BBCドラマ「The Hour」(2012)がおもしろいです!
シリーズ1&2で合計685分というけっこう長い英語DVDBOXを買う気になったのは、もちろんベン・ウィショーめあてですが、7/4「アナグマとウィショー」で紹介したGQの記事にthe brilliant-infuriating-endearing journalist とTHE HOURでの役フレディについて書いてあったのが気になったからです。これよく意味わからず「まったく腹が立つほど愛らしい」とブログには書いておいたんですけど、見た後に振り返ってみると「才能にあふれ怒っているのに愛おしい」でも合っている、でも「才能にあふれ腹が立つほど愛おしい」ウィショー君の姿が入っていたのですよ!
舞台は1956年のロンドン、BBCです。 「The Hour」という番組のジャーナリスト=フレディ(ベン・ウィショー)、ホスト/ニュースリーダー=ヘクター(ドミニク・ウェスト)、プロデューサー=ベル(ロモーラ・ガライ)をメインキャストに、番組制作の力関係ドラマと、フレディの幼なじみの上流階級の女の子がからんだソビエトスパイ/MI6のサスペンスが同時進行して行きます。
お話は、歴史で言うと56年のスエズ危機をめぐる冷戦を背景に、女性の社会進出をベルが体現していて、60年前のイギリス男社会の反応や彼女の悩みはまるで現代の日本です。日本、遅れること60年!
女性だけでなく、伝統的に地位を支配していた上流階級とオックスブリッジ卒のエリートに反抗していく労働者階級の新勢力として、ライターさんによるとジャック・ケルアックをモデルにフレディというキャラを作ったそうです。
対して、当時の色男の権化みたいなのがヘクターで、ハンサムだから権力のある父を持った女性と結婚してキャリアも手に入れた感じの、デイスパレイトな妻の男版みたいな奴なんです。奥さんいるのに別の女を追いかけて、しつこいくせに離婚する気はない、人間としてはキレを感じない、あーもう勘弁してよな男。
ドラマの冒頭は、自分がテレビに出てニュースを伝えたいのにその希望がかなわなかったフレディが、プロデューサーとなったベル、番組主役ヘクターや上司にブチブチと不満をぶちまける愚痴愚痴ウィショ君です。ここいら辺では、普通の社会の普通の人間の男としては、ウィショー君存在感がいまいち弱いんではないかという一抹の不安に襲われました。THE HOURはシリーズ2までで、以降の予定がないのは、そのせいなんじゃないか?!とまで危惧したほど。
ところでベルとフレディは同じ土壌で闘って来て刺激し合い、男女を越えた友情で結ばれています。ベルはブロンド美人で清楚な印象(この時代はアイラインとアイシャドウくっきりのメイクの女性が主流の中、彼女はナチュラルメイクに口紅だけ赤で現代的なんです)で外見はフェミニンなんですが、女は結婚してなんぼという価値観がまだ強い時代の男社会でキャリアを築いている人ですから働き者で意思も強い。精神的にはブロマンスのような関係かも。ヘクターは当代の色男ですから、案の定ベルに言い寄りベルもその気になってしまう。しかし、そんな事実をものともせず存在感をアピールするのがフレディ戦法!このへんからウィショフレディの唯一無比の魅力が炸裂してもう目が離せないんです。妖精でも芸術家でも王様でもゲイでもない男の役をやっても魅力的なんですよー!
唯一無比なのは、ヘクターの奥さんの両親のお屋敷に招かれ、狩りやホワイトタイでのディナーといった上流社会に足を踏み入れても、着る服を持ってなくても「それじゃダメ」と言われて差し出された服をサクッと「場に必要だから」着こなしてしまう飄々とした態度も。
DVD特典に収録されたキャストのインタビューで、ヘクター役ドミニクの言葉がおもしろかったです。これはドラマのキャラのことではなく、俳優としてのウィショ君やロモーラさんについて言っていることです。
「Ben's very very sweet and very very good, and Romola's very very feisty and capable and beautiful.」
・・・ロモーラさんのことは「とてもとても気骨があり許容力もあり素晴らしい」なのに対し、ウィショ君のことはsweetでgoodって・・・・まるで犬か猫の褒め言葉・・・。
ツイッターではブツブツ言いながら写真をupしてたのですが、私の狭くて短いドラマ歴でも知っている俳優が次から次へと出て来るのも魅力でした。
ヒロインのBelは「つぐない」の文学少女ブライオニー、「アメイジング・グレイス」の主人公の奥さん。
小粒(?失礼!)なところでは、冒頭の殺人事件ですぐにいなくなってしまう人に、「パレーズ・エンド」「新米モース」に出てたジェイミー・パーカー。
おっとびっくり、モリアーティーことアンドリュー・スコットは俳優の役で。
メイン3人の上司に「新米モース」のボスでもあるアントン・レサー。
ヘクターの奥さんは「シャーロック」でクリスマスにジョンをシャーロックにとられた彼女。
国外ニュースジャーナリストがアンナ・チャンセラー、ライターさんの意図ではキャサリン・ヘップバーンのような独立したハンサム・ウーマンなのですが、Fortysomethingのベネディクトママ=ヒュー・ローリーの奥さん役が私にとっての初対面だったので、ついウィショー君にとってももママのような立ち位置を勝手に配してしまって余計なお世話すみませんです。
さて後半、シリーズ2はどうなるんだろう。
シリーズ1&2で合計685分というけっこう長い英語DVDBOXを買う気になったのは、もちろんベン・ウィショーめあてですが、7/4「アナグマとウィショー」で紹介したGQの記事にthe brilliant-infuriating-endearing journalist とTHE HOURでの役フレディについて書いてあったのが気になったからです。これよく意味わからず「まったく腹が立つほど愛らしい」とブログには書いておいたんですけど、見た後に振り返ってみると「才能にあふれ怒っているのに愛おしい」でも合っている、でも「才能にあふれ腹が立つほど愛おしい」ウィショー君の姿が入っていたのですよ!
