今回ご紹介するのは「灰色のピーターパン」(著:石田衣良)です。
-----内容-----
池袋は安全で清潔なネバーランドってわけじゃない。
盗撮画像を売りさばく小学5年生が、マコトにSOSを発してきた。
”まだ人を殺してない人殺し”マッドドッグ相手にマコトの打つ手は?
街のトラブルシューターの面目躍如たる表題作など4篇を収録したIWGPシリーズ第6弾。
着実に、忍耐強く、賢くあれ!
-----感想-----
今回はどの話も読みやすかったです。
灰色のピーターパン
野獣とリユニオン
駅前無認可ガーデン
池袋フェニックス計画
という四つの短編から構成されています。
まずは灰色のピーターパンについて。
この話では、盗撮画像を売り捌いてお金を儲けている、小学5年生の男の子が登場します。
マコトはこの男の子のことを「灰色のピーターパン」と表現していました。
そういえば、ピーターパンの詳しいことを知らないなと思い、ネットで調べてみたところ、「ネバーランドに住んでいて、冒険の日々を送る永遠の少年」とのことです。
ピーターパンの前に「灰色」が付くのは、この男の子が盗撮画像を売り捌いているからだと思います。
小学5年生にしてそんな違法な金もうけに手を染めるとは、末恐ろしいですね。。。
しかし、池袋は安全なネバーランドではないのです。
全てが思い通りにいくと思ったら大間違い。
この男の子の違法ビジネスがある人たちに嗅ぎつけられてしまい、脅しをかけられます。
そこで男の子は、マコトに解決を依頼してきたというわけです。
ところが、”マッドドッグ”と呼ばれる強敵が現われて、事件の解決は一筋縄ではいかなくなります。
ジャンキー状態で極めて危険なこの男を池袋から排除するために、マコトは知恵を絞ります。
この「灰色のピーターパン」という話は全体的に読みやすかったです。
悪を倒す正義のヒーロー的なわかりやすい展開になっていて、前回の「反自殺クラブ」がちょっとダークな話だっただけに、非常にテンポの良さを感じました。
池袋ウエストゲートパークシリーズの中でも、なかなかの読みやすい作品だったと思います。
死人も出なかったし、一件落着なラストは良かったと思います。
次に、「池袋フェニックス計画」についてです。
名前からしてすごそうな計画ですよね。
警視庁が総力を挙げて、池袋の街から在留外国人と風俗店を殲滅し、虫一匹、病原菌ひとつない手術室みたいに清潔な街にしようという計画です。
この作戦によって、池袋の街は焦土のようになってしまいます。
人通りが少なくなってしまったことによって、マコトの果物屋に来るお客さんの数も激減。
売り上げは四割ダウンしてしまいました。
池袋のとあるビルには警視庁本庁直属の組織犯罪対策部、さらに入国管理局の池袋出張所が引っ越してきて、警視庁側はまさに本気モード。
大義名分として「池袋の治安を回復させる」とは言っているものの、どうもそれは池袋の街を根こそぎ焼け野原にしてしまうような感じなのです。
どんどん街から人がいなくなってしまうのだから、商店街の人たちには死活問題です。
そして焦土になり誰もいなくなった街を「安全になった」と言うわけです。
いかにもどこかのお偉いさんの立てた計画だと、マコトは言っていました
ところが。。。片っ端から摘発されていく風俗店の中で、なぜか全く手を出されない店がありました。
どうやら、裏で警視庁側とつながっているようなのです。
さらに、この店は今回マコトのところに依頼しに来た女子大生の姉が働かされている店でもあります。
当初の目的はこの姉を助け出すことでしたが、次第に池袋フェニックス計画を巡る闘いに発展していきます。
果たして池袋の街を焦土にしてしまうこの計画を止めることが出来るのか、今回の四篇の中では最大規模のドラマが繰り広げられました
この話もテンポが良くて、どんどん読み進められました。
警視庁側に内通者がいるかも知れないというのは面白かったです。
フェニックス計画にはどんな裏があるのか興味深かったですし、重い話ではないので読んでいて楽しかったです
今回でIWGPシリーズの文庫本は読み終わりました。
まだ文庫になっていない単行本は、読むか文庫になるまで待つか考え中です。
「赤・黒」という番外編の文庫本が出ているので、ひとまずはそちらを読んでみようかなと思います。
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
-----内容-----
池袋は安全で清潔なネバーランドってわけじゃない。
盗撮画像を売りさばく小学5年生が、マコトにSOSを発してきた。
”まだ人を殺してない人殺し”マッドドッグ相手にマコトの打つ手は?
