なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

家族でコロナ

2022年04月29日 | Weblog

 水曜日の午後に、救急搬入要請があった。新型コロナウイルスと確定した37歳女性だった。

 夫と上の子が新型コロナに罹患して、ホテル療養になっていた。濃厚接触者として月曜日に保健所のPCR検査を受けて、翌火曜日に陽性と判明していた。同日に行った下の子のPCR検査は陰性だった。

 住所は地域の基幹病院の近くだが、PCR検査は当院に回されていた。先方の人数がいっぱいだったのだろう。

 子供も陽性だと一緒にホテル療養になるが、陰性なのでそのまま自宅静養になるのだろう。あるいは、保健所の調整待ちだったかもしれない。

 火曜日から子供も37℃台の発熱と下痢があり、水曜日にPCR検査の再検になった。その日の午後に、子供の検査を受けに車を運転して当院に向かっていた。途中から呼吸困難感と両手指のしびれが出現して、近くのコンビニに車を停めて、救急要請したという経緯だった。

 救急要請の連絡が来て、症状からは過換気症候群のように思われた。搬入を受けて来てもらうと、救急車の後ろが空いて、防護服を着た救急隊員が降りてきた。患者さんんはストレッチャーに座っていた(横臥より楽だったのだろう)。

 落ち着いてきていて、ちょっと呼吸が速いが、普通に会話は可能になっていた。手指のしびれは軽減していた。子供(4歳女児)が一緒に乗っていたので、予定されていたPCR検査を行った。

 その日の保健所のPCR検査はすでに終わって、検体回収の係も行ってしまった。院内でできる迅速PCR検査を行ったが(感度は保健所の検査より落ちる)、陰性だった。

 母親は微熱で酸素飽和度も問題ないが、新型コロナの外来アセスメントを行うことにした。胸部CTで肺炎像はなく、血液検査はCRPが1.6とちょっとだけ上昇していたが、重症化指標は正常域だった。

 採血の時に点滴も同時にいれていた(普通のソルラクト500ml)、点滴が半分入ったところで、検査結果を説明した。肺炎がないと伝えると、「あ~、よかったあ~」と声を上げた。肺炎を相当心配していたようだ。

 保健所の指示でホテル療養の夫と上の子が自宅に戻ってくることになり、車で病院まで来ていた。点滴を途中で抜いて、アセトアミノフェンを持たせて帰宅とした。(下の子は、他院からの処方があり、当院ではスポーツドリンクを飲んでもらっただけ)

 そのまま一家で自宅療養となったのだろう。翌日特に連絡はなかった。

 

 先週の金曜日に感染病棟に入院した78歳男性は、住所が栃木県になっていた。2月に妻が亡くなり、認知症でひとり暮らしができないので、当地の息子の家族と同居するようになったそうだ。

 その日は一人で歩いてスパーマーケットに買い物?に行き、帰る途中で両下肢の脱力で動けなくなり、近くの人(スーパーの職員かも)が救急要請した。救急隊が到着すると、発熱もあることがわかった。

 当院に救急搬入されて、発熱外来扱いとなり、新型コロナ定性検査を行うと陽性だった。内科の別の先生が診ていたが、ちょうど当方も保健所のPCR検査が終わって書類記載で救急室の診察室にいた。

 コロナだったという話が聞えたので、後は引き受けることにした。胸部CTで肺炎像はなく、炎症反応もごく軽度だった。発熱による脱力と判断された。感染病棟が開いていたので、保健所に報告して、そのまま入院とした。

 入院後は、パキロビッドパック内服で経過をみて、解熱していた。内服していた認知症薬のドネペジルによると思われる徐脈があり、中止した。

 今週の月曜日に同居している息子一家(妻と子供3人)が、濃厚接触者として保健所依頼のPCR検査に来た。結果は全員陽性で、一家でホテル療養になったそうだ。(息子さんは50歳代だが、妻は20歳年下で、子供たちはまだ幼児)

 

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