案の定、しつこいですが、またベン・ウィショーです。
見れば見るほど見たくなる人だ、、、と、今度は映画「パフューム/ある人殺しの物語」(2006年)のDVDを購入しました(スペシャル・ディスクつき深紅のベルベットケース入りプレミアム・エディション)。おもしろかったので感想を書こうとPCに向かったら気がつきました。私が契約しているhuluにもありました。。。。。イメージにウィショーくんがいないのでまったく気がつかなかったのか、単に最初から期待してなかったのか。くう!
原作はベストセラー小説で、舞台は18世紀のフランス、147mmと長い。重くて暗いのを覚悟して見始めたら、絵本の読み聞かせのようなナレーションが。この語りが、レンブラントのような闇に黄色く人間が浮かび上がる重厚なヨーロッパの風景を、「長靴を履いた猫」のようなファンタジー童話に変えてくれて助かりました。ナレーターはジョン・ハート!日本語クレジットにはなぜか無記名。
主人公ジャン=バティスト・グルヌイユは孤児で育児所で育つが、嗅覚が異常に鋭く友達なし。異質なものを排除する子供の社会はリアルです。しかし5歳まで喋れなかったというのだから、犬のように嗅覚で世界を把握するので言語の発達が遅れたのかと思います。この辺まではウィショー君ではなく子役。
成長して過酷な革なめし工場に売られたが、ここでも、産まれて即捨てられ、育児所の子供達にまで殺されかかったのに生き延びた生命力で生き抜く。ここでは魚じゃなくて動物の臓物まみれですよ~ぶるぶる。でも大人になって、さあ、ウィショー君の出番!親方と革製品の納品にパリの街へ行けるようになって、落ち目の香水調合師(ダスティン・ホフマン)と出会う。大人と言っても17,8歳くらいの設定か。あの細~いウィショー君が短髪でボロボロの汚い服を着、顔も手もお風呂になんて入ったことないような汚れでまるで山猿。。。。スペシャル・ディスクでスタッフによる製作の意図を聞きましたが、18世紀の不潔さを出すのに力を入れたそうです。当時はみな足首まで汚物まみれだったとか言って。そんなにリアリティを追求しなくてもいいのに!=ウィショー君をそんなに猿にしなくてもいいのに!
グルヌイユ、街で会ったいい香りの女の子に恋をするも、女の子を事故で殺してしまってすぐ失恋。あの香りがない=あの香りを作りたい。運良く、巻き返しを計る調合師に革職人から買いとられる。やっとここから香水の修行!
でもパリでは自分の目差す香水が作れないと悟ったグルヌイユ、香水の街へ行く。パリからプロバンスに徒歩です。山猿の髪も髭も伸びてさらにボロボロ。香水の街に着いても、調合師からの紹介状を持っていたので街の門番に通してもらえます。乞食のような格好でも許可されるなんて、18世紀にいかに人間一般が汚かったのかわかるというもの。あんなに汚れてたら悪臭もするだろうに、鼻が天才的に利く人がよく平気だったな、と思ったけれど、グルヌイユにとっては香りに良い/悪いはなく、ただ分類して覚えるだけのものとのこと。
香水を作るために、街で女の子を捕まえて殺人を繰り返すグルヌイユ。よくも見つからずに12人も。汚いだけでなくまだ街が暗い時代だったからでしょうか。人に気づかれずに近づいて目的を達成するとは、人間ではなくて肉球をもつ動物に見えて来る。
自分の美人の娘だけは殺人鬼から守りたかった街の旦那(アラン・リックマン)に、ついに捕まったグルヌイユ、街の広場で公開処刑される為に馬車で到着、ああ、やっとその時ブルーの奇麗な服を着たウィショー君、やっと人間になれた・・・髪は短いまんまでまだ猿なんだけど、奇麗な服と靴の間の細い足首もステキだ。しかし処刑になんで晴れ姿?
罪と残酷な罰を読み上げる役人と、興奮する群衆の恐いのなんの。グルヌイユがどんな目にあうのかと指の間から画面を見つめてしまいました。。。
この後のクライマックスには、驚いたけれど、好きだったのはその後のラストでした。よかった。
あ~、もう長々とすみません!
結局、猿のような精霊のようなウィショー君に目がくぎ付けでした。
それから、全部見終わって気づいたのですが、過酷な環境でしぶといバイ菌マンのように生き延びるグルヌイユの保護者というか所有者達(母親、育児所オーナー、革なめし親方、香水調合師)は、彼を手放したとたんに死ぬんです。あれはどういう意味だったのか、ちょっと追求したいです。DVDにコメンタリーが入っているのでそれで何かわかるといいな。
DVD特典で知りましたが、公開時、「東京国際映画祭」にてトム・ティクヴァ監督とウィショー君は来日していました。その時のインタビューと舞台挨拶が収録されています。インタビューの最後に観客へのメッセージを語るウィショー君がキラキラしてて猿の影もありません!
最後にメイキングで監督が語った言葉
「主役にふさわしい役者はー
グルヌイユの人格をうまく体現でき、オーラを放っており謎めいたキャラであること
主人公には心を揺さぶる無垢さが欲しい
ああしかできない部器用さが心を動かす
さらに欲しかったのは暗い闇のような暗さ
何かに憑かれたような雰囲気だ」
ベン・ウィショーが語った言葉
「ベルヌイユを演じて難しかったことはー
あまり喋らないこと
あれほど台詞の少ない登場人物はいなかった
彼は寂しさと孤独に包まれた人物だから
彼の心の動きを伝えるのが難しかった
観客にはある種の共感を抱いてもらいたかったから」
見れば見るほど見たくなる人だ、、、と、今度は映画「パフューム/ある人殺しの物語」(2006年)のDVDを購入しました(スペシャル・ディスクつき深紅のベルベットケース入りプレミアム・エディション)。おもしろかったので感想を書こうとPCに向かったら気がつきました。私が契約しているhuluにもありました。。。。。イメージにウィショーくんがいないのでまったく気がつかなかったのか、単に最初から期待してなかったのか。くう!
