Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

∫43「東京 建築 十選」〈庁舎・民間ビル編 II〉

2021-10-10 | Architecture
 近代国家として成立した日本が帝国主義に傾倒していった1930年代、その時勢は建築様式にも影響を及ぼしたのかもしれません。(帝冠様式 下記①〜②参照)

 戦後の荒廃から高度経済成長期にかけて、建築様式は装飾性よりも機能性や合理性を重視した結果、建築構造も横長から縦長へ拡張するとともに都市構造の変革をもたらしました。(モダニズム建築 下記③〜⑦参照)

 しかしながら、合理的な画一性を重視することで単一性をもたらしたモダニズム建築に対して、多様性や新たな価値観を見出そうとした建築様式が登場します。(ポスト・モダン建築 下記⑧〜⑨参照)

 「近代化」は歴史や思想など様々な文脈で用いられますが、建築様式にも色濃く反映しているような気がします。そして現代建築と呼ばれるものもまた、コロナ禍後の社会に応じて絶えず変化していくような気がします。

初稿 2021/10/10
写真「東京 建築 十選」〈庁舎・民間ビル編 II〉
 ※○建築名(場所), 竣工年度.
''記載がある場合、高さと延床面積を引用"
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①遊就館(東京・九段), 1932.
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②旧軍人会館(東京・九段), 1934.
※保存・再開発予定, 2022.
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③西武百貨店(東京・池袋), 1952.
※横に長いビルとして日本一(当時ギネス記録)
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④NTT日比谷ビル(東京・内幸町), 1961.
"42m, 79,754㎡"
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⑤霞ヶ関ビルディング(東京・霞ヶ関)【1968】
"147m, 153,960㎡"
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⑥サンシャイン60(東京・池袋), 1978.
"240m, 190,595 m²"
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⑦新宿副都心 高層ビル群
(中)損保ジャパン本社ビル(東京・西新宿), 1976. "200m, 124,438㎡"
(左)新宿野村ビルディング(東京・西新宿), 1978. "210m, 119,442㎡"
(右)新宿センタービル(東京・西新宿), 1979. "223m, 183,064㎡"
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⑧東京都庁第一本庁舎(東京・西新宿), 1990 "244m, 195,567 m²"
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⑨モード学園コクーンタワー(東京・西新宿), 2008. "204m, 80,865㎡"
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⑩大手町プレイス(東京・大手町), 2018. "178m, 354,000㎡"
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