My Favorite Things

写真、舞台、Jazz、バーボン、星空 等々。
私のお気に入りです。

月光

2007年04月17日 23時49分00秒 | 写真

月光と言っても、クラシックではなく写真のお話です。
遠い昔、学生の頃は毎日のようにB/Wフィルムの現像と、プリントを作っていました。
サイズもキャビネ(今は2Lと言う方が解っていただけるかな?)から幅1mのロールサイズまで各種。
当時の印画紙は、コダック、富士フイルムなどのフィルム関連メーカーの他に、三菱製紙のものが流通していました。
なかでも、三菱製紙の月光というブランドの印画紙をメインに使っていました。
当時の印画紙はバライタ紙と呼ばれるもので、どれほどのプリントを作ったのか想像もつきませんが、月光のブルーのパッケージは今でも記憶に鮮明に残っています。
当時の印画紙はコントラストの低い1号から、コントラストが最も高い5号までの5種類があり、現像を終えたネガの状態や制作の意図により使い分けていました。
どれも同じと思われるB/Wの印画紙も、メーカーやブランドが異なると赤みがかった黒味の温調タイプから青みがかった黒味の冷調のものがあり、奥の深いものでした。
バライタの印画紙も、いつの間にかRCペーパーというタイプに変わり、質も安定して生産性も良くなってきたのですが、この頃にはカラープリントに切り替えていて、自分でプリントを作ることはほとんど無くなっていました。
写真関係の仕事をしている方や、趣味で作品を作られていた方には、この月光というブランドは少なからず懐かしさを覚えるのではないでしょうか?
しかし、デジタル化が進むにつれてB/W印画紙の需要は著しく低くなり、2006年3月には生産を終了してしまいました。
自分自身が使用することも無くなってしまったとは言え、少しばかり寂しい思いをしていました。

ところが、今年再び月光のペーパーを目にすることができました。
今回は、B/Wタイプのインクジェットプリンタ用のペーパーとして販売されたものです。
早速使ってみようと思って調べてみたら、顔料系のインクジェットプリンタで、グレーインクを使用できるものという条件が!
該当するプリンタは、数機種のみ。
当然のように、私のプリンタも顔料系のインクを使用してはいるもののグレーインクはなし。
結局、手にすることはできなかったのですが、どれほどのクオリティが出るのかは、興味津々です。
現在のインクジェットプリンタのクオリティは非常に高く、フィルムの粒状感を感じさせるものはないため、専用のペーパーが再現するのはグレーの階調表現が主なものなのでしょうね。
久し振りに目にした商品名に、懐かしさを感じてしまいました。