Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ミスティック・アイズ

2014-02-03 19:30:00 | ベネディクト・カンバーバッチ
「Wreckers/ミスティック・アイズ」渋谷公開を見て来ました。ちなみに英版DVDを見た時の感想はこちら。この時は未見の方が多いと思いネタバレなしで書きましたので、今回はネタバレありです。


ニック 公式Wreckers facebookサイトより

英語版で聴き取れなくて、日本語字幕つきでわかったことは、主人公ドーンが養子縁組により育てられたことでした。このお話は最初と最後に出て来るベイビーちゃんがポイントなのですが、そういう理由で彼女は自分の血のつながった家族=ベイビーを熱望していたのですね。そして、私の英語力不足はもちろんながら、この映画、以前の感想にも書いたように会話がモゴモゴ聴き取れないなーっと思ったんですが、その理由が監督さんとキャストのベネディクトとショーンのQ&Aでわかったのです。それ以外にも、このインディー作を理解しやすくなることをいくつか言ってましたので、聴き取れたところから簡単にご紹介しますね。


監督D.R.Hood
・この作品はドーンの視点による回想の断片。本当はもっと多くの細かい断片で構成したかったのだけど種々事情によりできなかった。情報の切れ端は全て最初と最後の赤ちゃんのシーンに挟まれている。記憶なので声がわずかに音楽とともに聞こえて、実際何言ってるかわからない。彼女の記憶だけれど、物語として直線的に構成されている。
・噓をつく気分を知らせるため、カフェでベネディクトに噓を最低3回つくよう指示した。
・三角関係を設定して誰かひとりがアウトサイダーになる即興もした。ドーンをひとり離したり。
・撮影してから音声を消した部分もある。観客に必要以上に情報を与えない為に。
・(客席からの既婚者を含む交錯する「性的モラル」については?という質問について)それよりも「噓をつくこと」「隠していること」を考えてた。
・この作品のアイディアはニックから始まった。次にドーンを視点のレンズとして、実は最初、夫はギャリーでディヴィッドではなかった。
・ハッピーエンドかそうでないかは観客に委ねられている。


ベネディクト(兄・ディヴィッド)
・プロットは明らかにあるが観客の想像力に委ねる部分が多い。役者側も物語を話すのと同時に即興で外部者との関係を築くという試みが発見があり興味深かった。でも僕がやったキャラクターを見たくないんだよね。それは僕だけかもしれないけど。彼は興味深いよ、赤ちゃんの必要にせまられたり子供時代を問題のある家庭で過ごしコンプレックスをかかえてる。
・(噓は)自分の日常の仕事の一部だと思った。ちょっと恐いけど(笑)。個人的な事の噓をつき、他者と離れて演技をして、他の俳優に台詞を言う時にその背後にある真実は必要がないとわかった。これは何を信頼するのか、その地域でのドーンの発見なんだから。全員が噓をついてて、最後にはグチャグチャ。でも噓の積み重ねを共有しているので絆は強い。
・(客席からの「デイヴィッドをどう二面性を持ち謎めくよう演じましたか?」という質問に)どう謎めかせたか覚えてないな。彼の視点にたってロケ地についてリサーチして・・・監督からもらった家族を殺してそれを兄弟に話して秘密を共有する内容の本を読んだ。

ショーン(弟・ニック)
・Posttraumatic stress disorder/心的外傷後ストレス障害についてよく予習て臨んだ。脚本もすばらしい。
・ニックは唯一噓をついていない人間だと思う。彼は前に進めなくて逆に後退し、意識下で前進するには告白しなくちゃいけないと知っている。
・僕はリハの前からロケ地に早く行ってた。環境と人々が相互作用するのにいつも興味をひかれるから。空や空間を見ただけだったけど興味深かった。



このQ&Aはイギリス公開(プレは10月のロンドン・フィルム・フェスティヴァル)の12/16の翌日でしたが、動画を見る限りではベネディクトは眠そうというかお疲れというか、役にあまり入ってないというか、入れという方が難しいか。逆にショーンは発言はベネディクトより少ないけど答え方で演技のやりがいがあった感が伝わってきたと私は思います。