再びの豊富温泉へ。
鏡沼へ向かう前に、あと二つ、やることがある。
一つは温泉。もう一つはパン屋。
重油温泉。これがいい。
湯治に来る人がたくさんいる。
豊富温泉のふれあいセンターには一般用と湯治用の二つのお風呂がある。
僕はいつも湯治用のお風呂に入る。
昨日、湯治用のお風呂に入っていると、凄まじい入り方をしているおじさんがいた。
湯治用のお風呂には、原重油なるものがシャンプーボトルに入れられて置いてある。
もうそれは、ただの黒い油。ドロドロの油なのである。
それをちょっと気になるところへ塗って、とか使うみたいだ。
そのおじさんが現れた。
原重油をカラダ全部に塗り始めた。みるみるうちに、カラダがまっ茶色に染まって行く。
おじさんは、全身重油だらけに染めて、そのまま壁にもたれて目を閉じてしまった。
とりあえず、風呂には入らない。そういうわけだ。
つまり、おじさんは、今、重油、つまり、豊富温泉の原液に包まれているのだ。つまり、入浴中なのである。
いやぁ、驚いたなぁ。
僕は、昨日、二時間も重油風呂に浸かっていたのだけど、おじさんは、少なくとも一時間かそれ以上、原重油を塗りたくったまま、そこにいたもんな。
そんなこんなで、昨日の重油温泉ですべすべツルツルになったので、今日も豊富温泉の重油を浴びに来たというわけなんです。