ガォーの恐竜が、晩御飯を分けてくれた。美味しいと言ったら、ガォーの恐竜は喜んでいた。
朝、ガォーの恐竜がすごく小さな声でつぶやいた。ガォーの恐竜の声はあまりに小さくて、何を言っているのか、ほとんど聞き取れない。
ガォーの恐竜は言う。
「時々、丸一日身体を休めないと、身体が持ちませんよ」
数年前の僕ならこう言っただろう。言わないまでも、こう思ったのだろう。
「じじぃは身体を休めてな!おれは走る!」
今の僕は、こう思う。
「なるほど、疲れたら身体を休めればいいんだ・・・なるほど」
小さな発見をした僕は、バイクに荷物を積み込んで、北へ向かう。
昨日、あと少しのところまで行って、たどり着かなかった場所を目指して。