ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

夢乃館。4

2018-09-15 12:24:23 | Weblog


さて、そろそろ行かなければ。
遠くでお昼を告げるサイレンが鳴っている。すごくうるさい。豊似のお昼のサイレンは空襲警報かと思うくらいうるさい。

おとうさんとおかあさんが見送ってくれる。

恥ずかしがるおかあさんを説得して、シャドウちゃんと一緒に写真を撮らせてもらった。

おかあさんが言う。

「初めて来てくれた時は紅葉が綺麗だったのよねぇ」

そう、紅葉が綺麗だった。窓から見える楓の葉が真っ赤に染まっていた。

砂利道の駐車場を、転ばないようにゆっくりと慎重に回る僕は少しかっこ悪かった。

おとうさんとおかあさんが手を振ってくれる。
僕は何度も振り返りながら手を振る。見えなくなるまで。何度も何度も。

どうして少し涙が零れるんだろう?

きっとそれは、ここが、僕が一番好きな場所だから。

そんなことを考えながら、僕は天馬街道の旅を終えるのである。


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