カムイミンタラのホームページは、二年前に閉鎖したという。
どうして?と思う。
今はインターネット全盛である。逆に、ワールドワイドウェブの世界を遮断すれば、世界との繋がりを断ち切ったことにもなる。と僕は思ったりする。
北海道旅行の全盛期というのがあった。猫も杓子も北海道。北海道は旅行者や旅人、ライダー、チャリダーであふれた。
カムイミンタラも全盛期は人であふれた。
カムイミンタラはキャンプ場とふた部屋の個室旅宿を備える。
全盛期を過ぎて久しく。カムイミンタラの客数は全盛期の三分の一ほどに。
そして、ホームページを閉じた。
なぜか?
もうホームページは必要ないという。世界との繋がりは必要ないという。
宿をやる気がなくなったのか?というと違う。全然違う。まったく違う。
不特定多数の世界との繋がりを断つ。これが正解らしい。
カムイミンタラには確かなポリシーがある。
ここにはWi-Fiなんてない。携帯の電波も繋がらない。
街灯もない。夜は、真っ暗の真っ暗な真っ暗闇に包まれる。
遅く到着する人は泊まれない。ここは泊まるだけの場所ではない。
自然の中で、自然のあるがままの中で、それを堪能する場所。
インターネットに流布される情報は、正しいものばかりではない。間違いだらけ情報が垂れ流されている世界である。
そんなものは必要ないという。
インターネットのない時代。ついこの前までの時代。世界。
口コミというモノで旅人の世界は出来上がっていた。
人が、人に、善き情報を与える。
「カムイミンタラ、君には合うと思うよ。機会があったら行ってごらん」
これで充分なのである。
現実として、これ以外には要らないのである。
善き人の主観が、それに合う人に伝わる。
それが、それだけが、大事なことだったりする。
ちなみち、僕はカムイミンタラが大好きであり、カムイミンタラも僕を受け入れてくれていると信じる。
ちなみに、僕はカムイミンタラを人に薦めるし、こうしてブログにも書く。
ちなみに、コデラーマンが僕に聞く。
「カムイミンタラ、行ってみようかな?」
ちなみち、僕は言う。
「君は行かない方がいい。Wi-Fi小僧には過酷過ぎる。君は絶対に行ってはダメだ。いや、むしろ、行かないでくれ」
カムイミンタラ・・・
僕の大好きな場所。