向かった先が目的地。富良野の前の目的地。
馬追展望台。本当の名前はマオイ文学台。
「くにを」のくにをさんが僕に尋ねた。
「由仁町を見て回って行くのかい?」
実は、そんなつもりはなく、台風による雨が降り出す前に富良野へ着いて、タープとテントを設営するつもりだった。だが、由仁町の人に、「由仁町はすっ飛ばして先を急ぎます!」とは言えない。だからこんな風に答えた。
「はい、良い所ありますか?」
くにをさんはすごく嬉しそうに、とっておきの場所を教えてくれた。
札幌方面から石狩方面、壮大に見渡せる場所がある。ぜひ、そこへ行ってくれ。と。
何度も行き方道順を説明してくれた。最終的にすごく細い道を行くらしい。
僕は一点だけ確認をした。
「そのみちは、砂利道じゃないですよね?」
くにをさんは言った。
「砂利道じゃないんだけど、車がすれ違うのはちょっとキツイんだな」
果たして、くにをさんが砂利道ではないと言った道は、完全なる砂利道だった。
最終的には、急な上りの浮き砂利の道。
うらみはしないが・・・怖かったなぁ。
壮大な景色を眺めながら、ハラペコパン屋の食パン一斤を半分食べた。何もつけずに、何も挟まずに、食べた。すごく美味しかった。
くにをさん、由仁町の景色、最高でした!と伝えたいなぁと思っていたのだけど、マオイ文学台があるのは、実は長沼町だったというオチがあったりするのである。ははは。