原作はベストセラー小説で、舞台は18世紀のフランス、147mmと長い。重くて暗いのを覚悟して見始めたら、絵本の読み聞かせのようなナレーションが。この語りが、レンブラントのような闇に黄色く人間が浮かび上がる重厚なヨーロッパの風景を、「長靴を履いた猫」のようなファンタジー童話に変えてくれて助かりました。ナレーターはジョン・ハート!日本語クレジットにはなぜか無記名。
主人公ジャン=バティスト・グルヌイユは孤児で育児所で育つが、嗅覚が異常に鋭く友達なし。異質なものを排除する子供の社会はリアルです。しかし5歳まで喋れなかったというのだから、犬のように嗅覚で世界を把握するので言語の発達が遅れたのかと思います。この辺まではウィショー君ではなく子役。
成長して過酷な革なめし工場に売られたが、ここでも、産まれて即捨てられ、育児所の子供達にまで殺されかかったのに生き延びた生命力で生き抜く。ここでは魚じゃなくて動物の臓物まみれですよ~ぶるぶる。でも大人になって、さあ、ウィショー君の出番!親方と革製品の納品にパリの街へ行けるようになって、落ち目の香水調合師(ダスティン・ホフマン)と出会う。大人と言っても17,8歳くらいの設定か。あの細~いウィショー君が短髪でボロボロの汚い服を着、顔も手もお風呂になんて入ったことないような汚れでまるで山猿。。。。スペシャル・ディスクでスタッフによる製作の意図を聞きましたが、18世紀の不潔さを出すのに力を入れたそうです。当時はみな足首まで汚物まみれだったとか言って。そんなにリアリティを追求しなくてもいいのに!=ウィショー君をそんなに猿にしなくてもいいのに!
グルヌイユ、街で会ったいい香りの女の子に恋をするも、女の子を事故で殺してしまってすぐ失恋。あの香りがない=あの香りを作りたい。運良く、巻き返しを計る調合師に革職人から買いとられる。やっとここから香水の修行!
でもパリでは自分の目差す香水が作れないと悟ったグルヌイユ、香水の街へ行く。パリからプロバンスに徒歩です。山猿の髪も髭も伸びてさらにボロボロ。香水の街に着いても、調合師からの紹介状を持っていたので街の門番に通してもらえます。乞食のような格好でも許可されるなんて、18世紀にいかに人間一般が汚かったのかわかるというもの。あんなに汚れてたら悪臭もするだろうに、鼻が天才的に利く人がよく平気だったな、と思ったけれど、グルヌイユにとっては香りに良い/悪いはなく、ただ分類して覚えるだけのものとのこと。
香水を作るために、街で女の子を捕まえて殺人を繰り返すグルヌイユ。よくも見つからずに12人も。汚いだけでなくまだ街が暗い時代だったからでしょうか。人に気づかれずに近づいて目的を達成するとは、人間ではなくて肉球をもつ動物に見えて来る。
自分の美人の娘だけは殺人鬼から守りたかった街の旦那(アラン・リックマン)に、ついに捕まったグルヌイユ、街の広場で公開処刑される為に馬車で到着、ああ、やっとその時ブルーの奇麗な服を着たウィショー君、やっと人間になれた・・・髪は短いまんまでまだ猿なんだけど、奇麗な服と靴の間の細い足首もステキだ。しかし処刑になんで晴れ姿?
罪と残酷な罰を読み上げる役人と、興奮する群衆の恐いのなんの。グルヌイユがどんな目にあうのかと指の間から画面を見つめてしまいました。。。
この後のクライマックスには、驚いたけれど、好きだったのはその後のラストでした。よかった。
あ~、もう長々とすみません!
結局、猿のような精霊のようなウィショー君に目がくぎ付けでした。
それから、全部見終わって気づいたのですが、過酷な環境でしぶといバイ菌マンのように生き延びるグルヌイユの保護者というか所有者達(母親、育児所オーナー、革なめし親方、香水調合師)は、彼を手放したとたんに死ぬんです。あれはどういう意味だったのか、ちょっと追求したいです。DVDにコメンタリーが入っているのでそれで何かわかるといいな。
DVD特典で知りましたが、公開時、「東京国際映画祭」にてトム・ティクヴァ監督とウィショー君は来日していました。その時のインタビューと舞台挨拶が収録されています。インタビューの最後に観客へのメッセージを語るウィショー君がキラキラしてて猿の影もありません!
最後にメイキングで監督が語った言葉
「主役にふさわしい役者はー
グルヌイユの人格をうまく体現でき、オーラを放っており謎めいたキャラであること
主人公には心を揺さぶる無垢さが欲しい
ああしかできない部器用さが心を動かす
さらに欲しかったのは暗い闇のような暗さ
何かに憑かれたような雰囲気だ」
ベン・ウィショーが語った言葉
「ベルヌイユを演じて難しかったことはー
あまり喋らないこと
あれほど台詞の少ない登場人物はいなかった
彼は寂しさと孤独に包まれた人物だから
彼の心の動きを伝えるのが難しかった
観客にはある種の共感を抱いてもらいたかったから」