前回の時点ではエピ2以降を書くかどうかは決めてませんでしたが、やっぱり楽しいので気になったところどころの感想を書くことにしました。ちょいネタバレあり。大筋バレなし。
ソ連から寝返ったと自称するアルカディの提供した「Operation Glass」とは何かを追うMI5特別チーム、彼とコンタクトをとっているトムという男を追います。
ポーカーフェイスのジョーのことがひとつわかった。・・・お父さんは死んでいる
もうひとりのポーカーフェイス、ダディのことも・・・中国人ダンサーと交際(?)
アランに内部の噂話を報告する任務を与えたダディは、自分のことを老いぼれ扱い、中国人ダンサーとの関係などを詮索したボビーの発言を聞き、さっそく報復に出ました。
「君は独身を決め込んでると意味ありげな噂の的だ。ワシの言ってることはわかるだろ?仕事は所詮、強欲な愛人だ。結婚してこそ一人前。母上だって孫の顔が見たいはずだ。君にはより観測的な役割を担ってもらいたい。自分のこと、他の誰かを考えるいいチャンスになる。」
うーん、ここ、ダディはボビーのことゲイだと知ってて、余計なことを噂してると第1線から外すぞ、という戒めなのかな?それとも結婚できないと知ってていじめ?
二重スパイかも知れないアルカディの仲間トムを追って、売春婦と交渉する役目はもちろんジョー。家の外に立ってる別の売春婦が必ず彼を目で追う・・・そりゃあそうです、どうせならお客に来て欲しい(笑)。だけど彼のように女には困らないような男が女を買うことって、特殊なケースに違いないですよね。どんなケースにせよ、危険を伴いそう。でも危険な愛は魅力的・・・はっ!すっかり娼婦目線に。
その娼婦アリスの言葉「ポッシュな男だったけど、そう簡単にはすませたくないから起訴は取り下げないわ。このまま訴えたら、私はどうなるの?」が印象的。ジョーの答えは「階級は関係ない。国を守るためにあの男を監視下におく必要がある。」アリス「関係あるわよ。国は守っても私のことは守らないのね。」
国に仕える諜報員には階級は存在しないこともあるのでしょうか?ボビーのようにポッシュな出身だと要人の情報に最初から近い特権があるのも事実ですが、ジョーのような工作員の場合、実力次第で上流のエージェントと肩を並べることもある?チームに秘書ウェンディが抜擢されたように、一般社会のヒエラルキーの1歩先を行っているかもしれません。
「Mother Goose, Bobbington Bob.」
これはボビーがお母さんに電話した時の第一声でした。かわいい~
TV「パノラマ」(1953年から現在まで続くドキュメンタリー番組)では「1926年のスト以降我が国最悪の工業危機で何が起こるのでしょうか。」「ストライキ中の炭坑夫は・・・政府は・・・」
と言っています。日本人の感覚だとオイル危機の時代ですが、70年代、国際競争力が低下、イギリスの工業は衰退し200万人の失業者を出したそうです。労働党のもと労働組合が強大化し、スト→サッチャーという流れ。The Gameは72年だからまだその初期的段階。
TVでは「もし原子爆弾が降って来たら」という対処法も報じていました。Operation Glassはソ連の核攻撃計画らしいし、冷戦とは実戦の可能性との抱き合わせなのですね。
さあ、ちょっとエピ2ハイライトのひとつボビーとウェンディ。ジョーの留守中にボビーの独断でアルカディとふたりがコンタクトして仕事が進展した後、ボビーがシェリーのグラスを持ってウェンディの部屋へ。この部屋はMI5ビル内にある宿泊室なのかな?ボビーはウェンディを祝って「半年で秘書補佐への昇進
とは」と言うとすかさず「4年よ」と返され(笑)きまりの悪いボビー。ボビーのようなエリートには事務の女子が4年かけて重役の秘書になることなど考えられなかったのでしょう。「Good heavens, four…」だって。・・・
そしてその後のボビーの奇襲作戦!
対するウェンディの台詞「I have to call a halt.」ってcall a haltを辞書で引いたら「停止を命じる」ですって!
ボビーの嫌な任務遂行のようなぎこちなさと、ウェンディの真っ当な台詞が、こういうシーンにどっちもかみ合ってなくて傑作(笑)。「You can't court your boss and expect peaple to respect you.」
拒まれたボビーは修正案として、難ありフラットに住むウェンディに自宅の部屋を提供します。さすがエリート、そうやって世間の目を欺こうと・・・(笑)
サラとジョーはトムを尋問しますが、その理由は彼が「the letter of the last resort」を知っているからです。その手紙って何?と思ったらwikiによれば、「英国の原子力潜水艦4機の最高司令官宛に書かれた首相による手紙」だそうで「英国が核攻撃を受け首相が死んで潜水艦に命令を下せない場合の対抗措置が書いてある」のだそうです。ほほう。
トムはその手紙と、ジョーにとってユリアの仇オーディン情報を握っているのか・・・・?!
[予告]来週はいよいよ女スパイらしき人物も登場!ジョーの本領発揮だろうか?!ワクワク。
<単語集> あ~大変
MoD =Ministry of Defence 英国国防省
vet 入念に検査する
rule (it) out 除外する
one time pad 一回限りの暗号
on a need-to-know basis 関係者以外極秘で
cook up でっち上げる
wangle だまし取る
acquittal 無罪放免
bail 保釈
pique 怒らせる、傷つける
nudge つつくこと
ravenous 飢えた、強欲な
observational 観測的な
surveillance 監視
conflict of interest 利益の衝突
volatile 危険な、不安定な
drop the charges 起訴を取り下げる
treason 国家への反逆
retaliate 応酬する
stalemate こう着状態
intact 損傷のない
pre-emptive 先制攻撃の
FO =Foreign Office 外交機関
entice (相手が喜ぶものを提示して)気を引く
muck in (口)協力する
confine 制限する、閉じ込める
fallout フォールアウト、放射性下降物
protocol 外交儀礼、協定、手順
consistent 一致した、一貫性のある
Are you decent? 決まり文句「ちゃんと服を着ているかたずねる表現。古」
turn in =go to bed
unfettered 自由な
halt 休止 *軍などの「止まれ」の号令もこれ
court 言い寄る
null and void 無効の
light fitting 照明設備
constellation 星座、集まり
MBE 大英勲章第5位
shadow この単語にも「尾行する探偵/刑事/スパイ」という意味がある
double-cross 裏切る、寝返る