My Favorite Things

写真、舞台、Jazz、バーボン、星空 等々。
私のお気に入りです。

写楽考

2007年04月29日 23時18分00秒 | 観劇

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午後から渋谷・Bukamuraにこもっていました。
楽日となった、堤 真一さん主演の【写楽考】を観るのが目的でした。
和太鼓の響きわたるオープニングはなかなか良かったのですが、展開が今ひとつしっくり来ない気もしていて、いつものように2度観たいとは思わないものでした。
原作を知らないこともあるのでしょうが、東洲斎写楽という謎の人物と、喜多川歌麿や十返舎一九等の人物との関わりあい、お米という女性の強さが不思議な印象の芝居でした。
自分自身が何をしたいのかすら明確なものもなく、漫然と生きているだけの写楽が最後に頼ったのは、自身を「間の悪い一生」と評した歌麿。
その歌麿に見放され、自首を考えたときに巡ってきた、絵師としての才能を発揮する時。
けれど、それは自身の死を確定させる結末に。
お米が写楽に絵を描かせるために、自分が代官所へ出向き罪を被ろうとするが、蔦屋の企みでそれも叶わず・・・。
ラスト、語り部的な存在の十返舎一九と娘のお春との会話。
写楽という人間を描きながら、当時を生きる人間関係を描いていた芝居。
そんな印象の芝居でした。
芝居中、ガサゴソと音を立て続ける人、携帯のアラームを鳴らしてしまう人、咳込む人も多く、中には途中退出と入室をくる返す女性客も。
見ている私だけでなく役者もテンションが上がらないのではないかと思える場面がしばしば。
カーテンコールも実にあっさりしていて、何か拍子抜けでした。

そんな舞台に帰りの足も重く、エレベーター前に着いたとき、思わず6Fに上がってしまいました。
Webサイトでも目にしていた【こわれゆく世界の中で】が、ル・シネマで10分後に上演されるのを知り、チケットを購入してしまいました。
会場に入ると、観客は私を含めて僅か50人ほど。
ジュード・ロウ、ジュリエット・ビノシュ、ロビン・ライト・ペンらが演じている映画は、現代を"Breaking and Entering"というもので、住居侵入罪を意味するそうです。
主役のジュード・ロウ演じるウィルが、恋人のロビン・ライト・ペン演じるリヴ親子、ジュリエット・ビノシュ演じるアミラ親子との関わりを通じて、自身を見失い愛情を向ける相手すらも見失いそうな状況を乗り越えていくストーリーです。
何か、自分自身を当てはめて、考えさせられてしまう部分が後を引く映画でした。
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結局、Bunkamuraを後にしたのは、19時過ぎ。
長い時間いたわりには、何か中途半端な気持ちのまま。
まあ、こんな日もたまには。