ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

半分の月

2013-07-05 12:55:16 | Weblog

少し風が泣き始めて
空には闇が降りてきて
野良犬はあてもなくて
氷みたいに溶けていた

誰彼というわけでもなく
其れ此れというわけでもなく
鳴き声も忘れたまま
水のように澱んでいた

人ゴミ 階段 ビルの谷間の路地
落書き 歩道橋 泣いてる誰かのクラクション
改札 駅のホーム 空に浮かぶ半分の月
探しにいかなくちゃ 寂しそうな・・・半分の月

そうだ・・・君に逢いにいこう
そうだ・・・君がそばにいればいい

サガシモノはなんですか?
見つけるあてはありますか?
耳を塞いだまま飛び込んだ
地下鉄は空の彼方まで

触り心地がいいような
聞こえる心地がいいような
天気予報で午後は雨だから
少しだけ眠っていた

おかえり 瞬き 髪を梳かす横顔
カナリア ハチミツ 紫陽花の花 ジャスミンの夜
夕立ち クロージングタイム びしょ濡れになった半分の月
傘を持っていかなくちゃ 泣き出しそうな・・・半分の月

そうだ・・・君に逢いにいこう
そうだ・・・君のそばにいればいい


黒猫 タバコの煙 鉄塔の天辺のライト
静寂 星空 銀河を渡る鳥たちの夢
夜更かし 子供たち 噂話 半分の月
探しにいかなくちゃ 寂しがり屋の・・・半分の月

そうだ・・・君に逢いにいこう
そうだ・・・君がそばにいればいい

あおいろトマト。

2013-07-05 10:24:42 | Weblog

僕は君に色々な事を教えて来たけれど・・・つまり、どうでもいいことやどうでもいいことや、ほんとにどうでもいいことなんかを、あれやこれやと押し付けがましく教えて来たけれど。

それはつまり、それで僕は君に、僕のような人間になって欲しかったり、僕のような人間にはなって欲しくなかったりという複雑な面持ち。

ただ一つ、世界は素晴らしいってこと。あともう一つ、誰かに縛られるのならまだしも、自分自身に縛られてはいけないってこと。それともう一つ、モノの見え方は一つじゃないってこと。

その全部を、君が忘れてしまったとしても、それはそれでいいのだけれど。長い年月の中で、そのいくつかを君が覚えていてくれるのだとしたら・・・ただ単純に・・・恐ろしいくらい単純に・・・僕は嬉しい。

なぜかといと。それは。君の存在が、僕がこの世界に存在したという証のような気がするからさ。

僕は宗教家じゃないから、つまりは、坊主丸儲けではない。あっ、違った。僕は宗教家じゃないから、教典などという類のものは持っていないわけで。つまりは、巻き物(のり巻きじゃないよ)
みたいなものも持っていないわけで。つまりのつまりは、口伝。僕が教えた事はすべて口伝。

最後のつまり。君が真っ白なノートに描いた君の物語。・・・それが僕が君に教えてあげたこと・・・なんだよ。

庭先に生えてきたミニトマトの苗木。毎朝見守っていたら、今朝、初めて小さな実を見つけた。小指の爪くらいの大きさの緑色の実。
あまりにはかなげで、君のことを思い出したんだ。

きっと、まだ君はこんな感じだ。
だって、僕だって、まだこんな感じだからさ。

ん?ん?
こら!
枯れてねぇし、落ちてねぇし、腐ってねぇし!

ではまた。