朝10時起床。起き抜けにポン・ジュースとインスタント・コーヒー。飲みながらスマホをいじる。

 天気予報とニュース。この状況がいつまで続くかわからないが、ケンカと薄汚ねえ火事場泥棒だけはやめてほしいなあと思う。

 クールジャパンのこととかね。

 朝食は紅茶、バナナ、クロワッサンにゆでたまご。BGMは古いフランスの曲。『巴里祭』『巴里の屋根の下』。

 午前中はDVDを観る。中古屋で買ったり、昔ダビングしたものが山ほどある。

 こういうのは「手元にあると、いつまでも観ない」という罠というか「あるある」があるので、いい機会だからあさってみる。

 当然、昔観たものが多くなる。今日はビリー・ワイルダーの『熱砂の秘密』。

 ドイツ軍のエルヴィン・ロンメル役をエーリヒ・フォン・シュトロハイムが演じてるんだけど、こんな似ても似つかない配役というのもめずらしい(笑)。

 ただやはり、シュトロハイムは雰囲気ありまくりの役者なんで、ある意味ハマり役でもある。

 手に持ってるハエたたきが、妙にキャラとマッチしている。いい映画。

 なんとなく本棚の整理をして、昼食。

 うどんをゆでて、卵、ネギ、ワカメ、コロッケ、豆腐など冷蔵庫のあまりものを全部つっこんで、ヒガシマルのダシと熱々の湯をそそぐ。

 雑すぎる鍋焼きうどんだが、「男のメシ」という感じもして悪くない。

 食べながら、BS世界のドキュメンタリー「ヒトラーユーゲント ナチス青少年団の全貌」を見る。

 「NSDAP(ナチスの正式名称)あるある」に、

 「当時のドイツ人の写真を見ると、ものすごく幸せそうな笑顔を見せているものが多い」

 というのがあるんだけど、大人もそうだろうけど「ヒトラーユーゲント」にハマる子供たちがいることも、なんとなしに理解はできる。

 そら、みんなでキャンプしてハイキングしてスポーツ大会やって、勉強は重視されず、しっかりしたタテ関係にカッケー制服。

 カリスマ的指導者もいて、そんなもん男子の役満そろってますもんね。

 少年マンガが描く、理想の運動部みたいな世界。文化系の私は絶対イヤですが。こいつら、本焼くし。

 食後は少し昼寝。寝つくまで、シーツにくるまりながらブログのネタを考える。

 私はこのページをバズらせようとか、フォロワーを増やそうとか、そういったことはほぼ考えていないので、内容は思いつきで本当に一貫性がない。

 SNSで人気のある友人からは、よく「テーマをしぼったほうがいいよ」とかアドバイスされるけど、それだと飽きるからなあ。

 最近、将棋ネタを多くしているが、そもそも、藤井聡太七段のフィーバーがすさまじく、それだったらちょっとと「羽生世代を中心としたトッププロの大ポカ集」を書いてみたら、少し反応があって、ならばと「絶妙手編」もやってみて、そこで終わるはずだった。

 それが、こんなに続くとは思わなかった。

 まあ、将棋ブームが終わるかネタが切れたらやめるだろうけど、発表するというよりは、これを機会に古い資料を読んだりするのが楽しいのかもしれない。

 こんなことなら古い『将棋世界』とか、『週刊将棋』のスクラップとか処分しなきゃよかった。

 こと文化系人間は「断捨離」ブームなんかに乗せられてはいけません。

 午後からはコーヒーを飲みながら、ひたすら読書。

 私は本さえあれば無限に時間をつぶせる人間なので、こういうときありがたい。

 今日は飯塚英一『旅行記作家マーク・トウェイン 知られざる旅と投機の日々』。

 『トム・ソーヤーの冒険』や『ハックルベリー・フィンの冒険』の作者であるトウェインは一般的には

 「ミシシッピ川を愛する、愉快で楽しいおじさん」

 というイメージだが、それはあくまでトウェインの一部にすぎず、すぐれた旅行記をものし、また「文学的名声より、一発当てて金持ちになりたい!」という、かなり俗っぽいアメリカン・ドリーマーでもある。そもそもミシシッピ川の近くには、若いころの数年しか住んでいない。

 また、なかなかアクの強い人だったようで、本の中で実在の人物をイジりまくったら激怒され、訴訟を起こされたり、死後に新聞の投書で反論されたり。

 変な発明品で一発当てることに血道をあげていたら、大失敗して破産しかけるとか、『自伝』は自慢話と罵詈雑言しか書いていないという「老害」丸出しな内容で、トムやハックを愛するマジメな研究者を困らせているとか、飯塚氏のすばらしくリーダビリティの高い文章もあって、メチャクチャにおもしろい!

