傭兵とは雇われた兵である。本州から北海道へ来た、いわゆる外人部隊といったところだろうか?
餅まき五分前。
スーパーの入り口、餅まき会場の前には4〜500人の人だかり。
スーパーの屋上には、餅をまく役割のハッピを着たスーパーの偉い方々。
聞くと、まく餅の中には商品券も入っているらしい。
もう、これは、金の争奪戦なのである。
傭兵、活躍せねばならないのである。
ちょっと腰を痛めているのである。僕は。
腰のことが心配だけど、傭兵だから、戦わなければならないのである。僕は。
僕は、おばちゃんから離れ、前へ。
ポケットからビニール袋を取り出して左手に持つ。
右手で取って左手の袋へ。何個取れば傭兵の役目を果たせるのだろうか?
かくして、餅まきは始まった。
僕が獲った餅は20個くらい。投げてくるのを直接取ったり、落ちない餅を拾ったり・・・。頑張った。汗をかいた。腰が砕けそうになった。
おばちゃんのところへ戻った。もちろんおばちゃんは膝が悪いので、一個も取れない。
おばちゃんの友達がとなりに来て、「ら二個しか獲れなかったわ」と言っていた。
20個・・・上出来じゃないか。しかも、いくつかの商品券付き餅もある。
僕はおばちゃんにビニール袋を丸ごと渡して、「全部おばちゃんにあげるよ。おれは傭兵だから」と言った。
おばちゃんは、何言ってるのよ、ちゃんと自分の分も持って行きなさい!と、お餅を6個くれた。
そうか、これが傭兵の報酬か。
かくして、餅を6個もらった傭兵は、右の腰を押さえながら、バイクへの道を戻って行くのである。
あぁ、ちょー面白かった。
何をやってんだ、おれは?
中標津で、何をやってんだ?