Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

フランケンシュタイン感想

2014-02-15 22:22:00 | ベネディクト・カンバーバッチ
とは言ってもまだネタばれしない程度の内容です。と言うのも、実は予習の原作小説を読み終わらないまま上映を迎えてしまったため、お話の後半は知らずに見てとても感動しましたので、そういう方のためにも。



まずね、フランケンシュタインの本当の話を知る事が出来て良かったです。だって一般に広まってるのは1931年の映画がもとになったルックスでしかも創造物の名前がフランケンシュタイン。しかし元は想像主の学生の苗字で、創造物の名前は・・・(見てのor読んでのお楽しみ)

で以前公式からDLが許された英語パンフによればメアリー・シェリーが小説を書き始めたのはまだ18歳だそうで、それで思い出したのは萩尾望都、ポーの一族は23歳から発表されてます。PCもなく外国がすごく遠かったまだ1970年代に。才能は年齢に関係ない例ですよね。

原作が出版されたのは1818年。当時の現代小説、後世には最古のSFとも呼ばれたそうで、SFのSはサイエンスですけど科学により生命を想像する話です。しかし1818年と言えば、ワーテルローの戦いでウェリントンがナポレオンを破ったのが1815年、まだ戦争は馬に乗ってた時代です。今から見ればまだ科学は産まれたばかりで工業化のまっただ中だからこそ、人間が人間を造る日も遠くないという発想ができたのでしょうね。

その工業化を表していると思われる抽象的な機械と労働者達が劇の初め頃にも出て来て、2012年ロンドンオリンピック開会式の芸術監督も務めた本作監督のダニー・ボイルの労働者階級へのこだわりを思い出させました。でもホントは順序は逆です。劇の方は2010年ですから。そして200年前の話を現代アートのような証明とセット、それにデジタル・エレクトロニック音楽(要するにインディー系、クラバー好きの)のアンダーワールドのサウンドで演出し、会話もとてもわかりやすく、重いテーマなのにユーモアもあって、哲学的な問いかけが見てる人誰にも伝わる良質な作品になっていました。

ライティング

ところで、今週末全国で公開されているのはフランケンシュタインがベネディクト、クリーチャーがジョニー・リー・ミラーです。フランケンシュタインは学生(でも劇の中では博士となってたような)で、生命を創造するくらいですから天才です。しかし、ここだけの話ですが・・・・天才を演じるのは十八番のベネディクトのはずが、どうも私には天才に見えなかったのですよね。ホーキングでは天才の若き日々、ゴッホでは病める天才、サイコパス志望の天才シャーロック、優性人類ジョン・ハリソン(仮名)は間違いなく天才に見えたんだけど、フランケンシュタインは、どちらかと言うと、To the Ends of the Earthの世間知らず坊ちゃまみたいでした。基本、客席から見る前提のお芝居なのに、上からのアングルとかアップで表情もよく見えたりと、役者の意図した見せ方とは違う視点だったからかも知れませんが。

とにかく来週末の配役も楽しみです!3度目の雪は降りませんように!!