Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

♪8「徒然なるままに」

2013-11-28 | Season's Greeting
 「徒然なるままに、日ぐらし、硯に向かひて、心に映りゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそ物狂ほしけれ」(徒然草) 

 あまりにも有名な文章の一つかもしれませんが、小林秀雄は、「無常という事」のなかでこう記しています。

「心が紛れるどころか、眼が冴えかえって、いよいよ物が見えすぎ、物がわかりすぎる辛さを、『あやしうこそ物狂ほしけれ』と言ったのである」(「徒然草」69頁, 小林秀雄, 1942.)

 言葉は、自分が思いついたことを記すのではなく、ありのままの自分があるがままに記すとき、言葉が私に何かを語らしめるのかもしれません。

初稿 2013/11/28
校正 2022/05/08
写真 空城山公園
撮影 2010/11/21(広島・府中)