街のトラブルシューターの面目躍如たる表題作など4篇を収録したIWGPシリーズ第6弾。
着実に、忍耐強く、賢くあれ!
-----感想-----
今回はどの話も読みやすかったです。
灰色のピーターパン
野獣とリユニオン
駅前無認可ガーデン
池袋フェニックス計画
という四つの短編から構成されています。
まずは灰色のピーターパンについて。
この話では、盗撮画像を売り捌いてお金を儲けている、小学5年生の男の子が登場します。
マコトはこの男の子のことを「灰色のピーターパン」と表現していました。
そういえば、ピーターパンの詳しいことを知らないなと思い、ネットで調べてみたところ、「ネバーランドに住んでいて、冒険の日々を送る永遠の少年」とのことです。
ピーターパンの前に「灰色」が付くのは、この男の子が盗撮画像を売り捌いているからだと思います。
小学5年生にしてそんな違法な金もうけに手を染めるとは、末恐ろしいですね。。。
しかし、池袋は安全なネバーランドではないのです。
全てが思い通りにいくと思ったら大間違い。
この男の子の違法ビジネスがある人たちに嗅ぎつけられてしまい、脅しをかけられます。
そこで男の子は、マコトに解決を依頼してきたというわけです。
ところが、”マッドドッグ”と呼ばれる強敵が現われて、事件の解決は一筋縄ではいかなくなります。
ジャンキー状態で極めて危険なこの男を池袋から排除するために、マコトは知恵を絞ります。
この「灰色のピーターパン」という話は全体的に読みやすかったです。
悪を倒す正義のヒーロー的なわかりやすい展開になっていて、前回の「反自殺クラブ」がちょっとダークな話だっただけに、非常にテンポの良さを感じました。
池袋ウエストゲートパークシリーズの中でも、なかなかの読みやすい作品だったと思います。
死人も出なかったし、一件落着なラストは良かったと思います。
次に、「池袋フェニックス計画」についてです。
名前からしてすごそうな計画ですよね。
警視庁が総力を挙げて、池袋の街から在留外国人と風俗店を殲滅し、虫一匹、病原菌ひとつない手術室みたいに清潔な街にしようという計画です。
この作戦によって、池袋の街は焦土のようになってしまいます。
人通りが少なくなってしまったことによって、マコトの果物屋に来るお客さんの数も激減。
売り上げは四割ダウンしてしまいました。
池袋のとあるビルには警視庁本庁直属の組織犯罪対策部、さらに入国管理局の池袋出張所が引っ越してきて、警視庁側はまさに本気モード。
大義名分として「池袋の治安を回復させる」とは言っているものの、どうもそれは池袋の街を根こそぎ焼け野原にしてしまうような感じなのです。
どんどん街から人がいなくなってしまうのだから、商店街の人たちには死活問題です。
そして焦土になり誰もいなくなった街を「安全になった」と言うわけです。
いかにもどこかのお偉いさんの立てた計画だと、マコトは言っていました
ところが。。。片っ端から摘発されていく風俗店の中で、なぜか全く手を出されない店がありました。
どうやら、裏で警視庁側とつながっているようなのです。
さらに、この店は今回マコトのところに依頼しに来た女子大生の姉が働かされている店でもあります。
当初の目的はこの姉を助け出すことでしたが、次第に池袋フェニックス計画を巡る闘いに発展していきます。
果たして池袋の街を焦土にしてしまうこの計画を止めることが出来るのか、今回の四篇の中では最大規模のドラマが繰り広げられました
この話もテンポが良くて、どんどん読み進められました。
警視庁側に内通者がいるかも知れないというのは面白かったです。
フェニックス計画にはどんな裏があるのか興味深かったですし、重い話ではないので読んでいて楽しかったです
今回でIWGPシリーズの文庫本は読み終わりました。
まだ文庫になっていない単行本は、読むか文庫になるまで待つか考え中です。
「赤・黒」という番外編の文庫本が出ているので、ひとまずはそちらを読んでみようかなと思います。
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。