午後6時頃、外は大雨。
一人のチャリダーの青年がライダーハウスにたどり着いた。
ちなみに、僕は4時には帰宅した。
チャリダーは雨の中、根室から90キロ、激走してきたらしい。
日本一周中。
「どのくらい旅をしているの?」と僕が聞く。
「二年半です」と24歳の青年は答える。
・・・二年半。
ライダーハウスのオーナーが青年に行った。
「大根のアルバイトがあるけど、やるか?」
青年は答えた。
「はい、やります」
明日は6時に起きて大根のアルバイトへ出かけるらしい。
ははは。
なんだこの世界は?
グッドイブニングDハウスの屋根を打つ雨。
僕は青年に聞く。
「過酷な旅をしていて、他の連中がバカに見えることってないの?」
青年は答える。
「そういうの、わかります」
グッドイブニングDハウスの屋根を打つ雨。
僕の存在はきっと、青年の記憶には残らない。
それはいい。僕の旅は薄過ぎる。
でも、青年の存在は僕の旅の記憶に残る。
それでいい。僕は、そんな自分の旅を愛す。