そして僕は、ちょっと途方に暮れている (by 大沢シグユキ)
しばらく歩けなくなってしまった。
今朝のことである。
その前に、肋骨の怪我はだいぶ良くなった。自然治癒力とは凄まじい。全然安静にしてなかった。
「いてててて」と声を漏らしながら、腐葉土を250キロ、車に積み、車から降ろし、畑の畝に撒く。
「いてててて」と声を漏らしながら、30キロの重さの耕運機を降ろしたり積んだり。すぐに止まってしまう耕運機のエンジンのスターターコードを一日に150回も引っ張ったりする。
こんなことをしていたら、治るものも治らないよ!と思ったりしていたのだが、治るんだね。状態はだいぶ良い。
ウォーキングも、15キロくらいなら楽勝で歩けた。でも、時間がないから、普段は10キロにしていたりする。
で、今朝のことである。
夜中の2時に寝て、5時に起きる。5時半には、もう畑にいたりする。朝は涼しい。でも、6時半になるともう暑い。
耕運機を置いていない畑にいたので、鍬一本、男らしく鍬一本で畝を立てた。3リッターくらい汗をかいた。毎日こんなことばかりしている。楽しくて仕方がない。
9時頃に一度家へ帰ってきた。
最近のブームは、ドライベジタブル。野菜を天日で干す。食べる。うーん・・・あんまり美味しくないなぁ・・・とかやっている。
今朝は、ジャガイモとカボチャを干そうとしていた。
ジャガイモはアクが出るので、5分間塩茹でをきてこら干すといいらしい。
ジャガイモを切って鍋に投入して、その間にカボチャを切って・・・。5分経ったから、火を止めて、鍋を持って、シンクの前へ移動して、「あっ、ザル」と呟いて、シンクの下の扉に手を掛けて、その拍子に左手で持っていた鍋が傾いて、グラグラと煮立ったジャガイモ汁が鍋から溢れて、しんぐくんの左足にビシャーッとかかって・・・
一瞬何が起こったのか分からなかったなぁ。なぜならば、僕は靴下を履いていたんですよ。たぶん、これがいけなかったんですよ。熱さに気づくまでのコンマ数秒。靴下を脱ぎ捨てるまでの数秒。これがいけなかったんですよ。絶対。
大火傷ですよ。
最初はね、大したことないってね。浴室に駆け込んで、冷水で冷やして・・・でも、この季節、冷水じゃないんだよね。そこそこ生ぬるい水しか出ないの。だから、そこそこ冷やして、アイスノンをあてて。
足の甲が真っ赤っか。
それでも、まぁ、大したことないってね。ちょっと冷やせば大丈夫ってね。「今日の午後は緑豆の種を蒔きに行かなきゃな」なんて思っていたんですよ。
いやしかし、痛みは増していくばかり。もう、歩けないんだもの。アイスノンなんてすぐに溶けちゃうし。氷だって、すぐになくなっちゃうし。痛みは増すばかり。
それでも、ジャガイモとカボチャだけは干さなければ。ってね。続きをやるよね。うっすらと泣きながら。
ついでに、オクラと、シシトウと、ナスと、ゴーヤと、ネギと、ズッキーニと、キュウリを切った。
干しカゴを持って外へ出て、裸足にクロックスで外へ出て、火傷の箇所に触れるクロックス。泣けるね。痛すぎて目眩が・・・。
干し終わって、泣いたね。
午後になったら治るかと思っていたのだけれど、全然痛みが引かない。
夕方になれば治るんじらないかと願っていたのだけれど、全く痛みが引かなかった。
仕方がないので。退屈で死にそうになったので、クーラーバッグにアイスノンを入れて、その中に火傷をした足を入れて、ポーチに出て、収穫したまま放っておいたニンニクの保存作業をしたりして。
そのまま夜になったりして。まだ痛みは引かなかったりして。
そういうことなのです。しばらくは歩けないのです。なぜならば、たぶん、しばらくは靴を履けないのです。痛くて。長靴も履けないのです。痛くて。
マグロは泳いでいないと死んでしまうといいますよね。
競走馬は歩けなくなると安楽死させられますよね。
さて、しんぐくんの運命や、如何に。
まぁ、今日のところは、そんな感じです。
転んだ時は肋骨二本で済んで良かった。と思ったのだけれど、今日は、「足の甲の火傷だけでよかった」と思った。あぁ、なんてラッキーなんだ。
みんなも、大怪我には注意しましょうね。