Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

POLDARK 06

2015-04-20 20:21:00 | POLDARK
夫の両親は今頃イタリア行きの機中の人となっておりますので、やっと通常運転のしましまです。



冒頭で何と言っても新鮮なのは、草刈りするフランシスと野菜摘みエリザベスです。食料自給自足のため?
何か手伝うことがあれば?というロスに「find a way to restore me my mines, my estate, my dignity./銅抗と財産と尊厳を取り戻す方法を教えろよ。」と相変わらず尊厳もへったくれもないフランシスである。その後、慣れない鎌を持って手にできたマメに大騒ぎする安定の小物っぷり。

ロスは町でオークションに出席します。前エピで秘密裏に結成した製錬会社The Cornmore Copper Companyが初入札しました。今まで独占入札していたジョージの銀行を後ろ盾に持つ会社はビックリ、どんどん競り勝つ新会社に激しく異議申し立てします。

その頃、ポルダーク家がジョージの舞踏会に招待されたとヴァリティがデメルザに知らせに来ました。デメルザには社交界デヴューになるのでヴァリティにダンスを教わるとわくわく。着々とレディの階段昇るデメルザの心が、物騒な世の中とジョージ親子の腹黒い企みと闘うロスの暗い世界と対照的。対照と言えば、「イギリスの田舎にもあったのねロココ調の華やかな社交界」と「坑夫達の厳しい世界」も天と地のように差があって、ロスとデメルザはオスカルとアンドレが果たせなかった身分違いの愛と、富める階級の搾取と闘っているのだなあと思ったり・・・

その舞踏会を開くWarleggans(ジョージ親子)はロスを警戒し始めました。
「You underestimated him.奴を見くびっていたな。」
「I did no such thing. You took him for one of those overbred idiots who trade on their name instead of their wits.とんでもない。父さんこそあいつを頭じゃなく家柄で商売してはびこった輩だって。」
「Like his cousin. 従兄弟があれだからな。」
「Ross is made of harder metal. ロスはもっと硬い金属のような奴ですよ。」
「Well, his company is a threat. But if we knew the names of its shareholders….うむ、奴の会社は脅威だ。だが、その株主が誰かわかればな・・・」

さて帆船好きカップルは再開後、ブレミーは舞踏会でふたりの交際を早く公にしたいのに比べ、ヴァリティはまだ兄フランシスに言い出せません。ブレミー、髪をきちっと結わないでナポレオンみたいな帽子からもそっとはみ出してる方がまだいい男に見えるような?

舞踏会が楽しみなデメルザを前に「まあ仕方ないか」的なロス。

「鉱山をなくし、領地は荒れ放題、リフォームしたドレスを着た妻を連れて出席か」と愚痴も絶好調フランシス。
「今どきドレスを新調できる人なんていないわ」とエリザベス。お?富裕層も全体に不景気ということかな。
E「Truly, you imagine Demelza won't be trotting out her one good dress and not care a feather what people say? まったく、デメルザは一張羅を見せびらかしたり、人の衣装を噂する人なんて気にしないでしょう?」
F「Well, she should, and if she does not, then she shows her ignorance. でも、すべきだね。しないというなら世間知らずってことだ。」
E「You like Demelza. デメルザが好きなのね。」
F「Mm.Mm. I do. Doesn't alter the fact that the connection does our family credit. I'm grateful it's the only unsuitable marriage we're forced to endure. うん、うん、そうとも。その縁が家柄に影響する事実が修正されるわけじゃないがな。苦痛を強いられる不適切な結婚がたったひとつで僕は幸せだよ。」
リビングから立ち去るヴァリティ・・・・いやあ!フランシスの嫌味もここまで行くと拍手もんです!

刑務所では疫病がいよいよ深刻(「they're dropping like flies」=「バタバタと大勢死ぬ」ことをハエに例えるんですね)という噂なのでドゥワイト・エニス医師とジムを救出する決意をしたロス。うまく入れてジムを見つけたのはいいが、すでに彼は虫の息。手がgangrene(壊疽)を起こしていて、手遅れだと判断するエニスに治療を頼むも助かりませんでした。

家でデメルザに「magistrat(判事)があそこにいたら・・・」と悔いと憤りを語るロス。
「Smug, self-satisfied upholders of the law. 気取った独り善がりの法の番人だ。
And so-called gentlemen! それで紳士だと!
Who prize game above honest working men.真面目な労働者よりもゲームを尊ぶ奴らが。」

そして自分を責めるロスに対し、デメルザの心配は「刑務所から無断で受刑者を逃したことでお咎めはないのか」ということ。そうだ、そうだよ、妻の立場だったら正義に燃える夫はいいが・・・しかし友人の死を見届けてしまったロスにしてみたら、彼を死に至らしめた人達と社交するために舞踏会に行く心境じゃないのも事実。そこへ理論的な発言をしてくれたのが訪ねて来たヴァリティで、「出席すればあなたが社交界の一員だと皆に確認させることで、刑務所脱走加担の罪に問われるのを防げるわ。」うん、こういう世渡りは社交界にいる人じゃないとわからないからデメルザにはできませんね。しぶしぶ妻子のために出席を覚悟したヒーローの葛藤は
「Justice is a fine thing, is it not? 正義とはご立派なものじゃないか?」

