竹垣を作ったという話を書いて、表札を作ったという話も書いた。
表札というのは「はちみつカフェ」の表札というか看板というか、ネオンボードというか・・・。
「カフェを始めたんですか?」と聞かれても困る。始めていない。シャレである。洒落。
そろそろ、テーブルの上にメニュー表を置いたり、チャークボードにメニューを書いて壁に飾ろうと思っている。
間違って入って来た人には、「不法侵入ですよ、勝手に入らないでください」と言おうと想う。
表札を作り直した。なぜ作り直したかというと、雨に濡れると何もかもが台無しになるからである。
はちみつカフェの文字は紙粘土にラッカーを吹き付けて書いたので、雨に濡れると紙粘土が溶けてしまう。
もともと椅子の上にチョコンと載せて置いていたので、雨が降ると、椅子ごとずぶ濡れになってしまう。雨に濡れて紫外線を浴びると、この世の全てのものはボロボロになってしまう。
というわけで、6年ぶりのサインボードリニューアル。
椅子を外すので、壁に掛けなければならない。壁というのは竹垣のことであり、厳密には壁ではない。壁ではないというのは、丈夫ではないということ。
はちみつカフェのサインボードには、山口県のカルスト台地で買ってきた、カルストの岩の破片が多数組み込まれているので、重い。相当重い。秩父で拾ってきた、苔付きの石も組み込まれているので、かなり重い。
重いサインボードが落ちないように、突風に吹かれてぶっ飛ばされないように、色々と考えながら、適当に色々と拵えながら・・・。
背面に板。これは薪小屋の屋根を半分剥がして使った。
下面に底板。これに針金とビスで重さを支える台として固定。
上面に屋根。台風以外の雨ならば防げそうだ。
竹垣の裏側に横板を打ち付けて、そこに太めの針金で吊るす。
僕なんぞがやることは、だいたいが失敗を前提としてやっている。
やってはみたものの、うーん全然ダメだな、とか。全然違うな、とか。最悪だな、とか。
そういうのは、想定内のことであり、失敗したらやり直せばいいと思いながらやっている。ダメならばやめればいいと思いながらやっている。
しかし、どうした?今回はどうした?
あれ?すごくいいな?あれ?おかしいな?
思いのほか、上手に出来てしまった。
白樺の枝をあしらって。
これもバランスが大事。開きすぎず、寄りすぎず。
白樺の枝からぶら下がっているのは、北海道は豊似「夢の館」から持ってきた美ら玉。
庭先をブラブラして、薄くて四角い木っ端を探した。
サインボードの下の方の隙間に二つ差し込む。
その上に、LEDキャンドルを置いてみる。灯りがユラユラと揺れるやつ。
ふふふ。これで夜も見やすい。夜も素敵だ。
ふふふ、完璧すぎる・・・と僕はハンギングチェアーに座って揺られながら珈琲を飲むのである。
そんなに可愛くして、間違って入って来た人がいたらとうする?
「えぇ、ここはごくごく個人的なカフェなんでね・・・どうぞお引き取りください」
と丁重に言うことにしよう。