先週金曜日の夕方に保健所から、COVID-19に罹患した81歳男性の入院依頼があった。地域の基幹病院に間質性肺炎で通院しているという。
先方の病院のコロナ病棟がいっぱいのため、1床空いていた当院に依頼がきたのだった。重症化リスクが本当に高いが、悪化した時は先方に入院している軽症のCOVID-19患者さんと交換すれば何とかなる?、とも思った。
症状は鼻汁と倦怠感で呼吸困難はない。前日に、最近当地域で始まった公園内での仮設検査所(週1回大学病院から来ている)でPCR検査を受けたそうだ。
酸素飽和度は97%(室内気)と正常域だった。胸部CTで確認すると、両側肺の下肺野胸膜下の間質性陰影がある。明らかなコロナに特徴的な陰影はないと判断された。
この患者さんは間質性肺炎でプレドニン7.5mg/日を内服している。糖尿病でインスリン自己注射をしていた(持効型と超速効型)。糖尿病性腎症がある。
腎症でeGFR<30なので、投与しようと思っていたパキロビットキットは仕様できなかった。パキロビットは、eGFRが>60で通常量、60>~≧30で腎不全量の投与になるが、「<30では推奨されない」となる。レムデシビル点滴静注(ベクルリー)も、「eGFR<30では推奨されない」、となる。
処方は、腎不全でも使用できるラゲブリオ内服にした。今のところ(6日目)、悪化はないようだ、隔離期間の入院で退院にできそうだ。