今回ご紹介するのは「モダンタイムス」(著:伊坂幸太郎)です。
-----内容-----
岡本猛はいきなり現われ脅す。「勇気はあるか?」
五反田正臣は警告する。「見て見ぬふりも勇気だ」
渡辺拓海は言う。「勇気は実家に忘れてきました」
大石倉之助は訝る。「ちょっと異常な気がします」
井坂好太郎は嘯く。「人生は要約できねえんだよ」
渡辺佳代子は怒る。「善悪なんて、見る角度次第」
永嶋丈は語る。「本当の英雄になってみたかった」
検索から、監視が始まる。
知ってはいけない秘密に迫ったとき、巨大な力が牙を剥く。
「魔王」の続編となる傑作長編。
-----感想-----
最初は一週間くらいかけて読む予定でしたが、あまりに面白い内容だったため三日で読みきってしまいました。
特に日曜日はカフェで何時間も読み耽り、この日だけで300ページ以上読みました。
普段の休みの日は200ページくらいが平均なので、久々の快進撃でした。
「モダンタイムス」にはそれだけの魅力がありました。
この作品は、魔王という作品の50年後くらいが舞台となっています。
直接的な続編ではないので、魔王を読んでいない人でも楽しめる内容です。
「播磨崎中学校事件」というのがあるのですが、この事件についてネットで検索をすると、その者に恐ろしい出来事が起こります。
それも、ある特定のキーワードで検索した者だけに。
ある者は陥れられ、ある者は自殺し、ある者は拷問され…というように、この事件を調べようとした者は、ことごとく痛い目に遭わされます。
いったい、この事件には何が隠されているのか。
なぜ、ある特定のキーワードで検索した者だけが狙われるのか。
そこには、「システムとは何なのか」という考えにまでつながっていく、巨大な「何か」が潜んでいました。
そもそも、ネットで検索しただけでこちらの居場所が突き止められ、さらに危害を加えられるなどというのは、個人に出来ることではないはず。
もっと大きな、国家的な力が働いているのではないか?
主人公の渡辺拓海たちは危険を承知で、少しずつこの謎に迫っていきます。
魔王の続編だけあって、そのときに主役級だった人物達も登場します。
ただ50年の歳月を経て、当時は若かった者たちも既に高齢になっていました。
彼ら、彼女らは存在感のある脇役として、物語を盛り上げてくれました。
「モダンタイムス」での主役級は内容欄に書かれている人たちです。
この中でひと際異彩を放っているのが、「井坂好太郎」ではないでしょうか。
これは明らかに、「伊坂幸太郎」のパロディなのではと思いました。
「井坂。。。好太郎!?」という感じで、けっこうウケましたね(笑)
現実の伊坂幸太郎と同じく、「井坂好太郎」も作家として登場していましたが、だいぶ適当な男として描かれていました。
それでも所々で存在感を見せていたし、重要な役割を担っていたと思います。
まさかあのような結末になるとは…
内容欄を見ると、渡辺という人が二人いるのがわかると思います。
この二人は夫婦なのですが、妻の渡辺佳代子は「最恐の奥さん」として大活躍していました。
旦那のみならず、周りにいる者みな震え上がるその実力とは。。。
また、魔王のときと同じく、モダンタイムスでも「超能力」が重要なテーマとして登場します。
物語の中核を担う言葉として、その言葉が出るたびに「ついに来るか」と思いながら読んでいました。
特に後半は息つく暇もないほどスピーディな展開が繰り広げれていきます。
超能力VS超能力のような対決もあるし、最恐奥さん本領発揮の場面もあるし、本当に怒涛のような展開で、一気に読んでいきました。
伊坂幸太郎さんの作品は、読んでいるうちにペースが上がっていくことが多いです。
文章もリズムよく読める感じになっていると思います。
今回は500ページを超える大作でしたが、読者を飽きさせないのはさすがだなと思います
次回作にも期待します
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
-----内容-----
岡本猛はいきなり現われ脅す。「勇気はあるか?」
五反田正臣は警告する。「見て見ぬふりも勇気だ」
渡辺拓海は言う。「勇気は実家に忘れてきました」
大石倉之助は訝る。「ちょっと異常な気がします」
井坂好太郎は嘯く。「人生は要約できねえんだよ」
渡辺佳代子は怒る。「善悪なんて、見る角度次第」
永嶋丈は語る。「本当の英雄になってみたかった」
検索から、監視が始まる。
知ってはいけない秘密に迫ったとき、巨大な力が牙を剥く。
「魔王」の続編となる傑作長編。
-----感想-----
最初は一週間くらいかけて読む予定でしたが、あまりに面白い内容だったため三日で読みきってしまいました。
特に日曜日はカフェで何時間も読み耽り、この日だけで300ページ以上読みました。
普段の休みの日は200ページくらいが平均なので、久々の快進撃でした。
「モダンタイムス」にはそれだけの魅力がありました。
この作品は、魔王という作品の50年後くらいが舞台となっています。
直接的な続編ではないので、魔王を読んでいない人でも楽しめる内容です。
「播磨崎中学校事件」というのがあるのですが、この事件についてネットで検索をすると、その者に恐ろしい出来事が起こります。
それも、ある特定のキーワードで検索した者だけに。
ある者は陥れられ、ある者は自殺し、ある者は拷問され…というように、この事件を調べようとした者は、ことごとく痛い目に遭わされます。
いったい、この事件には何が隠されているのか。
なぜ、ある特定のキーワードで検索した者だけが狙われるのか。
そこには、「システムとは何なのか」という考えにまでつながっていく、巨大な「何か」が潜んでいました。
そもそも、ネットで検索しただけでこちらの居場所が突き止められ、さらに危害を加えられるなどというのは、個人に出来ることではないはず。
もっと大きな、国家的な力が働いているのではないか?
主人公の渡辺拓海たちは危険を承知で、少しずつこの謎に迫っていきます。
魔王の続編だけあって、そのときに主役級だった人物達も登場します。
ただ50年の歳月を経て、当時は若かった者たちも既に高齢になっていました。
彼ら、彼女らは存在感のある脇役として、物語を盛り上げてくれました。
「モダンタイムス」での主役級は内容欄に書かれている人たちです。
この中でひと際異彩を放っているのが、「井坂好太郎」ではないでしょうか。
これは明らかに、「伊坂幸太郎」のパロディなのではと思いました。
「井坂。。。好太郎!?」という感じで、けっこうウケましたね(笑)
現実の伊坂幸太郎と同じく、「井坂好太郎」も作家として登場していましたが、だいぶ適当な男として描かれていました。
それでも所々で存在感を見せていたし、重要な役割を担っていたと思います。
まさかあのような結末になるとは…
内容欄を見ると、渡辺という人が二人いるのがわかると思います。
この二人は夫婦なのですが、妻の渡辺佳代子は「最恐の奥さん」として大活躍していました。
旦那のみならず、周りにいる者みな震え上がるその実力とは。。。
また、魔王のときと同じく、モダンタイムスでも「超能力」が重要なテーマとして登場します。
物語の中核を担う言葉として、その言葉が出るたびに「ついに来るか」と思いながら読んでいました。
特に後半は息つく暇もないほどスピーディな展開が繰り広げれていきます。
超能力VS超能力のような対決もあるし、最恐奥さん本領発揮の場面もあるし、本当に怒涛のような展開で、一気に読んでいきました。
伊坂幸太郎さんの作品は、読んでいるうちにペースが上がっていくことが多いです。
文章もリズムよく読める感じになっていると思います。
今回は500ページを超える大作でしたが、読者を飽きさせないのはさすがだなと思います
次回作にも期待します
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。