Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

§76「愛と幻想のファシズム」 村上龍, 1987.

2017-12-01 | Book Reviews
 結果には必ず原因があり、その因果性を認識し始めることが意識の芽生え。さらに危機意識をもって在るべき姿を追求し始めることが自我の芽生え。

 ただ、在るべき姿を追求しようとする心理的プロセスには、《無意識》における法則が支配すると仮定したユングが提唱する元型(アーキタイプ)とフロイトが提唱する超自我(スーパーエゴ)が在るような気がします。

 元型とは、自らが斯く在りたいという姿が言語化されるのではなくイメージとして、超自我とは、自らが斯く在るべしという姿が言語化され、行動をも規定することなのかもしれません。

 無意識に刻まれた狩猟民族としての集合的無意識から超自我が何らかの契機で覚醒したとき、人のあらゆる側面を拘束し支配するような気がします。

初稿 2017/12/01
校正 2020/10/31
写真 拘束される平和の像
撮影 2013/12/02(大阪・心斎橋)


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