Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

#27「浅しや深し水面に映る秋の訪れ」

2013-01-25 | Liner Notes
 三十六歌仙のひとり、伊勢が賀茂詣の折に吟じた歌のひとつ。

「そらめをぞ 君はみたらし 川の水 あさしやふかし それは我かは」(伊勢, 拾遺和歌集 五三四)

 お見間違えではないでしょうか。もし、私が伊勢であるのならば、たやすく人目に触れたりなどしません。御手洗川の水は浅いのか深いかは存じませんが、あなたの見たとおっしゃるのは本当に私でしょうか。

 水面に映る光景が逆さまであろうとも、もはやそこには、あなたがのぞむ私はいないとの意やもしれません。

初稿 2013/01/25
校正 2021/04/02
写真 北摂の水辺にて
撮影 2007/11/25(大阪・箕面)


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