読書日和

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「骨音」石田衣良

2008-11-14 21:05:11 | 小説
今回ご紹介するのは「骨音」(著:石田衣良)です。

-----内容-----
世界で一番速い音と続発するホームレス襲撃事件の関係は?
池袋ゲリラレイヴで大放出された最凶ドラッグ「スネークバイト」の謎とマコトの恋のゆくえは…。
現代のストリートの青春を生きいきと描き、日本のミステリーシーンに新しい世界を切り拓いた、ご存知IWGP第3弾!
ますます快調のTV化話題作。

-----感想-----
表題作の「骨音」は、”この世でいちばん速い音”を巡るお話です。
さらに、池袋ではホームレス襲撃事件が続発。
主人公のマコトはホームレス襲撃事件の犯人を追っていきます。
そして次第に、この二つの関連性に気付いていくのですが…
おなじみの「Gボーイズ」も登場し、次の襲撃事件を防ぐべく池袋の街を警護するなど、今回もスリリングな展開が繰り広げられます。
それと、何気ない会話に面白いものがありました。
電話に出るとき、普通は「もしもし」と言うと思いますが、「もし」としか言わない男が登場。
たしかに言葉を略すのはよくあることですが、これは略しすぎではないかと。
「もしもし」くらいそのまま言っても変わらないだろうに、と思いました
ONE PIECEという漫画で、何でも一文字に略してしまう人がいたのを思い出したりもしました。
このバカッ!→バカッ!→バッ!という感じで、全て一文字に略してしまいます。
もしもし→もし は、これと似ているなと思いました。
事件のほうは、「骨音」というタイトル、そして”この世でいちばん速い音”、さらにはホームレス襲撃事件。。。これらがつながったとき、犯人が誰なのか見えてきます。
犯人は予想どおりでしたが、テンポよく進んでいくスリリングな展開は面白かったです。


「西口ミッドサマー狂乱」という話では、最凶のドラッグ「スネークバイト」が登場。
「レイヴ」という、ドラッグでハイテンションになった人たちが集まって、一晩中踊りまくるという怖いイベントがあるのですが、そこにスネークバイトの魔の手が忍び寄ります。
スネークバイトはかなり強力なドラッグとして、レイヴに来る人たちの間でも噂になっています。
名前からして危険そうなこのドラッグ、強い威力と引き換えに命を落としかねないほどの副作用もあります。
そしてついに使用者の中に死亡する人が現れてしまいます。
さらにスネークバイトの魔の手は、池袋の街をも侵そうとします。
マコトとGボーイズはスネークバイトの売人を倒すべく動き始めるのですが。。。
調べを進めていくうちに、スネークバイトの考案者の存在が浮かび上がったりしてきます。
それが何とマコトの恋とも少し関わっていたりして、このあたりのストーリーはなかなか面白かったです。
果たしてスネークバイトの売人を倒し、ストリートの平和を守ることが出来るのか、興味深く読んでいきました。

マコトは池袋警察署長と知り合いでもあり、各短編に署長が登場することもあります。
さらにGボーイズの王様・安藤崇に顔がきくなど、良いつながりをたくさん持っています。
マコトの噂を聞きつけてか、ストリートで問題が起きると、マコトのところに解決を頼みにくる人はたくさんいます。
池袋のトラブルシューターとして、この先どんな活躍を見せていくのか、続編も期待しながら読んでいきたいと思います

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