マスターが車に乗って帰ってきた。
あっ、マスターだ!と思ったら、向こうも僕に気づいて手を振ってくれた。
嬉しい。覚えていてくれた。
マスターが言う。
「トマト食べてけよ」
もう食べました。朝食べました。イチゴも。
ははは。
明日で閉業のクリオネ。
マスターは忙しなく動いている。
「なんか手伝いますか?」と僕は言う。
「いい」マスターは言う。
全然手伝わせてくれないじゃーん。
マスターの後をくっついて歩きながら話す。
全然構ってくれないじゃーん。
全然遊んでくれないじゃーん。
ははは。
誰もが忙しなく動いているクリオネ。
僕だけが、やることもなく、ボケーっとしています。