夜中にコーヒーミルの分解掃除をしています。手動のコーヒーミルでございます。
旅のお供のコーヒーミルです。分解したから、元に戻るかどうかは、今のところわかりません。そういう癖の持ち主なのです、どうぞよろしく。
コーヒーミルを分解して洗うってのは、初めてなのであります。
「へぇ、そうなんだぁ」という声が聞こえてきそうでありますが、このコーヒーミル、実は、20年以上使っているのであります。
19歳か20歳の頃、女の子からプレゼントされたものなのであります。
「しんぐくん、コーヒー好きだよね。これ、プレゼントするわ」的な文言があったかどうかは覚えていないのだけれど、そういう思い出深いモノなのであります。そういったことを、コーヒーミルを洗いながら思い出したのであります。
いいよねぇ、思い出って。いいよねぇ、思い出を思い出す瞬間って。懐かしい風がピューっと吹き抜ける気がする。
そう、20年以上洗っていなかったというところが問題なのであります。
「汚ーい!」という声が聞こえてきそうでありますが、その通りなのです。
このコーヒーミルで挽いたコーヒーを、僕は色々な人に振る舞って来たのです。ははははは。
でも、まぁ、一杯目は汚いけれど、二杯目は一杯前のそれほど汚くない粉が落ちるわけだから、まぁ、そんなに気にすることもないんじゃないか・・・そう思い続けて20年強・・・というわけなのであります。
こびりついた汚れってのは、こびりついているわけだから、相当なことでも起きない限り取れて落ちて来たらはしないんじゃないな・・・そう思い続けて20年強・・・という感じなのであります。
いやしかし、手動ってのはいいよね。壊れないもの。なかなか壊れたりしないもの。手動って無敵だよ。
いやしかし、物持ちがいいよね。20歳の頃から使っているんだもの。壊さずに失くさずに。
しんぐくん、コーヒー好きだよね?
そう、その頃の僕のコーヒー好きは偽物だったわけで。珈琲のなんたるかなど何も知らずに生きていたわけで。
今は知っているのかって?
そう、今は知っている。気がしている。少なくともあの頃よりは。
でもね、10年後には同じことを言っているのかもしれないわけで。「あの頃は何も知らず偉そうな事を言ってしまってごめんなさい」とか。
でも、それって素晴らしいことだと思わない?
進化しているんだよ。
新しい自分に出会えるんだよ。
死ぬまで完成形にはなりたくないなぁ。ずっと未熟で、ずっと無知で、ずっとずっと進化しながら生きていきたいなぁ。
そろそろ乾いたかな、コーヒーミルの部品たち。さぁ、組み立てよう。組み立ててみよう。
美味しい珈琲が淹れられますように・・・。