 夕食。ご飯を炊いて、豚モヤシとキャベツのサラダ、卵豆腐。

 こういうとき、辺境作家の高野秀行さんをはじめ、「メシだけ炊いておけばいい」という人もいるが、たくさん炊くと「ラップして冷凍」という手間がめんどくさくて、やらなくなってしまうことも多い。

 そこで一時期「レンジでチン」のご飯を食べていたこともあって、最強なのは東海林さだおさんの本を参考に、

 「ご飯をチンして、かつおぶしと醤油をかけて食べる猫まんま」

 手間のコスパはすばらしいものがある。味つけノリをのせてもよし。おかずは納豆をパックのまま。

 そういえば『OL進化論』の秋月りす先生は、「パックご飯にスライスチーズとキムチをのせてチン」をおススメしていた。とにかく、なんでものせればいいのだな。

 食後はパソコンを開く。お茶しながら、YouTubeやラジオなど。古いテニスの動画。アンリ・ルコントの芸術的なプレーに、しばし酔いしれる。フェデラーとナルバンディアンのローラン・ギャロスでの打ち合いとか。

 寝る前に少し読書。SFが読みたくなって、ロバート・A・ハインライン『人形つかい』を読み返す。

 本好きやってると、よく「どんな本読んだら役に立つ?」とか訊かれるけど、SFはおもしろいうえに「相対的視点からの思考力と想像力」が鍛えられるから、強いんじゃないかなあとか、そんなことを考えながら眠りに落ちる。

 

 


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2 コメント

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ありがとうございます (シャロン)
2020-05-11 00:44:43
なおさん、またまたコメントありがとうございます。

〉〉巣篭もり生活でほとんど読ませていただきました。

メチャうれしいです! これからも、よろしくお願いします。


〉〉一番の後悔は将棋関連の本を捨ててしまったことです

日記にも書きましたが、私も処分しちゃいましたねえ。

まさか、「将棋ブーム」なんてもんが来るとは思いもしなかったもんで(笑)。

本は最悪、買い直せばいいですけど、『将棋世界』や『週刊将棋』は古いのになると、もう手に入らないんですよね……。



〉〉升田対大山、大山対中原、中原対米長、中原対谷川、谷川対羽生、羽生対森内、佐藤等々不滅の名勝負があったわけで、


最近、将棋に興味を持った方は羽生-谷川戦が「ゴールデンカード」と呼ばれていたこととか、きっとピンとこないんでしょうね。

今調べたら、『谷川VS羽生100番勝負』が復刊になってました。昔、並べたなあ。欲しいけど、すごく高い!

しかも品切れでした。買う人は高くても買う。エライ。

てか、谷川先生解説の『将棋図巧』が欲しい! だれか買って!



〉〉もうどこまでソフトで局面を煮詰めてきましたか?みたいな、もう将棋が別のものになってきた感じがあります。


たしかに、将棋は変わっていってるのかもしれません。

私もソフトに関しては素人なんで、着いていけない部分もありますが、それでもこれからどうなるかは興味深いところもあります。

SF好きということもあって、こういう「パラダイムシフト」に直面したとき、どういう変化が起こるのか知りたい。

そのためには、若手棋士を中心に、どんどん将棋界がそのおもしろさをアピールしてほしいですね。

そこをうまく解説できるしゃべりや文章が達者な人が、出てきてくれればいいんですけど。
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Unknown (なお)
2020-05-10 19:14:47
巣篭もり生活でほとんど読ませていただきました。本当に面白いし勉強になります。もう極上の小説を読んでいる感じです。僕は愛媛出身で上京して今は横浜在住なのですが関東で何度も引越しをする中で収集した本やCDなどを断捨離してきたのですが、一番の後悔は将棋関連の本を捨ててしまったことです。200冊くらいあったはずです。でもこのブログに救われました。パソコンなどない将棋が一番熱かった時代があったわけじゃないですか?升田対大山、大山対中原、中原対米長、中原対谷川、谷川対羽生、羽生対森内、佐藤等々不滅の名勝負があったわけで、じゃあ豊島対渡辺が激アツかっていうとなんかそんな感じしないんですよね。もちろんパソコンがあるのでその2人の方がレベルが高いんでしょうけど。もうどこまでソフトで局面を煮詰めてきましたか?みたいな、もう将棋が別のものになってきた感じがあります。動画でリアルタイムで形勢まで解るわけですから。私が間違えてるかもしれませんがやっぱり昔の将棋の方が面白かったかな。今の将棋は無味乾燥な感じがあります。長々とすみません。とにかくこのブログには救われました。シャロン教授ありがとうございました。今後とも宜しくお願い致します。
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