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読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
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「少年計数機」石田衣良

2008-11-08 21:08:58 | 小説
今回ご紹介するのは「少年計数機」(著:石田衣良)です。

-----内容-----
自分が誰なのかを確認するために、まわりのすべてを数え続ける少年・ヒロキ。
その笑顔は十歳にして一切の他者を拒絶していた!
マコトは複雑に絡んだ誘拐事件に巻き込まれていくが…。
池袋の街を疾走する若く、鋭く、危険な青春。
爽快なリズム感あふれる新世代ストリートミステリー、絶好調第2弾!

-----感想-----
「池袋ウエストゲートパーク」シリーズの第2弾ということで、期待しながら読み始めました。
今回は妖精の庭、少年計数機、銀十字、水のなかの目という四つの短編が収録されていました。
どの話にも必ず一度は池袋西口公園、通称「ウエストゲートパーク」が出てきます。





写真はいずれも、池袋西口公園を撮ったものです。
今回もこの公園を中心に、スリリングなミステリーが繰り広げられていきました。
表題作の「少年計数機」では、身の回りのあらゆるものをひたすら数え続ける少年が出てきます。
彼はLD(ラーニング・ディスアビリティ)という学習障害を抱えているのですが、その頭の回転の速さはかなりのものがあります。
そんな彼とマコトがある日、ウエストゲートパークで出会ったことで、物語が動き始めます。
後に誘拐事件も発生し、さらに不穏な人間たちも動き始め、物語は一気にスリリングに。
マコトも事件解決のために動きます。
Gボーイズ(ギャングボーイズ)の王様・安藤崇の力も借り、池袋の街を走るマコト。
いつの間にか規模の大きな闘いになるのが、このシリーズの特徴です
どんな決着になるのか、先の展開を楽しみにしながら読んでいきました。


そしてもうひとつ、「水のなかの目」という短編がとても印象に残りました。
この作品は100ページ以上あって、他の短編より長い作りになっていました。
内容は壮大かつ激しいミステリーで、この作品では多くの人が死んでしまいます。
謎の四人組が池袋で派手に暴れて、組関係やGボーイズのメンバーが襲撃されたりしました。
この四人組を何としても捕まえるべく、Gボーイズとマコトは組の依頼を受け動き始めます。
人がたくさん死んだり、酷い事件があったりと、かなりきつい内容ではあったのですが。。。
しかし不思議と、それほど読みずらくはありませんでした。
それはやはり、物語に魅力があるからだと思います。
テンポの良さもありますしね。
とにかくこの「水のなかの目」では色々な人が出てきて、規模の大きな物語が繰り広げられました。
そしてとても読み応えがありました。
事件が決着したかと思いきや、どんでん返しがあったり、驚きの結末が待っていたりで、最後までスリリングな展開でした。
なかなか面白いシリーズなので、次巻も読んでみたいと思います


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