一里塚の主人が言う。
「黄金のトイレを見に行くか!」
パブル時代。日本政府は地方自治体に一億円ずつをばら撒いて、各自治体は色々と面白いものを作った。
どこかの自治体が黄金のトイレを作ったという話はニュースか何かで聞いたことがある。気がする。
それが飯山市だったのか・・・と、僕は思う。
連れて行ってもらった。
なんだろう?やってないのかなぁ?
駐車場に車が一台も停まっていない。
雪が壁のようにそそり立っている。
トコトコと建物沿いを歩いてみる。
頭上から声が聞こえる。
「やってねーよ!」
黄金のトイレの建物の向かいの家の二階の屋根の上に人がいる。
おっちゃんが雪下ろしをしている。
冬だからやってないんですか?と聞いてみる。
「この雪でやってるわけねぇだろ!」
と、怒気を含んだ声。
雪がすごいからやってないんですか?それとも冬期間はやってないんですか?と聞いてみる。
「この雪で行けるわけねぇだろ!行けるもんなら行ってみろ!」
なぜ、このおっちゃんは怒っているのだろうか?
まぁ、いいんだけど。
おっちゃんは去り際の僕らに向かってさらに言う。
「雪国をなめんじゃねぇぞ!」
きっと、雪下ろしが大変すぎて、大変になっちゃったのかもしれないな。
まぁ、いいんだけど。
帰りの道中はずっと、僕とコデラーマンで、おっちゃんのモノマネをしながら
「雪国をなめんじゃねぇぞ!」
と、遊んでいたんだよ。
下の写真の右の建物の屋根の上におっちゃんがいるよ。