舞台は1956年のロンドン、BBCです。 「The Hour」という番組のジャーナリスト=フレディ(ベン・ウィショー)、ホスト/ニュースリーダー=ヘクター(ドミニク・ウェスト)、プロデューサー=ベル(ロモーラ・ガライ)をメインキャストに、番組制作の力関係ドラマと、フレディの幼なじみの上流階級の女の子がからんだソビエトスパイ/MI6のサスペンスが同時進行して行きます。
お話は、歴史で言うと56年のスエズ危機をめぐる冷戦を背景に、女性の社会進出をベルが体現していて、60年前のイギリス男社会の反応や彼女の悩みはまるで現代の日本です。日本、遅れること60年!
女性だけでなく、伝統的に地位を支配していた上流階級とオックスブリッジ卒のエリートに反抗していく労働者階級の新勢力として、ライターさんによるとジャック・ケルアックをモデルにフレディというキャラを作ったそうです。
対して、当時の色男の権化みたいなのがヘクターで、ハンサムだから権力のある父を持った女性と結婚してキャリアも手に入れた感じの、デイスパレイトな妻の男版みたいな奴なんです。奥さんいるのに別の女を追いかけて、しつこいくせに離婚する気はない、人間としてはキレを感じない、あーもう勘弁してよな男。
ドラマの冒頭は、自分がテレビに出てニュースを伝えたいのにその希望がかなわなかったフレディが、プロデューサーとなったベル、番組主役ヘクターや上司にブチブチと不満をぶちまける愚痴愚痴ウィショ君です。ここいら辺では、普通の社会の普通の人間の男としては、ウィショー君存在感がいまいち弱いんではないかという一抹の不安に襲われました。THE HOURはシリーズ2までで、以降の予定がないのは、そのせいなんじゃないか?!とまで危惧したほど。
ところでベルとフレディは同じ土壌で闘って来て刺激し合い、男女を越えた友情で結ばれています。ベルはブロンド美人で清楚な印象(この時代はアイラインとアイシャドウくっきりのメイクの女性が主流の中、彼女はナチュラルメイクに口紅だけ赤で現代的なんです)で外見はフェミニンなんですが、女は結婚してなんぼという価値観がまだ強い時代の男社会でキャリアを築いている人ですから働き者で意思も強い。精神的にはブロマンスのような関係かも。ヘクターは当代の色男ですから、案の定ベルに言い寄りベルもその気になってしまう。しかし、そんな事実をものともせず存在感をアピールするのがフレディ戦法!このへんからウィショフレディの唯一無比の魅力が炸裂してもう目が離せないんです。妖精でも芸術家でも王様でもゲイでもない男の役をやっても魅力的なんですよー!
唯一無比なのは、ヘクターの奥さんの両親のお屋敷に招かれ、狩りやホワイトタイでのディナーといった上流社会に足を踏み入れても、着る服を持ってなくても「それじゃダメ」と言われて差し出された服をサクッと「場に必要だから」着こなしてしまう飄々とした態度も。
DVD特典に収録されたキャストのインタビューで、ヘクター役ドミニクの言葉がおもしろかったです。これはドラマのキャラのことではなく、俳優としてのウィショ君やロモーラさんについて言っていることです。
「Ben's very very sweet and very very good, and Romola's very very feisty and capable and beautiful.」
・・・ロモーラさんのことは「とてもとても気骨があり許容力もあり素晴らしい」なのに対し、ウィショ君のことはsweetでgoodって・・・・まるで犬か猫の褒め言葉・・・。
ツイッターではブツブツ言いながら写真をupしてたのですが、私の狭くて短いドラマ歴でも知っている俳優が次から次へと出て来るのも魅力でした。
ヒロインのBelは「つぐない」の文学少女ブライオニー、「アメイジング・グレイス」の主人公の奥さん。
小粒(?失礼!)なところでは、冒頭の殺人事件ですぐにいなくなってしまう人に、「パレーズ・エンド」「新米モース」に出てたジェイミー・パーカー。
おっとびっくり、モリアーティーことアンドリュー・スコットは俳優の役で。
メイン3人の上司に「新米モース」のボスでもあるアントン・レサー。
ヘクターの奥さんは「シャーロック」でクリスマスにジョンをシャーロックにとられた彼女。
国外ニュースジャーナリストがアンナ・チャンセラー、ライターさんの意図ではキャサリン・ヘップバーンのような独立したハンサム・ウーマンなのですが、Fortysomethingのベネディクトママ=ヒュー・ローリーの奥さん役が私にとっての初対面だったので、ついウィショー君にとってももママのような立ち位置を勝手に配してしまって余計なお世話すみませんです。
さて後半、シリーズ2はどうなるんだろう。