舞踏会のシーンはロスの心境を映すように、シャンデリアや玄関で迎える華やかな下僕と着飾ったお客から始まります。
「To acquaint myself with as much brandy as George can supply. ジョージが出せる限りのブランデーに詳しくなってやるぞ」
とグラスを手に最初から荒れ模様のロスに、来たことを後悔するデメルザ。そこに使用人がロスからの贈り物を持って来ました。箱を開けるとネックレス。ワイルドな軍人もそう言うところは押さえているな、さすがヒーロー。デメルザの新しいドレスも刑務所に行く前に注文しておいてくれたしね。その時にネックレスも取りはからっておいてくれたのかな。

「But how can I wear it? With Jim in the ground and Jinny all bereft. でもこんなのつけられないじゃない?ジムが土に埋まってジニーが全てを失ったというのに。(*bereft=bereave奪うの過去分詞)」と躊躇するデメルザごもっとも。ヴァリティの返事がまた的確なのだ。「You cannot help them, my dear. あなたがあの人達を助けてあげられるわけじゃないのよ。」やっぱり知的な女性です。「But you can try to keep a lid on that powerkeg below. でも下にいるあの火薬庫にふたをしておくのもいいかも。」ははは、powderkeg=火薬庫ってロスのことですか?!

結局デメルザはそのネックレスをつけたものの、ロスはフランシスと、ヴァリティはブレミーを見つけて(喜んだのじゃなくて緊急事態)消えてしまった。仕方なくダンスフロアへとひとりで降りて行くデメルザ。うふふ、浮浪児として登場した時から私が待っていた瞬間が来ました。美しい謎のレディ登場に社交界は「誰?あれは誰?」っていうシーンですよ。しかしドゥワイト医師といたおっさんに捕まってしまいます・・・・

一方、ロスはジョージに捕まりました。
「Ross, I've been singing your praises. ロス、君をずっと誉め讃えてた。(sing one's praises=誉め立てる)」
嫌味っぷりはフランシスとどっこいですね。そして紹介してきたのは先日フランシスがカードで銅鉱を賭けて負けた相手じゃないですか!しかも彼とロスのカードのテーブルに参加して来たのは、ジムを刑務所に送った判事。ロスは彼を非難し、判事は刑務所でのロスの行為を責めて対立。

ねちねちとポルダーク家の噂話を広めてる若い女、誰だろ~?と思ってたら、ロスが帰国後初めて社交界に顔を出した時のお屋敷の娘ですかね?!そう考えれば納得が行きます。そっか!そう?この舞踏会でも「フランシスは妻に新しいドレスも買えない」「ロスはあんな尻軽女と結婚して後悔してるわね・・・」とロスが消えておっさんに捕まってるデメルザを言いたい放題。デメルザ、せっかく野原でダンスの練習してきたのに、うまく踊れてもこれじゃ、ううう・・・!

美しく踊っている女性がデメルザだと知ったエリザベスの母が「scullery maid」と言いました。調べたら意味は「台所の下働きの女中」だそうで、ダウントン・アビーのデイジーよりももっと階級が下の洗い場のお手伝いさんってことでした。自分が下の身分の者を賞賛してしまった腹いせに侮辱的な言葉を選ぶお母さん、娘が夫に相手にされずダンスをしないと噂されるのを心配していたら、そこへ誘いに来たのがジョージです!エリザベスと踊り、美を誉めたたえるジョージ・・・

ヴァリティの心配に耳を貸さずふたりの仲を認めさせたいブレミーも舞踏会に乗り込んで来ました。ふたりの姿を見つけたフランシス、2度と会ってはならん!!とまたまたおかんむり。ヴァリティの方は「兄に話してなかった私を彼は軽蔑しているわ。振り向きもせずに行ってしまった。」と落ち込んでいます。

エリザベスがカードの部屋でポルダーク従兄弟を見つけたおかげで、やっとロスがデメルザを迎えに来ました。しかしまだ酔って着飾った人達を非難し、デメルザと喧嘩に。
D「And you're not righting any wrongs by blaming just these folk for Jim dying.そしてこの人達にジムを死なせた責任があるのにあなたはなんの罪も正していない。」
R「Of course they're to blame! For their ignorance, their selfishness, their arrogance…もちろん彼らの責任だ!無視と、自己主義と、その傲慢さで・・・」
D「And you'll not right any wrongs by drunken and gaming and leaving me to fend for myself at my very first ball!!それでもあなたはなんの罪も正さないのよ。酔って賭けをして、私を放っておいて、初めての舞踏会なのに!!」
R「If you behave like this, you'll not come to another.そんな態度でいるともう連れてこないぞ。」
D「If you behave like this, I'll not want to.そんな態度されたら来たくなんかないわよ。」
(ふふふ、デメルザ、いいとこついてます。使用人だったころから成長しましたね^^)

カードに戻ったロスは負けが込み、隣に座っていたデメルザに贈ったネックレスまでとられた挙げ句についに銅鉱を賭けてしまいます。(*take the bookという台詞が出て来るのですが、カード(ブリッジ)用語でした。あと1枚で勝負の札が揃う意味。)皆の見守る緊張の中、ロスは相手がカードを取ろうと伸ばした手をつかみ、その手を表に返すとそこには既にカードが1枚。不正を暴いたのでした。あわやフランシスと同じことに・・・?!と皆に思わせて、ああ、心臓に悪かった。・・・しかしその不正男はジョージの親戚で、どうやらジョージとの対立が深刻化しそうな雲行きです。

このジョージ・・・フランシスと同じくらいナヨっとしたところもあるのですが、実は私けっこう好きです。悪巧みするのに優雅に語るポーカーフェイスのずる賢さは、男らしい正義の味方ロス・ポルダークに対して、アニメの美形悪役っぽい華がある感じ。この先の対決が楽しみになってきました!!!