朝眼が覚めるとおじさんはもう起きていた。7時。
「一緒に食べませんか?」とおじさんは言う。
おじさんのテーブルへ行くと、僕にザンギコッペパンを差し出した。
ザンギコッペパン、260円もする。
えーーー!いいんですかぁ?と、一応言う。
260円もするパンなんて買ったことがない。
「ありがとうおじさん!」四輪だけど。
おじさんが何やらコップにお湯を注いでいる。
「なんですか?それ」と僕が聞く。
「コーンスープ」おじさんは言う。
えーーー!コーンスープまでぇ!いいんですかぁ!と一応言う。
「いただきまーす、おじさん」四輪だけど。
食後にはコーヒーメーカーでコーヒーを淹れてくれた。
完璧な朝ごはんじゃないか?四輪だけど。
おじさん、すごく優しいじゃないか?四輪だけど。
なんて素敵たおじさんなんだ?四輪だけど。
おじさんは、別れ際に自分の住所を書いた紙を僕にくれた。四輪だけど。
「今度北海道へ来たら、うちに泊まりに来なさい」四輪だけど。
「ほんとですか?」四輪だけど。
まあ、そんなこんなで。四輪だけど。
グッドモーニング四輪だけど。
誰もいない静かな夜になると思っていたのだけれど、賑やかで楽しい夜になった。四輪だけど。
おじさん、「またね、四輪だけど」と、僕は想った。
まぁ、そんな話。