果たして、集魚剤の効果はあったのか?
結論は、無かった。効果は無かった。
全然ダメだった。ショックである。残念である。頑張ったのに。
では、魚は釣れなかったのか?
答は、否、である。
集魚剤の効果なし。針につけるエサも無し。
針を海に垂らしてみると、あっという間に何かが掛かった。
「ガヤ」である。羅臼名物、蝦夷メバル。
ガヤはいらない。もう食べた。トゲが痛いからもう要らない。
ポチャンと海に返す。
「ほぉ、エサなしでもかかりますなぁ」
チカはどこだ?
チカらしき魚が泳いでいるのが見える。
おっ、掛かった!
またガヤである。
うーん・・・ガヤはどこでも掛かるのか。
おっ、また掛かった!
またガヤかぁ・・・おっ?なんか違うなぁ。
ガヤとは色が違うなぁ。
すぐそばに漁師さんがいた。おとうと娘かな?
釣れた魚のヒレを持って、プラプラとさせながら歩いて行く。
こんにちは、この魚なんですか?ガヤですか?
娘さんが答えてくれた。
「ソイだねぇ」
食べられますか?美味しいですか?唐揚げですか?
「なんでもおいしいよ」
チカを釣りたいんですけど、ここは釣れますか?
おとうが答えてくれた。
「チカなら向こうだ!この土台の1.2.3.4個目がよく釣れる。あれ?もう誰か釣ってんなぁ」
エサがないから、あの釣り人の撒き餌で寄ってきたチカを釣る・・・とか?」
娘さんが笑ってくれた。
とりあえず、バケツに水を汲んでソイを入れよう。
ソイちゃん、泳がせてあげるよ、待っててね。
バケツを海に投げ入れて、水が入ったところを引き上げる。
バチっと音がして、ナイロン紐が切れた。プクプクと音を立て、僕のバケツが沈んで行く。海の底へ。
なんてこったぁ!なんてこったぁ!
しょぼーん。
とりあえず、ソイを泳がせることが出来ない。残念ながら、お命頂戴。ここで腹を割いて内臓を取り出す。そうすれば少しは持ちが良い気がする。
内臓を取ったソイをビニール袋に入れた。
今日は、釣れた魚は全部ビニール袋行きや!
写真は、ガヤ。