コトコトラブという唄がある。僕の唄である。昔々に書いた曲。
コートのボタンを付けてくれるキミが、指先を針でチクっと刺したりして「可愛いくて好きだなぁ」みたいな唄だったような気がする。
さて、そんなキミはいないので、今は僕が僕の指先をチクっと刺したりして「いてっ」とつぶやいたりしているのである。
汚れでもいいズボン。つまり汚れているズボン。もっと言うと汚いズボン。ボロボロのズボン、気に入っている。
畑だったり、車の下に潜ったり。汚れた手をズボンで拭いたり。土の上に跪いたり。随分とした扱われ方をされているズボン。気に入っている。
腿の辺りが薄くなってきて穴が空いてしまった。
そろほろ寿命か・・・。穴の空いたズボン、捨てるしかないか・・・。
あっ!当て布しよう。
もう履かないであろうと思われるジーンズをハサミでチョキチョキ。
糸は目立たない色がいいのだが、そんな糸はない。白か黒しかない。裁縫が得意かというと、実は得意ではない。でも、まぁ、縫う。ミシンがあればなぁ・・・と思ったりするのだけれど、ミシンなど使ったことがない。男は黙って手縫い。
チクチク縫いながら思う。
「膝のあたりに、革の当て布をしたらどうかなぁ?かっこいいんじゃないかなぁ?」
もう着ないであろうと思われる革のコートをチョキチョキ。
こうして夜は更けていくのである。
コトコトラブ、歌うかなぁ。どうするっかなぁ。
12/8は下北沢lownでライブだよ。